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中堅企業にも導入が進む
広域Ethernetの魅力に迫る1/2

信頼性の高まりなどを受けて、現在急速に普及が進んでいるWANサービスが広域Ethernetである。本稿では、広域Ethernetの特徴や利用する上でのメリットを解説していきたい。

さらなるITの進化にはネットワークインフラの整備が重要

 従来、多くの企業の基幹システムは蓄積されたデータを一定期間ごとに処理する方法を採っていた。ただ、バッチ処理と呼ばれるこの手法は、処理されるまで状況が分からないという難点がある。そのため、現在は投入されたデータを即座に反映するリアルタイム処理が主流になりつつある。そのほか、実際の利用者が操作するクライアント環境も、専用のプログラムを使うのではなく、Webブラウザを使って操作するWebクライアントが広まるなど、ITシステム全体が大きな変革期を迎えている。

 こうしたバッチ処理からリアルタイム処理への移行、そしてWeb型システムの普及といったITシステムの変化は、ネットワークが進化したことによって実現している部分が大きい。リアルタイム処理を行なうと、当然サーバ間などで頻繁にデータのやり取りが発生するわけだが、ネットワークが広帯域化したことにより、こうした通信を滞ることなく実現することが可能になったわけだ。また、専用のクライアントアプリケーションを使う場合に比べ、Webクライアントは頻繁にサーバとの通信が発生する。そのため快適にシステムを利用するためには、安定したネットワークインフラが必要不可欠である。

 さて、実際に業務システムをリアルタイム処理に移行し、さらにクライアントのWeb化を行なおうとすると、LANだけではなく、本社と支社、あるいは営業所、工場などといった各拠点をつなぐ「WAN(Wide Area Network)」でも広帯域化や信頼性の向上が求められる。こうした拠点間接続で従来広く利用されていたのが、専用線やフレームリレーと呼ばれるWANサービスだ。これらは信頼性が高いことが特徴の1つだが、広帯域のサービスは決して安価ではない。そのため中堅企業では、低速の数十~数百kbps程度の帯域で拠点間を接続しているケースが多かった。

 ただ前述したように、現在のトレンドとなっているIT環境は広帯域のネットワークで利用することを前提としている。そのため、低速なWAN回線ではサーバからの応答がなかなか返ってこないといった利用環境の悪化や、最悪の場合タイムアウトによって通信がとぎれて業務が中断する、といったことが起こりうる。

 帯域不足によって起こるこれらの問題を手っ取り早く解消するためには、WAN回線を広帯域化すればよいわけだが、そこには当然コストの壁が立ちはだかる。こうした課題を解決するため、専用線やフレームリレーに変わるWANサービスが続々と登場している。ただ、いったいどれを選べばいいのか、悩んでいる人は多いのではないだろうか。

図1●WANサービスのトレンド
図1●広帯域・高信頼性を前提とした現在のITシステム(画像クリックで拡大)

WANサービス選び、そのポイント

 WAN回線を見直す際、まずポイントになるのは帯域とコストのバランスだ。いくら広帯域のサービスが用意されていても、イニシャルコストやランニングコストがあまりにも高ければ意味がない。従来の専用線やフレームリレーと比べて、コストダウンを図りながら広帯域化できるかどうかが最初の選択のポイントになるだろう。

 2つめのチェックポイントは、プロトコルに対しての制限の有無だ。現在多くのネットワークはIP(Internet Protocol)を利用して構築されているため、それだけ対応していればよいと思うかもしれない。しかし旧来の業務システムには、SNA(Systems Network Architecture)などIP以外のプロトコルが使われていることが多い。プロトコル制限のないWANサービスであれば、IP以外のプロトコルを使う従来の業務システムを利用しなければならない場面でも対応できるメリットがあるわけだ。

 また、既存ネットワークへの影響も考慮すべきだろう。ここでのポイントとなるのが、対応するルーティングプロトコルの種類である。IPでは、パケットをバケツリレーのように次々と転送(ルーティング)することにより、ネットワークをまたいだ通信を実現している。この際、パケットの次の転送先を決めるために利用されるのが「ルーティングテーブル」である。これは手動で構成することも可能だが、多くのネットワークでは「ルーティングプロトコル」を用いて自動的に構成している。

 ここで問題になるのが、WANサービスによっては、一部のルーティングプロトコルが使えないということ。LAN内で使っているルーティングプロトコルがサポートされていなければ、WAN用に別のルーティングプロトコルを使うことになり、設定や管理の負担がのしかかってしまう。そのため、できれば現在のルーティングプロトコルをそのまま利用できる、つまり既存ネットワーク環境に手を加えず利用できるWANサービスが望ましい。

 ここまで紹介した、WANサービスに求められるポイントをまとめると、

  1. 利用できるプロトコルが制限されていないこと
  2. 帯域とコストのバランスが取れていること
  3. 既存ネットワーク環境に手を加える必要がないこと

の3つになる。これらの要件を満たすサービスとして、現在大きな注目を集めているのが「広域Ethernet」である。

次へ次ページ「プロトコルフリーを実現した広域Ethernet」

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記事協力:NTTコミュニケーションズ

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