企業の悩みをコンサルタントが即解決!
取材・文●岡 幸広
企業の抱える経営課題をさまざまな方法論やものさしで解決していくコンサルタント。コンサルタントは経営上の問題を解決する上で、経営者の大きな味方となる。しかし、まだ中小企業ではコンサルタントを有効に活用してる例は少ない。ここでは毎回、特定の分野に特化したコンサルタントに話を聞き、現代企業が抱える問題を明らかにしていく。
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| 流通経営コンサルタント 大木 ヒロシ 氏 |
年金や雇用への将来的な不安や物余りなどの要因により、個人消費が低迷している。さらに人口減少が追い撃ちをかけ、売上げ不振に喘ぐ企業や小売店も少なくない。
「『できるだけコストをかけずに売上げを増やしたい』という切実な声が多いですね」と語るのは、ジャイロ流通研究所の所長・大木ヒロシさんだ。年間200回以上の講演で日本全国の企業経営者や小売店主の生の声に接し、さまざまな疑問に答えている。
「今ある経営資源で最大効率を上げるには、個々の従業員が売れる仕組みを作ること。接客時に顧客のウォンツ(要求)を把握できるような人間関係を構築し、販促につなげるんです」
たとえば、旅行用品販売店。「ハワイ旅行に出かける」という話を顧客から従業員が聞き出せれば「この時期、ハワイはまだ紫外線が強いようです。当店ではUVカット商品を多数、取り揃えてお待ちしております」とDMに書き込める。漠然としたニーズに訴えるDMより、顧客の購買意欲も高まるはずだ。従業員が接客時に得た情報を記入し、販促に活用できてこそ、顧客名簿は価値を持つ。誕生日にDMを送るだけでは、宝の持ち腐れだ。
「たとえば、名刺1つとっても顧客と人間関係を構築するための重要な情報発信ツールになりうるんです。名刺の受け手にとって『得・楽・便利』な情報を強調して載せることが重要なんです」
大木さんの名刺には、緑地に白抜きの文字で「事業拡大・改善の専門家集団です」というコピーが掲げられている。クライアントにとって、どんな「得」があるのかを端的に示す情報だ。「楽」は電話番号が大きく、見やすいこと。電話番号が小さいと、情報が埋没してしまう。名刺の裏面には、研究所が提供する会員サービスについての記述がある。クライアントにとって「便利」な情報だ。
若かりし頃、奥さんの実家が経営していたブティックを継いだ大木さんは、洋服と靴のトータル・コーディネート・セット販売を提唱し、実践した。3000万円だった店の年商は、あっという間に7000万円に。フランチャイズ・チェーンを立ち上げ、3年足らずで加盟店は100店を超えた。噂を聞いて来店したファッション専門誌の編集者に「あなた方の取材は甘い」と不満をぶつけると、「そこまで言うなら、自分で取材して記事を書いてください」と依頼された。
「自分自身、商売で苦労してきたけど、成功体験も味わってきた。ほかの商店主にはどのような経営ノウハウがあるのか、興味もありました。自らの体験をもとに取材すると、具体的で実効性のある記事だと評判になり、多くの雑誌から連載を依頼されたんです。中小企業大学校からも講師に呼ばれました」
多忙を極めるようになった大木さんは自ら立ち上げたFCを他人の手に委ね、あっさりと商売から身を引いてしまった。
「自分の儲けだけを追求するより、他人の役に立つ仕事がしたいと思い、コンサルタントの道を歩むことに決めたんです。微力ながら、日本の雇用の7割を占める中小企業を活性化し、雇用の創出に貢献したいと思っています」
ジャイロ流通研究所では、経営者との面談で目的を明確にし、無料で見積りと企画書を提示してからコンサルティングを行なう。
「顧客から見れば、コンサルタントという仕事は寿司屋と同じで不透明な部分が多い。一元さんにしてみると、値段がよく分からないし、頼んでみるまで中身も分からないからです(笑)」
コンサルティング内容は主に経営改革、販路拡大・新販路開拓、販売促進に分類される。企業が販路拡大・新販路開拓に取り組む場合、販売代理店を開拓する、FCシステムを構築する、あるいはIT販売システムを構築するなど、さまざま選択肢があり、自社にとってどの手法が最適なのか、判断に迷うところだ。
「企業の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を把握するSWOT分析には、客観性が必要で、コンサルタントの存在が不可欠。具体的には現状の販路や売上げ規模、将来性、商品の競争力、価格政策や仕入先との関係などを取材し、品揃え、価格、広告・宣伝、販売チャネルなど、すべての戦略を明確にします。そのうえで、企業にとって最適な販路拡大・新販路開拓の手法を提案しています」
売上げ不振に悩む企業や小売店も、課題を浮き彫りにし、具体的な販売促進対策を練るために、コンサルティングが必要だ。まずは売上げ目標を明確にしたうえで、売上げ状況や店舗立地、店舗内状況、顧客状況、販売員の接客態度や競合店との関係などから、売上げ不振の要因を分析する。
「売れない時代に売上げをアップするには、売るための仕組み作りが重要です。具体的には、業種や業態に応じた販促ツールの提供、販売員や店長のスキル向上支援、顧客情報の分析による売れ筋・死に筋商品の把握、商圏の分析・設定、店舗改善など、コンサルタントによるトータルなサポートが必要なんです」
休日は1カ月に1日程度と多忙な大木さん。唯一の息抜きは、パソコンゲーム「コンバット・フライト・シュミレーター」で零戦に乗り、大空を自由に飛び回る時間だ。
【プロフィール】
ジャイロ流通研究所所長 大木ヒロシ(おおき ひろし)
| 略歴 | ホンダ、ブリヂストン、JR東日本都市開発、小田急、ジャスコ、高島屋、松下電器などの大手企業から中小企業・中小商店まで数多い成功事例を持つ。神奈川県商店街アドバイサーなど各地の行政の嘱託を受けて、商店街活性化にも手腕を発揮。昭和55年から商業専門雑誌「商業界」「ファッション販売」「食品商業」「日経ストアデザイン」「日経ギフト」「日本のFC年鑑」「独立開業」「オールセールス」「ストアジャーナル」などの一般市販誌を始め、各種団体の機関紙、新聞に執筆を続けている。 |
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| 資格・所属団体 | 日本商業コンサルタント協会専務理事 中小企業大学校講師 日本専門店会連盟常任講師 |
| 会社情報 | ジャイロ流通研究所 |
| 住所 | 〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-43-2 山名ビル2F |
| 電話 | 03-3808-2241 |
| URL | http://www.jairo.co.jp/ |
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