文●山田 知賢
4回に渡って掲載した本連載も、今回で最終回となる。最後に、これまでの本連載を振り返り、各回のポイントをあらためて確認しておこう。
第1回では、日本版SOX法の運用までに準備しておかなければならないことを、時系列に沿って整理した。2008年4月以降の決算から対象といっても、現実には2008年度に入ってからの作業では間に合わない可能性がある。最終的な内部統制報告書を作成する前に、さまざまな決定事項や成果物の用意が必要となるからだ。ここで重要なのは、行なうべき作業、対応スケジュールを明確にし、確実に対応を進めること。まだ作業を開始していない企業は、早急に対応しよう。
第2回では、まず初めに取り掛からなければならない「方針策定」の概観を確認した。日本版SOX法対応は、どの企業の、どの業務を対象とする必要があるのかを明確にしないことには先に進まない。また、並行して、社内の実施体制も明確にする必要がある。
第1回、第2回の内容を総合すると、「行なうべき作業」、「対応スケジュール」、「対応範囲」、「実施体制」の基本要素のイメージ、考え方が掴めるはずだ。一般に「日本版SOX法対応」といわれる中身がどのようなものか、理解を進めるのに役立ててほしい。
第3回では、日本版SOX法対応の成否や効率性に大きく関わる要素として、監査法人、コンサルタント、ITツールを取り上げた。監査法人との綿密な連携こそが、手戻りを少なくする大きな要因である。また、円滑なプロジェクト運営のキーとしてコンサルタントが、実作業の効率化としてはITツールの利用も考えられる。だが、いずれもあまり選択に掛ける時間は残されていない。信頼できる情報をもとにすみやかに選定したいところだ。
最後に、今回は運用年度の体制について述べた。これは決して先の話ではなく、すぐに準備を始めなければならない話である。準備年度での作業体制を確立した後、順次検討を進めたい。
以上、まだ対応を始めていない企業、遅れている企業にとって、検討すべきポイントに的を絞って説明した。日本版SOX法対応への理解、プロジェクト推進作業の一助となれば幸いである。

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