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企業の悩みをコンサルタントが即解決!

第1回 団塊退職や雇用延長を契機に人事制度を改革

取材・文●岡 幸広

企業の抱える経営課題をさまざまな方法論やものさしで解決していくコンサルタント。コンサルタントは経営上の問題を解決する上で、経営者の大きな味方となる。しかし、まだ中小企業ではコンサルタントを有効に活用してる例は少ない。ここでは毎回、特定の分野に特化したコンサルタントに話を聞き、現代企業が抱える問題を明らかにしていく。

会社の成長とともに人事制度の見直しを

人事コンサルタント 株式会社パーネソル・ブレイン代表取締役 二宮 孝
人事コンサルタント
株式会社パーネソル・ブレイン代表取締役 二宮 孝 氏

 2007年問題への対応や労働形態の多様化、高年齢者雇用安定法改正にともなう65歳までの雇用延長など、多くの企業は今、人事制度の改革を迫られている。

「割り切って、外部の専門的な知識やノウハウ、経験を借りようという企業が増えています」と語るのは、これまで数十社の人事コンサルティングに携わり、実績を上げてきたパーソネル・ブレイン代表の二宮 孝さんだ。

 人事に特化した独立系のコンサルタントは数少ない存在。首都圏を見渡しても、20~30人しかいないという。「個々の企業には、経営者のビジョンと企業風土に合ったオリジナルの人事制度が必要」というのが二宮さんのモットー。業種別にパターン化した処方箋を与える大手コンサルティング会社に比べ、同社のコンサルティングは時間も手間もかかる。

「中堅規模(100人~400人程度)の企業の場合、人事制度を構築するには、1年から1年半ぐらいの期間を要します。ただ、費用は割安だと思います」

 会社の成長の過程で、株式市場への上場や地場で続けてきた会社の全国展開、製造業の会社が販売分野への進出するときなど、会社の大きなターニングポイントでは、同時に人事制度の見直しも欠かせないと、二宮さんは指摘する。

「若い人を採用してもすぐに辞めてしまったり、中間管理職が手薄になっている場合なども、人事制度が原因になっていることもありえます。事業を続ける中で、一度社員の本音を聞くという意味でも、人事制度の見直しは必要です」

人事コンサルティングの流れ

 コンサルティングは現状分析から始まる。
 社長や幹部社員から若手社員に至るまで約30人にインタビューし、会社に対する意識や不満などを探り出す。この過程でパワハラやセクハラなどの問題点が浮き彫りになることも。ただし、外部の人間に対する警戒心もあり、頑なに口を閉ざす社員もいる。そうした相手に有効なのが、カウンセリングの手法だ。「雑談をしたり、相手の立場に立ったりしながら、社員が話しはじめるのを待つんです。1時間の面談時間のラスト20分に堰を切ったように話し出し、『あなたと話ができてよかった』と言われたこともあります」と語る。その後、賃金や諸規定の資料調査、業界動向の調査などを経て、方向付けを行なう。

 第2段階は人事制度の設計だ。賃金制度や人事考課を策定するため、各部門の中堅クラスの担当者を巻き込んで会議を重ねる。「自分の会社の人事制度は自分たちで作るという意識を持ってもらわなければ、制度は絵に描いた餅になってしまう。人事コンサルタントは、あくまでも黒子に徹するべきですね」
 この段階で人事制度を就業規則や人事規定に落とし込む作業も行なう。

 最終段階では設計した人事制度を運用・定着させるために、社員研修などを実施する。

人事コンサルタントは天職

 人事コンサルティングの成果は、どのような形になって表れるのか。

「人事コンサルタントは地味な仕事なんです。成功したときは、ジワジワとボディブローのように効いてくる。中核を担う社員にとって魅力的な制度に映り、3年から5年後に昇級・昇格を果たしているのが理想的です。真面目にコツコツ働く社員には安心感を与え、離職率を低下させる。でも、失敗すれば、すぐに倍以上になって跳ね返ってきます。場合によっては、取り返しがつかない事態となりかねないので、まずは失敗しないこと。慎重にならざるを得ません」

 今でこそ人事コンサルティングを「天職」と語る二宮さんだが、商社マン時代、営業部から人事部に配置転換された際には、「正直言って楽しい仕事とは思えませんでした」と振り返る。人間万事塞翁が馬。不本意な異動により、独立への道が開かれようとは…。

 現在、熱心に取り組んでいるのは、人事コンサルタントの研究会を立ち上げること。約30人が集まり、近く初会合を開く予定だ。「個人がノウハウや知識を独占するのではなく、分かち合うことで人事コンサルタントのレベルアップにつなげたい」――二宮さんの仕事にかける思いが伝わってくる。

 歴史が好きで、僅かな時間を見つけては、全国各地の史跡を巡り歩く。「歴史と人事制度に関する本を書いてみたいんです。専門書ではなく一般書でね」と語る二宮氏。柔和な表情が、さらにほころんだ。

【プロフィール】

株式会社パーネソル・ブレイン代表取締役 二宮 孝(にのみや たかし)

略歴1955年7月、広島県生まれ。1979年3月早稲田大学法学部卒業。同年4月東証一部上場商社に入社(営業部、人事部)。外資系メーカー人事部を経て、1989年、三菱銀行グループ(当時)のダイヤモンドビジネスコンサルティング株式会社に入社。経営コンサルタント業務に従事する。1993年に独立、1997年株式会社パーソネル・ブレインを設立し、現在に至る。
資格・所属団体社会保険労務士(東京都社会保険労務士会所属)
全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント
経営士(社団法人日本経営士会・人事部会所属)
産業カウンセラー(社団法人日本産業カウンセラー協会所属)
会社情報株式会社パーソネル・ブレイン
住所〒150-0011 東京都渋谷区東3-15-8 小澤ビル501
電話03-3406-5605
URLhttp://www.personnel-brain.co.jp/

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