【短期集中講座】中小企業にとってのメリットと課題を探る
文●木暮 仁
中小企業でも導入が本格化してきたERPパッケージの基礎を解説する本連載。第1回では、ERPパッケージ誕生の背景と大企業での導入課題について解説した。第2回では、なぜERPパッケージが中小企業に求められるようになってきたのか、その理由について考えてみよう。
前回見てきたように、大企業の情報システムは自社開発の独自システムから、会計や給与計算などの個別処理の市販パッケージ、そして統合型のERPパッケージへと変遷をたどりました。それでは中小企業の状況はどうだったのでしょうか。
中小企業(中でも特に小規模な企業)の間でIT化が進んだのは、安価に導入できるパソコンの普及によるところが大きいといわれています。パソコンによるIT化は、当初から市販のパソコンソフトをそのまま利用するのが普通でした。これは、中小企業ではIT技術者が乏しく、費用もあまりかけられなかったためです。
当初のパソコンソフトは、販売管理や会計処理などの個別の業務を、単体(スタンドアロン)のパソコンで処理する、というものでした。これらは数万円の費用で購入可能であり、単機能だからこそ“経営戦略”だとか“情報化計画”などと大上段に構える必要もなく、手軽に導入できます。
一方でこうした単体利用・個別処理のパソコンソフトも、連携利用のニーズが生じてきたことや、大企業でのERPパッケージ普及の影響を受け、次第に個別業務間の統合を進めるようになります。結果、中には個別のパソコンソフトを連携させ、“ERPパッケージ”を名乗る製品まで出てきました。また、現在では単体利用ではなくネットワークに対応し、複数のパソコンから同時にシステムを利用できるようにしたソフトも登場しています。
しかし、気をつけたいのは、このようなパソコンソフトの目的はあくまでも事務作業をシステム化することであり、業務の効率化に重点が置かれていることです。そのため、経営管理やBPR(Business Process Reengineering:経営革新)を目的とした本格的なERPパッケージとは明確に区別して考えるのが適切だといえます。
![]() |
|---|
| 図1●IT成熟度に応じてパソコンソフトからステップアップしていくのも方法の1つ。だが、ERPパッケージとは目的が異なることに注意したい。(クリックで拡大) |
IT成熟度が低い中小企業では、まず個別処理・単体利用のパソコンソフトからスタートし、ステップバイステップで高度なパソコンソフトの利用へと進んでいくのもIT化を成功させる方法のひとつです。IT化を進めるうちに成熟度が向上し、経営管理やBPRが必要になった段階で、本格的なERPパッケージの導入を検討するのもよいでしょう(図1)。
次ページ
低価格化で中小企業でも導入可能になったERPパッケージ
|
|
||||
|
|
|
|
|
|
|
|
||||