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注目の経営者に聞く! 2007年、インターネットビジネスの展望

2007年1月5日

第6回 ケータイゲーム&SNS「モバゲータウン」
モバゲータウンで会員1000万人の大台を目指す

 2007年、特に注目されるモバイルビジネス。 ディー・エヌ・エー(DeNA)は、携帯電話専用のゲーム&SNSの無料サイト「モバゲータウン」の急成長により、モバイルによるインターネットサービス業界のナンバーワンへと躍り出た。今後はサービス拡充によるモバゲータウン会員1000万人体制の早期達成を目指すとともに、オークション、アフィリエイトサービスを加えた3事業を軸に、モバイルにおけるポータルサイト化の実現を図る。

株式会社ディー・エヌ・エー 南場智子社長

株式会社ディー・エヌ・エー
代表取締役社長 代表取締役社長 南場智子(なんば ともこ)

1986年4月、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパンに入社。1988年、マッキンゼーを退職し、ハーバード大学へ。1990年にはハーバード大学にてMBAを取得し、その後マッキンゼーに復職。1996年、歴代日本人女性で3人目のマッキンゼーパートナー(役員)に就任。1999年に株式会社ディー・エヌ・エー(以下:DeNA)を設立。同年、マッキンゼーを退職し、DeNA代表取締役に就任(現任)。2003年、内閣IT戦略本部員に就任し、2004年には規制改革・民間開放推進会議委員に就任(現任)。

 いまや個人用インターネット端末の本流となったモバイル。総務省の推計による2005年末時点の個人のインターネット端末利用者は、携帯電話などの移動端末が前年比18.8%増の6923万人と、パソコン利用者の6601万人(同2.9%増)を初めて超えた。

 そのモバイルユーザー向けインターネットサービスの主役は、ヤフーでも楽天でもなく、DeNAだ。これまでインターネットオークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」で知られていた同社だが、2006年にモバイルサイトのPVランキングで1、2位を独占するモバイル業界の雄へと進化を遂げた。

PV比較
PV比較

 最大の原動力である「モバゲータウン(以下、モバゲー)」は、2006年2月のオープンからわずか9カ月で会員数200万人を突破し、いまでも月30万人のペースで増えている。モバゲーとの相乗効果もあって、モバイルによるネットオークション「モバオク」やアフィリエイトネットワーク「ポケットアフィリエイト」といった既存のモバイル事業も拡大。これに伴い業績は急伸し、2007年3月期末の連結業績見込みは売上高128億円、経常利益37億5000万円と売上高、利益とも前年から倍増を予定している。

 とはいえモバイル事業は成長分野だけに、今後は資本力の強い有力ライバルとの競合激化が想定される。国内最大のSNS「mixi」は2006年12月、モバイルメッセージ機能や携帯電話からの新規登録をスタートさせた。またヤフーの「Yahoo!モバイル」、楽天の「Infoseekモバイル」も着々と機能拡充を進めている。DeNAの南場智子社長に、急成長の要因や将来の戦略などについて話を聞いた。

モバゲータウンが驚異的な伸びを示し、売上倍増

――2006年は順調に業績を伸ばし、飛躍の年になりましたね。

南場氏 パソコンによるインターネットオークションとショッピングサイト「ビッダーズ」を主力事業としていた3年前、売上高は約15億円でした。このとき、売上を1年ごとに30億、60億、120億へと伸ばす3カ年計画を立てました。今期(2007年3月期)の業績見通しは108億円から128億円へと上方修正し、順調に推移しています。
 2006年に業績が伸びた要因は、モバイル事業を徹底して攻めたことに尽きます。
 2月にモバゲーと、auの公式サイトとして「au Shopping Mall」をオープンしました。3カ年計画を立てた当初は、モバイル事業の売上は全体の3分の1と考えていましたが、3分の2を占めるようになっています。成長分野であるモバイル分野に注力した結果だと考えています。
 現在、モバイル事業はモバオク、モバゲー、ポケットアフィリエイトの3つがメインで、それぞれが業界No.1となっています。モバゲーの1日平均PVが1億3000万PV、モバオクが7100万PVで、2つのサイトを合わせると2億PVを超えています。国内1、2位のPVをもつメディアを持った相乗効果で、アフィリエイト事業も大幅に伸びました。また、携帯専用のショッピングサイト「ポケットビッダーズ」の取り扱い高も、好調に推移しています。

