文●山田 知賢
範囲やスケジュールを明確にするのに平行して、実際にどのような社内体制で対応を進めていくのかも明確にする必要がある。
準備年度の取組み方針としては大きく2つのパターンがある。専門のプロジェクトチームを構築してプロジェクト主導型で文書化/評価を実施する方法と、現場主導型で作業を実施する方法だが、どちらのスタイルをとるかは、企業の状況に応じて適宜判断することでよい。
内部リソース/外部リソースを用いて、専属のプロジェクトチームを構築する余裕があれば、比較的規模の大きいプロジェクトチームを構築し、専属チームで進めて行くことでよいだろう。逆にあまり大規模な専属チームを構築することが難しい場合は、実作業は現場部門が兼任で実施するスタイルとなる。いずれの場合でも、現場部門の参画は必須であり、参画度が異なると考えればよいだろう。
一般的な体制イメージは以下のようになる(図5)。
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| 図5:日本版SOX法推進体制イメージ |
前回述べた通り、作業負担が最も重い部分が“業務処理統制”であり、場合によっては、“全社統制”と“(全社的な)決算・財務”は兼任することも可能である。
当然、規模によっては推進メンバーと担当部門を独立させず、プロジェクトリーダーの下に直接実行部隊が来ることも考えられる。ただし、まったく現場部門の参画なしにプロジェクトを進めることは不可能だ。“全社統制”等の質問書の回答は、関連部門が行なうことになるし、“業務処理統制”の「文書化」作業は現場部門への確認無しにはできない。不備が出た際も、実際に改善を行うのは現場部門自身である。
内部統制プロジェクトは全社を巻き込んだプロジェクトとなる。経理部門やその他の管理部門のみで完結するものではない。いかに全社の各部門が協力できるかがプロジェクトの円滑な遂行のキーといえる。「意見書」における責任主体が経営者となっていることからも、プロジェクトのトップは経営陣であるべきであり、内部統制の推進に当たっては、各フェーズでの報告を受領してコメントを述べるのみというスタンスではなく、全社的な取組みを容易にすべく、積極的に参画することが望まれる。
繰り返しになるが、プロジェクトを円滑に運営し、結果としてスケジュールを遵守するために、経営陣の参画は非常に重要なポイントと言える。

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