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ブレイク寸前!
こんなに進んだ9つのVPN

第2回 安全性と速度が魅力「フレッツVPN」という選択肢

[文●ネットワークマガジン編集部]

NTT東西が持つ「フレッツ網」上で提供されているVPNサービスが、「フレッツVPN」だ。フレッツ網の特徴をおさらいしつつ、VPNとの相性を探ってみよう。

フレッツでVPNを構築する

 「フレッツ網」はNTT東日本およびNTT西日本が独自に構築したネットワークである。以前は「地域IP網」と呼ばれており、各都道府県単位で閉じたネットワークだった。しかし現在では、NTT東日本エリア(北海道、東北、関東地方に新潟県と長野県を加えた17都道県)とNTT西日本エリア(それ以外)という2つの巨大ネットワークになっている。

 このフレッツ網は、ユーザーとISPを仲介する位置に存在する(図1)。つまり、フレッツユーザーがインターネットにアクセスする場合は、フレッツ網を経由してISPに接続する。しかし、フレッツユーザー同士が直接やり取りできれば、パケットがインターネットを経由しないので安全だ。また、このやり取りは速度面でも期待できる。フレッツ網内で提供されているサービスのフレッツ・スクウェアで測った速度と、インターネット上に公開されている速度測定サイトの結果の差に愕然としたユーザーも多いだろう。つまり、本来はそれぐらいの速度が出るのにISP網やインターネットを経由することでスループットが落ちているのだ。

図1●フレッツ網の位置付け
図1●フレッツ網の位置付け

 このような特徴を持つ個人向けのフレッツ網を、企業でも使えないかという視点から考えられたのが「フレッツVPN」である。

 フレッツ網だけでVPNを構築する場合、価格面でのメリットもある。フレッツ網に接続するだけ(=インターネットにつながない)であれば、ISPとの契約は不要であるからだ。詳しくは後述するが、本社などを中心にしたスター形のVPNを構築する場合、各拠点に必要なのはフレッツサービスの契約だけでよい。ただこの場合、各拠点からインターネットに接続できないので、中心となる拠点を経由してアクセスすることになる。

フレッツVPNの特徴

 フレッツVPNには、NTT東日本で3種類、NTT西日本で2種類のラインナップがあり、主に利用する側の規模によってサービス内容が異なっている。NTT東日本では大規模ネットワーク向けから「フレッツ・オフィス」、「フレッツ・アクセスポート」、「フレッツ・グループアクセス」の順になっている。NTT西日本では「フレッツ・オフィス」と「フレッツ・グループ」の2本立てだ。それぞれの特徴を見ていこう。

■フレッツ・オフィス

 フレッツVPNシリーズでもっとも大規模なネットワーク向けなのがフレッツ・オフィスである。想定される拠点数は数百~千と、フランチャイズチェーンなど多数の店舗を持つユーザーとセンターを結ぶ用途などに適合する。なお、すべての拠点が同一都道府県内であればフレッツ・オフィス、県をまたぐ場合はフレッツ・オフィス ワイドを利用する。また、全国規模のネットワークの場合は、NTT東日本と西日本で別々にVPNを構築し、NTTコミュニケーションズの「Arcstar IP-VPN」などで結ぶ方法がある。

 フレッツ・オフィスでは、拠点とフレッツ網の接続(=足回り)にBフレッツやフレッツ・ADSLを使う(図2)。また、センター側拠点とフレッツ網の接続には専用線やEthernet専用線を使う。センター側にギガビットEthernetなど太い回線が必要な場合は、NTT東西のデータセンターにサーバを置いてハウジングサービスを契約することになる。

図2●フレッツ・オフィスの仕組み
図2●フレッツ・オフィスの仕組み(画像クリックで拡大)

■フレッツ・アクセスポート

 フレッツ・オフィスの廉価版という位置付けのサービスがフレッツ・アクセスポートだ。登録可能ユーザー数は最大で100、同時着信可能数は最大で80となっている。最短で6営業日あれば開通できるというスピーディさも魅力である。なお、このサービスはNTT東日本のみの提供となる。

 トポロジはフレッツ・オフィスに近いが、フレッツ網とセンター側拠点の回線をBフレッツのビジネスタイプにすることで、コストを大幅に抑えられる(図3)。たとえば、センターで40拠点からの着信を受け付ける場合は、基本使用料の16万1000円に加えてBフレッツのビジネスタイプが4万1100円である。あとは各拠点ごとにフレッツサービスの契約料が必要になるだけだ。

図3●フレッツ・アクセスポートの仕組み
図3●フレッツ・アクセスポートの仕組み(画像クリックで拡大)

■フレッツ・グループアクセス

 Windowsネットワークのワークグループを、フレッツ網経由で構築できるのが、フレッツ・グループアクセスだ。手軽にファイル共有などができ、最大参加拠点数が10の「ライト」(月額700円)と、30の「プロ」(月額4500円)がある。

 利用方法は、ユーザーの中の誰かが代表者になって「グループ」を設置し、グループのメンバーのIDやパスワード、配布するIPアドレスなどの管理を行なう(図4)。一方のメンバーは、代表者から通知されたIDやパスワードを利用してグループに参加する。

図4●フレッツ・グループアクセスの仕組み
図4●フレッツ・グループアクセスの仕組み(画像クリックで拡大)

 月額料金は、グループアクセス利用料とBフレッツやフレッツADSL利用料を合算した金額×拠点数だ。たとえば、拠点数が15あるユーザーがフレッツ・グループアクセス・プロを利用した場合、すべてがBフレッツのベーシックタイプ(1万100円)であれば、総額は1万4600円×15拠点=21万9000円である。

■フレッツ・グループ

 グループアクセスのNTT西日本版がフレッツ・グループで、利用イメージにはそれほど差がない。

 しかし、拠点数の上限が20のビジネスメニュー(ユーザーが参加者を管理する)と、上限が10のベーシックメニュー(参加者をNTT西日本が管理する)という2つのメニューが用意されている。

 フレッツ網とVPNの組み合わせは非常に相性がよい。IP-VPN構築時の選択肢として憶えておきたい。

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「IP以外もトンネリングできる商用化が進むレイヤ2VPN」

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