モバゲータウンのトップページ モバオク
左が「モバゲータウン」のトップページ。右の「モバオク」とリンクしており、ページを行き来することでモバゲーユーザーがモバオクで商品を購入したりするなど相互作用が起きている(画像クリックで拡大)

――モバイル事業の急成長は、なんと言ってもモバゲーの大成功が貢献していますね。

南場氏 モバゲーは、アバターと呼ばれる自分の分身を使ってバーチャル世界でゲームやコミュニケーションを楽しむ携帯専用サイトです。モバゲー自体の利用料は無料ですが、アバターの装身具や家具などを購入するために「モバゴールド」という仮想通貨が存在しており、ユーザーはそのモバゴールド取得のために友人を紹介したり、アフィリエイトサイトを見に行きます。ユーザーが増えることで自然と広告料やアフィリエイトからの収益が生まれるという仕組みです。

女の子のアバターの一例
女の子のアバターの一例。左にいるのはモバオクのキャラクター「ピーモ」。アイテムの一種として飾ることができる


モバゲータウン内のゲーム画面
モバゲータウン内のゲーム画面。まったく知らない人と大富豪などのゲームで対戦することが可能

 会員数は2007年3月末で100万人を目標としていましたが、オープン後わずか10カ月で200万人を超え、現在は約225万人です。(2006年11月末現在)いまでも月に約30万人のペースで増加しています。男女比はおよそ6対4。ユーザーは10~20代が多く、17、18歳の高校生が中心です。今年の4月にはの新規入会者の5割が15~17歳だったのですが、10月の時点では3割弱に減って、最近は20歳以上の人の入会が増えています。

 いまはラッピングバスや電車内の広告を展開していますが、スタート当初は何も特別なプロモーションをしていませんでした。最初はやってみないとわからない、という感じでしたが、モバオクでの告知を種火に10代を中心に口コミで広がっていき、あれよあれよという間にトラフィックが増えていきました。

――御社がモバイルコンテンツで市場をリードしている背景には、一体どのような強みがあるのでしょうか。

南場氏 当社のモバイルコンテンツの強みの基本は、使いやすいことです。余計な機能を極力省き、この業界で他に例を見ないほどのトラフィックがあってもサクサク軽く動きます。機能1つ1つについて細かな配慮ができています。使いやすいサイトを作るには、技術力の高さと現場主導によるユーザーの立場を重視した開発体制が大事です。
 もともと当社は優秀な技術者を積極的に採用していますし、あまり知られていなかったと思いますが、技術力は非常に高かったのです。たとえばポケットアフィリイトは2007年3月期の上半期で約20億円の売上にまで成長していますが、2004年のスタート時には数人の技術者が約2週間で基本的なシステムをつくりあげました。さらに、これまでのオークション事業をはじめとするインターネットサービスに関するノウハウの蓄積もあります。
 また当社では技術者も総合調査から製作までのすべての作業を行なっていて、企画する人、設計する人、作る人があまり分かれていません。技術者もまずは自分で他社のサービスを利用していますので、ユーザーの立場から開発を進めることができるのではないでしょうか。
 たとえばモバゲーの場合、私は企画には関わらず、現場主導で6カ月で企画と開発を行ないました。担当から世間話のように「ゲームをやろうと思っているんだけど、少人数だから決裁はいりません」と言われ、「いいんじゃない」の一言でスタートしました。あとは完成後の打ち上げに呼ばれた程度です(笑)。

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モバゲーを進化させ、ユーザー数1000万人を目指す

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