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システムのボトルネックにならないWANとは?
広域Ethernet選び、4つのポイント1/2

信頼性が高まったことで大きな注目を集めるようになった広域Ethernetだが、まだまだ通信事業者によってサービスの差は厳然と存在する。では、何をポイントに広域Ethernetを選ぶべきなのか。本稿では選択の指針となる4つのポイントを解説する。

裏付けされた信頼性を持つ広域Ethernetを選ぶ

  前回、広域Ethernetの魅力について解説した。簡単におさらいすると、コストパフォーマンスが高く、安価に広帯域の回線を利用できること、プロトコルフリーであること、そしてルーティングプロトコルの種類が限定されないため、既存のネットワーク環境への影響が少ないことなどが広域Ethernetのメリットとして挙げられる。ただ細部まで見ていくと、サービスを提供する通信事業者によって詳細は異なる。ここでは、広域Ethernetサービスを選ぶ際の4つのポイントについて解説していきたい。

 まず最初のポイントとなるのは信頼性である。言うまでもないが、企業活動を行なう上でITは重要な役割を担っている。その屋台骨を支えているのがLANやWANであり、これが不安定では安心して利用することはできない。広域Ethernetサービスを選択する際にも、最初にチェックしておきたいポイントである。

 信頼性を見るポイントの1つとして、通信事業者が公表している回線稼働率が挙げられる。これはネットワークがダウンすることなく利用できた割合を表わし、100%に近づけば近づくほど信頼性が高いということである。しかし、この回線稼働率の“基準値の適用範囲”については注意しなければならない。「回線稼働率が99.99…%」といった表記をよく見かけるが、このパーセンテージの算出は通信事業者によって異なっており、「お客様契約回線の1回線単位」で行なう場合と、「お客様契約回線数のすべて」で行なう場合の2種類がある。ある1回線で1時間のネットワークダウンが生じた場合、1カ月のその回線の稼働率は99.8611…%となるが、「お客様契約回線数のすべて」の1カ月累計で稼働率を換算すれば、限りなく100%に近い99.99…%と算出される。このように「1回線単位の稼働率」の方が通信事業者にとってより厳しい算出方法なのである。NTTコミュニケーションズの広域Ethernet「e-VLAN」では、「1回線単位の稼働率」を採用しており、これは同社が「e-VLAN」の信頼性にそれだけ自身を持っている証であろう。

 広域Ethernet「e-VLAN」の信頼性の高さの背景には、さまざまな技術や努力が隠れている。たとえばバックボーンネットワークは完全に二重化されており、万が一ネットワーク内で障害が発生しても自動的に経路が切り替わることでトラブルに強いサービスを実現している。また、バックボーン内でネットワーク間をつなぐために使われている中継スイッチは、4つのバックボーンビルに分散配置することで耐障害性を高めている。

 加えてピーク時のトラフィックが一定の基準値を上回ることのないように、NTTコミュニケーションズでは常時トラフィックを監視しており、ユーザー自身が送受信した通信量をWeb上で簡単に把握できる無料の「トラフィックレポート」も提供している。

 もちろん「SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証制度)」が設定されており、それが満足のいく内容かどうかもチェックしたい。NTTコミュニケーションズの広域Ethernet「e-VLAN」では、SLAとして「故障回復時間」「回線稼働率」「網内遅延時間」の3つの項目が設定されている。それぞれでサービス基準を設定し、それに満たなければ契約に従って料金が返還される。このようにSLAは通信事業者の「自信度」を図るバロメーターとなるので、サービス選びの際にはぜひ注目したいポイントである。

バックアップ回線も考慮したサービス選び

 ただ、いくら信頼性の高い広域Ethernetサービスであっても、たとえば回線が接続されている収容局が震災に遭うなど、不慮の事故によって通信が途切れる可能性はある。そのため、特にミッションクリティカルな領域で利用するのであれば、1本の回線が止まっても通信が継続できるよう、バックアップ手段も考慮しなければならない。

 従来WAN回線のバックアップというと、メインの回線とは異なる通信事業者の回線を利用する形態が多かった。通信事業者が違っていれば、両方が同時にダウンする可能性は低く、高い確率で通信を継続できるという考え方である。しかし運用・管理という点では、複数の通信事業者を利用するのは決して効率的ではない。

