アスキービジネス

ホーム > アスキービジネス > マネジメント

IT+行政支援で中小企業の経営をサポート IT経営情報局

小森哲郎の「経営から見た IT化成功の勘所」タイトル

文●小森 哲郎

連載第1回では、ITが構造的に問題を起こしやすく、その問題を解決していくには、本質を見極める目を持つことが何よりも重要だということをお話しした。今回は、それをさらにもう一段階掘り下げ、問題を整理し、原因を明らかにするためのテクニックに話を進めたい。
今後、この連載では、問題の原因を多元的に捉えられる「7S」と呼ばれるフレームワークを使っていくが、まずは「7Sとは何か?」から始めることにしよう。

第2回 問題の原因を「7S」を使って多元的に捉える


ITの問題は7つの要素で切り分けられる

 世の中には、物事を捉えるためのさまざまな枠組み(フレームワーク)が存在するが、中でも「7S」は、コンサルティングの現場などでよく使われているものだ。別名「組織の7S」とも呼ばれるが、「組織は戦略に従う」という基本的な考えがそこにある。7Sは戦略そのものだけでなく、組織のさまざまな要素を含めて、多元的に原因を捉えられるフレームワークである。

問題の原因を多元的に捉えられる「7S」
図1:問題の原因を多元的に捉えられる「7S」(画像クリックで拡大)

 7つのSとは、Strategy(戦略)、Structure(組織機構)、System(運営システム)、Skill(組織能力)、Staff(人材)、Style(経営風土)、Shared Value(共通価値観)の頭文字から来ている。IT化のさまざまな問題の原因を7Sの要素で切り分けてみよう。

 IT化がうまくいかない1つの理由に、IT戦略(Strategy)が明確に定義されていないということがある。企業全体の戦略や個別の事業戦略とIT化がきちんと関連付けられていない場合もあれば、そもそもIT戦略の上流である事業戦略そのものが不明確な場合もある。そこにITというツールだけ入れようというのは愚の骨頂であろう。

 組織構造(Structure)そのものが根元的な原因になっているケースもある。IT部門に責任だけを押し付け、必要な権限を与えなければ、おのずと問題は発生する。また、企業の運営システム(System)上、IT部門と現場の距離感が著しければ、現場の要望を汲み取ることが難しくなる。

 IT部門に業務が分かる人が誰もいず、現場の知識がまったく蓄積されていない場合も、現場のニーズからかけ離れたシステムが構築されてしまう可能性が高い。このような組織スキル(Skill)の問題に加えて、個人(Staff)の能力やスキルの育成不足も問題を引き起こす原因となる。

 さらにITの問題は、企業の共有価値観(Shared Value)、企業風土(Style)にも関連する。たとえば、数字はあまり重要視せず、出たとこ勝負の経営スタイルの会社に、カッチリとした融通のきかないITシステムを入れても誰も使わないだろう。

 このように、IT化の問題の原因は、7Sの要素に分類できるが、さらに重要なのは、7Sの要素がそれぞれ相互につながっている点だ。原因は1つに見えても、何かほかの要因によって引き起こされていることもある。ほかの要素との関わりにも目を向けることで、問題を多面的に捉えられる。

次へ次ページ
問題の原因を7Sのつながりで掘り下げる

前ページ <<  1 | 2 >> 次ページ

戻るトップページへ
アスキービジネスのおすすめ
登録は無料!今すぐ登録する方はこちらから 利用者登録がお済みの方はこちらからログインできます
最新ニュース

| ASCII.jp | デジもの | Mac/iPod | 自作PC | 科学技術 | ゲーム・ホビー | 話題 | 情報システム | ビジネス |

| 価格比較 | Microsoft | キャリア | SaaS・ASP | VPN | SHARP | Panaspot | 富士通 | 住まい情報局 |

| EPSON DIRECT | Wireless Gate | アキバ | ムービーフラッシュ | SpeedGun | デジタル用語辞典 | Blogmag | アスキー365 |

サイトポリシー | プライバシーポリシー | 運営会社 | お問い合わせ