文○税理士 今村仁
前回、新事業活動促進法の承認を受けるとメリットが多数あることをお知らせした。そしてその中でも特に税制上の優遇措置について、詳細の説明を加えた。 今回は、多数ある承認メリットの中から特に中小企業からの要望が強い、資金繰り・融資面でのメリットをみていくこととする。 融資面でのメリットとしては、まず「信用保証枠の拡大」というのがある。 これは、
という2つのケースがある。
普通保証等の別枠設定とは、承認事業に対する資金に関して通常の付保限度額と「同額の別枠」が借入枠として設けられるということである。具体的には次のように保証が倍になるのである。
IT推進アドバイザー派遣事業の利用条件
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+ |
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注)普通保証とは有担保・有保証人のことであり、無担保保証とは無担保・有保証人のことである。また無担保無保証人保証の対象者は、従業員20人以下(商業・サービス業の場合5人以下)の小規模企業者である。
そしてもう1つのケースである「新事業開拓保証の限度額引き上げ」とは、承認事業を行なうために必要な研究開発費用について、付保限度額を引き上げてくれるというものである。具体的には以下のようになる。
(新事業開拓保証の限度額引き上げ)
通常 2億円 ⇒ 3億円 組合 4億円 ⇒ 6億円
ただし、「普通保証等の別枠設定」及び「新事業開拓保証の限度額引き上げ」ともに、ほかの支援策による特別枠をすでに利用されている場合は、利用可能枠に制限が入る場合があるのでご留意頂きたい。
ほかにも承認企業には、「固定金利による低利の融資」というメリットがある。これは、政府系金融機関(「国民生活金融公庫」、「中小企業金融公庫」、「商工組合中央金庫」)から、通常の融資条件よりも優遇された長期・低利・固定の特別貸付が受けられる可能性があるということである。
固定金利による低利の融資
| 貸付限度額(通常枠とは別枠で設定) | |
|---|---|
| 中小企業金融公庫 商工組合中央金庫 | 設備投資資金 7億2000万円(内運転資金2億5000万円) |
| 国民生活金融公庫 | 設備投資資金 7200万円(内運転資金4800万円) |
| 貸付利率 |
|---|
| 特別利率(ただし、2.7億円を超える金額及び土地の取得のための資金は、基準利率) |
| 貸付期間 | |
|---|---|
| 設備投資資金 | 原則15年~最大20年まで(内据置期間2年) |
| 運転資金 | 原則5年~最大7年まで(内据置期間1年~最大3年) |
中小企業金融公庫
| 担保及び保証人特例(別途リスクプレミアムが加算される) | |
|---|---|
| 全担保免除 | 一取引先当たり上限8000万円 |
| 一部担保免除 | 本貸付制度当たり融資額の3/4まで(上限1億2000万円) |
| 本人保証免除 | 融資額全額 |
商工組合中央金庫
| 担保及び保証人特例(別途リスクプレミアムが加算される) | |
|---|---|
| 担保免除 | 本貸付制度当たり上限8000万円(8000万円の範囲内において、 当該申込者の状況に応じて、全担保免除から一部担保免除まで適用) |
| 本人保証免除 | 融資額全額 |
国民生活金融公庫
| 担保及び保証人特例(別途リスクプレミアムが加算される) | |
|---|---|
| 第三者保証人 徴求免除特例 |
一取引先当たり上限2000万円(2000万円の範囲内において、 当該申請者の家族・従業員等の保証のみで、第三者保証は免除) |
「中小企業新事業活動促進法の承認」を受けると、ほかにも中小企業の融資面でメリットのある制度が存在する。それが、「小規模企業設備資金貸付制度の特例」である。従来からある「小規模企業設備資金貸付制度」とは、小規模企業者の創業時や経営基盤強化時に必要な設備購入代金の半額を無利子で貸し付けるというものである。これが承認企業ということになると、通常の条件よりさらに優遇されることになる。これを図にまとめたのが以下である。
| 貸付条件 | 通常 | 特例 |
|---|---|---|
| 貸付限度額 | 4000万円 | 6000万円 |
| 貸付割合 | 所要資金の1/2まで | 所要資金の2/3まで |
| 貸付割合 | 無利子 | |
| 貸付割合 | 7年以内(公害防止等施設は12年以内) 年賦、半年賦、又は月賦均等償還(据置期間1年以内) |
|
| 担保又は保証人 | 連帯保証人又は物的担保が必要 | |
ただし、この制度を実施していない都道府県があるので、具体的には各都道府県の中小企業支援センターにお問い合わせ頂きたい。
融資面でのメリットの最後として、「高度化融資制度」というのがある。これは、たとえば中小企業者が共同で工場団地を建設したり、商店街にアーケードを設置したりする場合(高度化事業)に、そういった高度化事業を実施する組合などに対する融資の金利が「無利子」になるというものである。該当する場合は少ないかもしれないが、合わせて覚えておいて欲しい。
ほかにも新事業活動促進法の承認を受けると、「補助金」や「特許料の減額」といった融資面以外の恩典があることも見逃せない。新たな事業活動を行なおうと考えている中小企業経営者は、今こそ「新事業活動促進法の承認」を受けるべきである。
なお、新事業活動促進法の承認を受けたとしても必ずしも融資が実行されるとは限らないので、ご了承頂きたい。最終的には各金融機関や保証協会等が融資の是非、金額を判断されるものと思われる。
監修者紹介
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今村 仁(Hitoshi Imamura) 今村仁税理士事務所は、ベンチャー・起業家・中小企業の参謀役税理士(SZ)として、会社設立から株式公開支援まで幅広くサポートしています。大阪・京都・神戸及び東京を中心に活動しています。 |
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