 こうした流れの中で注目を集めているのが、同じ通信事業者、そして同じサービスであっても、収容局やネットワーク機器などを分けることで信頼性を高めるという手法である。NTTコミュニケーションズの広域Ethernet「e-VLAN」では、同一拠点で利用する複数の回線を異なるエッジスイッチ収容ビルに分散して接続する「収容ビル分散」や、同一拠点の複数回線をユーザーが指定するグループごとに異なるエッジスイッチに接続する「エッジスイッチ分散」に対応している。エッジスイッチとは、ユーザー側のネットワークとNTTコミュニケーションズの「e-VLAN」網を接続するためのスイッチのこと。このエッジスイッチが収容されているビル、あるいはエッジスイッチを切り分けることで、ビルが災害に遭ったり、あるいはエッジスイッチが故障しても通信が継続できるというわけだ。

 さらなる信頼性を確保したいと考えるユーザーのために、NTTコミュニケーションズでは広域Ethernet「e-VLAN」のサービスの1つとして、バックボーンネットワークそのものを二重化する「網分散」も提供している。これなら、「e-VLAN」で使用している一方のバックボーンネットワークが万が一ダウンしてしまっても、別のバックボーンネットワークを使って通信が継続できる。

図1
図1●「エッジスイッチ分散」や「収容ビル分散」、「網分散」などにより信頼性を高めることが可能(画像クリックで拡大)

拡張性は確保されているか

 WAN選びの2つめのポイントとなるのは拡張性である。LANの設計でも同様だが、どの程度ネットワークに接続する拠点、あるいは端末が増えるのかなど、最初から最終形態を見通して設計するのは困難な作業だ。ネットワークの拡大だけではなく、当初予定されていなかった企業活動を大きく左右する重要な通信が行なわれるようになり、これまで以上の信頼性を求められる、というケースも少なくない。広域Ethernetサービスを選ぶ上で、こうした要求に対応できる拡張性が用意されているかどうかは重要なポイントになる。

 このケースで強みを見せるのが、豊富なWANサービスを提供しているNTTコミュニケーションだ。同社では広域Ethernet「e-VLAN」のほかに、「Arcstar IP-VPN」、ブロードバンドVPNの「Group-VPN」や「OCN VPN」といったWANサービスを提供している。しかも、これら複数のWANサービスを統合して利用することが可能である。つまり、場面や状況に応じてこれらのWANサービスを適材適所で使い分けられるのだ。

 具体的な利用例を見てみよう。たとえば最初は本社と数カ所の支社を広域Ethernet「e-VLAN」で接続していたが、業務内容の拡大によって全国各地に散らばる多くの小規模拠点も接続しなければならなくなった、というようなケースだ。この場合、同じ広域Ethernet「e-VLAN」で小規模拠点も接続する方法もあるが、それほど信頼性や帯域幅は要求されず、どちらかというとコストを重視したいというのであれば、ブロードバンドVPN「Group-VPN」との併用がおすすめだ。つまり重要な本社と支社は広域Ethernet「e-VLAN」で、小規模拠点は安価なブロードバンドVPN「Group-VPN」で接続するという形である。これなら、重要な拠点は高い信頼性と余裕のある帯域幅を確保しつつ、小規模拠点にブロードバンドVPN「Group-VPN」を使うことでコストメリットも享受できる。

 また信頼性の向上にも、複数のWANサービスを使い分けるメリットは大きい。たとえば安価に信頼性を高めたいのなら、すでに利用している広域Ethernet「e-VLAN」に加え、先述したブロードバンドVPN「Group-VPN」を組み合わせることで、手軽に信頼性を高められる。

 非常にレベルの高い信頼性が要求される用途では、通信事業者を分けることで信頼性を高める手法が採られることもある。複数の通信事業者のサービスを利用することにより、一方のWAN回線がダウンしても別の通信事業者の回線を使って通信を継続できるという考え方である。ただその一方で、問い合わせ先が増えてしまい手間がかかるというデメリットも存在する。

 しかしNTTコミュニケーションズであれば、広域Ethernet「e-VLAN」に「Arcstar IP-VPN」を組み合わせるなどにより、複数の通信事業者を使わず、1社で信頼性の高いWAN環境を構築することが可能だ。複数のWANサービスを利用することで、通信事業者を分けて利用する環境と同等、あるいはそれ以上の信頼性を確保しつつ、問い合わせ先窓口を一本化できる。このようにNTTコミュニケーションズであれば、複数のWANサービスを自在に組み合わせられるメリットを享受できる。

図2
図2●広域Ethernet「e-VLAN」と、ブロードバンドVPN「Group-VPN」や「Arcstar IP-VPN」を併用することでコスト削減や信頼性の向上が可能(画像クリックで拡大)

次へ次ページ「広域Ethernet「e-VLAN」のコストパフォーマンスの高さ」

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記事協力:NTTコミュニケーションズ

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