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小森哲郎の「経営から見た IT化成功の勘所」タイトル

文●小森 哲郎

最終回 LEAPを実現するシェアードバリュー&スタイルを目指せ


新しいことに果敢に挑戦しよう、前進あるのみ!

 ITの世界では、新しいものに臆せず、(実際に使うかどうかは別としても)まずは見てみよう、常に工夫していこうという価値観が必要だ。現場は改善あるのみ、一瞬たりとも立ち止まっていてはいけないという前向きな会社でなければ、ITは入らない。現状のままでいいと思っていたら、ITなどめんどうだから入れなくていいということになってしまう。

 ITを現場に入れるとなると、それまでの現場のやり方を変えることになるので、そもそもめんどうくさい。また、ITを入れて便利になることもあるけれど、入れたことで手間が増えることもたくさんある。自動化されても、空いた時間にはまた別の仕事が入ってくるわけだから、実際に仕事量が減るわけではない。パソコンが入ったからといって、仕事が楽になっただろうか? 生産性は上がったかもしれないが、楽になったかどうかは怪しい。

 となれば、ITをうまく使って、IT化を成功するためには、どんなシェアードバリューを持っていないといけないかは自ずと見えてくる。改善あるのみ、止まっていてはいけない。

 本連載では10回にわたり、経営の視点から見たIT化の要点をさまざまなフレームワークを用いながら論じてきた。世の中の環境が目まぐるしく変化する中、置かれた企業の状況に応じて問題解決を行なっていくという本質的な力がますます重要となってきていることは枚挙にいとまがない。

 もし、あなたがIT化に関わる問題解決で迷子になってしまったら、まずは手を動かすことを止め、基本的なフレームワークに立ち返って考え抜くことをお勧めしたい。そうすれば必ずや解決策は見えてくるはずである。


小森 哲郎(こもり てつお)氏
 
著者・小森 哲郎(こもり てつお)氏プロフィール
コンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーで18年間の勤務経験を持ち、世界各国の企業の戦略策定、経営改善に携わる。2002年4月よりアスキーの顧問として再建企画を策定したのち、同社社長に就任、短期間のうちに劇的な企業再生を実現する。現在は、クラシエホールディングス株式会社の代表取締役CEO兼社長執行役員として全社の改革を進めている。



※この記事は、「アスキービジネス ITスキルアップ 2006年5月号」の記事「小森哲郎の『経営から見た IT化成功の勘所』」を再掲載したものです。

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