まずは下の表を見てほしい。これは、ガートナーがこの5月に発表した、国別のIT投資マインドに関する調査結果だ。世界21カ国の企業のIT投資動向を複数の指標で調査・分析し、ランキングにしたもの。日本のIT投資マインドは、21カ国中最下位という衝撃的な結果となっている。 アスキービジネスは、この6月に関連するセミナーを開催。そのなかで、こうした状況を打破し、国内企業のIT投資マインドを向上させるためのヒントが提示された。当日の様子やアンケート結果なども見ながら、国内企業におけるIT投資への現状や課題、その打開策を見ていこう。
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| 表1●国別IT投資マインド総合ランキング |
6月8日、アスキービジネスは都内で「企業リスクとIT統制~会社法、JSOX、ISMS、BCMが求めているもの~」(協賛:インテル)を開催。昨今大きな注目を集めている「内部統制」というキーワードに対して企業がどのように取り組むべきかの解を求めて、会場には大勢の企業経営者やIT担当者らが駆けつけた。
同セミナーでは、東京電機大学未来科学部情報メディア学科教授の安田 浩氏による基調講演の後、各有識者を交えたトークセッションを実施。モデレータは、ITコンサルタントの三好康之氏。先の安田浩氏に加え、パネラーとしてASPインダストリ・コンソーシアム・ジャパンの津田邦和氏と、インテルの宗像義恵氏が登壇。主に中小企業における内部統制に対する認識や現状について話し合われた。
なかでも特に白熱したのが、内部統制をいかに「攻めのIT」につなげるかという話題。冒頭で示した日本のIT投資マインドの低さに加え、宗像氏は別のデータ(グラフ1)を提示し、日米のIT投資の姿勢の違いに関して言及した。「グラフを見ると分かるが、日本は守りの投資が中心。一方、海外では攻めの投資を行なっている。日本企業も単なる生産性向上だけでなく、競争優位性を高めるためのIT投資を行なうべき」と指摘した。
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| グラフ1●日本と北米企業におけるIT投資の違い(画像クリックで拡大) |
一方、多くの企業の現場をよく知るITコンサルタントである三好氏が、「攻めのIT」へのきざしがあることも指摘。「日本のIT投資では、システムを利用する現場の意見が大きくなりすぎて、ソフトのカスタマイズ費用の割合が大きく、攻めの投資にまでお金を回せていない。しかし内部統制(日本版SOX法)という法律の枠組みで決まった今は、不要なカスタマイズをしなくてすむ分、攻めのITの導入に費用をかけることができる」という。