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営業力は“情報化”でどこまで高まるか?
Part2●
Salesforceの活用でレベルの高い情報共有を実現

文●ロビンソン・岡崎勝己

取材協力●ブリッジインターナショナル

セールス&コンサルティング事業本部

第一コンサルティング部部長 尾花淳氏

2006年11月13日

営業プロセスを分業し業務の最適化を図る

 2002年に設立されたブリッジインターナショナルは、セールスBPO(Business Process Outsourcing)と呼ばれる独自の営業アウトソーシングサービスを中心に事業を展開している。一般に法人営業を行なう多くの企業は、見込み客の発掘から提案、商談、アフターフォローという一連の営業活動を担当者が個々に実施している。これに対してセールスBPOは、営業活動をプロセスごとに分解するとともに、それらを企業の核となる業務(フェイス・ツー・フェイスの訪問型営業など)と、外部に委託できる業務(電話やメール、非対面型の営業など)に切り分け、営業活動を分業して実施するものだ。

 ブリッジインターナショナルのセールス&コンサルティング事業本部第一コンサルティング部部長の尾花淳氏は、セールスBPOのメリットについて「営業プロセスをいくつにも切り分け、顧客のリソースと当社のリソースを組み合わせたプロセス分業が実施できる点がテレマーケティングや営業代行などと大きく異なる。営業担当者にとって優先度が下がりがちな納入後のフォローアップや、将来を見据えた新規開拓などの活動を当社が担当することで、顧客の営業プロセスの最適化を図ることが可能になる」と説明する。

取材協力●ブリッジインターナショナル セールス&コンサルティング事業本部 第一コンサルティング部部長 尾花淳氏
取材協力●ブリッジインターナショナル セールス&コンサルティング事業本部 第一コンサルティング部部長 尾花淳氏

 セールスBPOサービスを提供するにあたって、同社が特に重視しているのが、サービス開始前の導入コンサルティングだ。

 具体的には、既存の営業業務の業務分析を通じて、営業プロセスを再定義するとともに、各プロセスにおける課題や要件を定義。さらに、各プロセスにおけるKPI(Key Performance Indicator)を設定し、運用の過程でそれらを絶えずチェックすることで、業務レベルを高く維持できる仕組みが整備されている。それがひいては、営業プロセス全体の業務品質の向上、営業力の強化につながっているわけだ。

情報共有インフラがサービスのネックに

 ブリッジインターナショナルでは、セールスBPOサービスの提供を通じて、さまざまな営業情報を収集する。たとえばITシステムの見込み客を発掘するために顧客から企業リストが提供された際には、企業の中の誰がターゲットになりうるのかを電話やダイレクトメールなどで洗い出すとともに、導入の意向の有無、現在のシステム環境、予算を知るためのテレセールスなどを実施する。注目すべきは、同社では、調査結果のみならず、いつ、どのような手法でそれらの情報を収集したのかといったプロセスについてもきちんと履歴を残している点だ。

「単に結果だけを残していただけでは、その後のプロセスでいかに提案活動を進めていくべきかの判断が非常に困難。プロセスの情報は貴重な営業情報の1つ」(尾花氏)

 セールスBPOサービスでは、営業プロセスを切り分けて分業するため、これらの営業情報を顧客とシームレスに共有する必要がある。そのためのツールにも同社は配慮している。

 実は同社では、従来からセールスBPOを実践するために、顧客がすでにCRMシステムを整備している場合には専用線でアクセスすることで、システムがない場合には、Microsoft Excelや同Accessなどを用いることで、営業ターゲットに対する同社の活動履歴やターゲットの反応といった営業情報を管理/共有してきた。しかし、尾花氏によると、それらの仕組みにはいくつかの課題が残されていたという。

 まず、前者の課題として挙げられるのがイニシャルコストの高さだ。専用線でアクセスできる環境を整えるためには、既存システムへのカスタマイズ作業などが発生し、そのために顧客は400~500万円の費用を負担しなくてはならなかった。

 一方で、後者では情報の鮮度が課題だった。Excelを利用する場合は一定期間、情報を蓄積してから顧客に提供することになるため、一部の営業情報が陳腐化してしまうことを避けることができなかったのだ。

 もちろん、早急に対応すべき営業ターゲットについては、電話やメールで顧客と情報のやりとりを行なっていたものの、その際でも個々の営業ターゲットに紐づく活動履歴情報が膨大なため、それらが顧客にとって把握しにくかった。

「営業情報は新しければ新しいほど良い。しかし、たとえば1週間に1度、Excelの更新を行なうケースでは、最悪、6日前の顧客情報を提供することになってしまう。そのため、情報の価値が大きく削がれてしまうケースがしばしば見受けられた」(尾花氏)

 これらの課題解決に向け、同社が着目したのがセールスフォース・ドットコムのASP型CRMサービス「Salesforce」だった。

営業支援システムには情報分析機能が不可欠に

 ブリッジインターナショナルでは、2002年10月からSalesforceを顧客と営業情報を共有するための選択肢の1つに加え、活用を進めている。具体的には、顧客がSalesforceでの情報共有を希望した際には、業務要件を踏まえて企業ごとに異なるカスタマイズを行なう。これを利用して、ブリッジインターナショナルと顧客の双方が、入力した情報をリアルタイムに確認できる環境を整えているのだ。

 データベースを構築し、CRMシステムをいちから整備するとなれば、一般的にはそのために1年以上が必要とされる。しかし、Salesforceはカスタマイズが簡単で、1カ月程度で利用環境を整えられる。その分、短期間にセールスBPOサービスを実施できるようになるわけだ。

 なお尾花氏は、今後の営業支援システムに求められる要件について次のように述べる。

「営業支援システムにはプロセスマネジメントの結果として、さまざまな情報が蓄積される。その結果を基にしたナレッジマネジメントを可能にする仕組みが、今後の営業支援システムに求められるはずだ」

 営業ターゲットが今、営業プロセスのどの段階にあるのか。それらの段階にあるターゲットに対してどのような活動を行なうことで、どのような結果が得られたのか。営業支援システム内にはこうした貴重なナレッジが蓄積される。今後は、こうした情報を活用するための機能強化が求められるだろうというわけだ。

「現状の営業支援システムを見ると、情報を見る切り口がまだ限定されていると言わざるを得ない。そこで、切り口を増やすために、分析系の仕組みの整備を充実させていく計画。実際に、現在そのための仕組みを作りに着手したところだ」(尾花氏)

ブリッジインターナショナル株式会社
http://www.bridge-g.com/

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