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[動向調査]浸透しつつある
通信事業者のアウトソーシングサービス1/2

アプリケーションを外部の専門業者に委託することで、コスト削減やサービスの品質向上を狙うアウトソースが昨今のIT業界で大きな潮流となっている。また、ネットワークとアプリケーションが不可分の関係となり、アウトソースにおいても両者の最適化が必要となっている。こうした状況に対して、ユーザーは何を考え、どのようにサービスを利用しているのだろうか? これを知るためにアスキーでは、顧客を対象に2006年7月下旬~8月中旬にかけてWebアンケートを実施した。今回は、そのアンケート結果を使いながら、最新のネットワーク事情をまとめてみる。

ネットワークにつなげばアプリケーションを利用できる

 アプリケーションをネットワーク経由で利用することは、すでに当たり前になっている。メールやWeb、グループウェア、勘定・会計ソフト、IP電話など実にさまざまなアプリケーションがネットワークを前提に設計されている。そして、これらネットワークアプリケーションをスムースに利用するために、世のIT担当者はLANやWANの拡充を続けてきた。ネットワークがきちんと利用できれば、サーバがどこに置いてあってもアプリケーションは利用可能だからだ。

 そして、現在ではLANだけではなく、WANやインターネットのブロードバンド化(広帯域)が進んだことで、サーバを自社に抱える必要すらなくなった。サーバが遠隔地にあっても、ネットワークが高速であれば、ユーザーの利用感覚は大きくは変わらない。このような背景から、外部の専門の業者にサーバやネットワーク、さらにアプリケーションの運用・管理を委託するアウトソーシングが一般的となったのである。アウトソースを利用することで、サービス品質の向上やコスト削減が期待できるのだ。

 さらにアウトソースを突き詰めると、ユーザーはネットワークに接続するだけで、アプリケーションを利用できるという環境に行き着く。こうした環境を実現するには、アプリケーションとネットワークの最適な組み合わせを実証し、品質の高いソリューションとしてユーザーに提供する必要がある。これを実現しているのが、WANや回線の管理や運用を行なっている通信事業者が提供するアウトソースサービスといえる。

4割はアウトソース未着手
サーバの構築・運用に人気集まる

 では、実際のIT関連業務のアウトソース状況を見ていこう(グラフ1)。具体的なサービスとしては、LAN・WANの構築や運用・管理といったベーシックなものから、インターネット・Webサーバなどのサーバ運用、あるいはビデオ会議やCTI(コールセンター)等のシステム、ショッピングサイトや部品調達などのEコマース、ユーザーからの問い合わせを受けるヘルプデスクなどが挙げられる。

グラフ1
グラフ1●現在、勤務先でアウトソーシングしているIT関連業務

 アンケートの結果では、約4割はアウトソース化しておらず、特に従業員50人未満の小規模企業では7割近くがアウトソースしていないことがわかった。時代の潮流と呼ばれているアウトソースだが、日本ではまだ普及したとはいえないだろう。特に2~5程度の拠点数の少ない小規模事業者では、「アウトソースしているものはない」と答えるユーザーが半分以上に達している。ここの需要をいかに喚起していくかは、サービス事業者にとっての課題といえる。

 一方、アウトソース化しているサービスの内容としては、インターネット関連サーバが35%で最大。Webやメールなどのインターネットに公開するサーバは、自前での構築がまだまだ難しい。そのため、価格競争の激しいホスティングなどのサービスを利用することが多いというわけだ。こうしたホスティングサービスは、各サービスプロバイダの工夫により、外部にサーバがあることをユーザーに意識させない使い勝手が実現されているため、ユーザーにとっての敷居も低いといえる。

 次いで、勘定系システムやWANの構築・運用管理が22%というアウトソース率の高いサービスである。業務に直結する勘定系システムのアウトソースがここまで高いのは意外な気もするが、基幹系システムもオープン化が著しく進んでおり、サーバの集中管理などのニーズがあるのだろう。また、グループウェア等の情報系システムのアウトソース化も進んでおり、特に拠点数の多い企業では21.6%が利用しているという調査結果が出た。インターネット上のサービスでスケジュール等を複数ユーザーで共用すれば、出張先や海外からも利用でき、さらにPCだけではなくケータイからも使える。こうしたASP(Application Service Provider)型のサービスは今後も注目を集めてくるだろう。

 一方、WAN構築は、古くは専用線による拠点間接続からスタートしており、アウトソースの定番ともいえるものだ。WANで利用する回線は、公衆の場所で通信事業者しか敷設できないからだ。昨今では、信頼性やセキュリティ、パフォーマンスなどさまざまな要件が必要になるため、通信事業者とシステムインテグレータの密接な連携が重要になる。前述したインターネット関連サーバの構築・運用管理と合わせて、今後ますます重要視される分野といえる。

アウトソース先としての通信事業者とは?

 では、ユーザーのアウトソース先を調べてみると、システムインテグレータやネットワークインテグレータが全体の46.2%を占め、もっとも多かった(グラフ2)。この傾向は企業の規模に関係なく顕著だが、注目したいのがアウトソーシング先として全体の約1/3が通信事業者を挙げている点である。

グラフ2
グラフ2●WAN構築や運用・管理のアウトソース先

 前述したとおり、WANの構築は公衆の敷地での回線敷設が必要になるため、通信事業者のサービスを利用するのが一般的だ。そのため、WANを構築する場合のアウトソース先としては自ずと通信事業者が選択されることになる。しかし、最近では電話やデータ通信といったベーシックなサービスではなく、IP電話やセキュリティサービス、あるいはWebカメラやオンライン会議などさまざまなアプリケーションが提供されるようになってきた。これらのサービスは今まで回線やWANなどに付随する「オマケ」だったが、最近では1つのソリューションとして十分に利用価値の高いものに育っている。次ページでは、利用動向を見つつ、サービスの概要について解説していこう。

次へアウトソースサービスの利用実態と概要

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記事協力:NTTコミュニケーションズ

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