X.25やフレームリレーは、専用線による拠点間接続の難点を解消することを目的として登場した。特徴は中継網を複数のユーザーで共有しているという部分。その具体的な違いについて解説する。
本連載でこれまで解説してきたように、通信を行なう拠点を1本の線でつなぐ専用線接続は高い信頼性やセキュリティを確保できるが、1本の回線を独占して利用するためコストが高いという難点があった。
こうした専用線の難点を解消するものとして登場したのが、通信事業者が持つネットワークを経由して拠点間を接続するというサービスだ。通信事業者のネットワークは、複数のユーザーで共用する形となる。これによって1本の回線をユーザーが独占する専用線よりも安価に拠点間接続が実現できるというわけだ。
実際の接続形態は、アクセス回線と中継網という2つの回線(ネットワーク)を使って接続する形となる。中継網が通信事業者が持つネットワークであり、これに対して各拠点をアクセス回線で接続する。実際に通信を行なう際には、データはまずアクセス回線を経由して中継網に到達する。ここで相手先拠点の一番近い出口までデータが転送され、そこから相手側のアクセス回線を使って届けられるという流れだ。
この種のサービスとして最初に広まったのは「X.25」と呼ばれるプロトコルを使ったもの。X.25とはITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector:国際電気通信連合 電気通信標準化部門)によって標準化されたプロトコルで、パケット交換方式の通信を実現する。
パケット交換方式は、ネットワークを利用して端末間での通信を実現するための仕組みの1つである。普段利用している電話は回線交換方式と呼ばれるもので、これは通信に先立って接続先を特定し、通信経路を一時的に占有した状態にして通信を行なう。経路を占有するため安定した通信が行なえるという大きなメリットがある一方、通信中は別の端末からの通信を受けられないというデメリットもある。
これに対してパケット交換方式は、送信したいデータを適当な大きさで切り分け(パケット化)、それぞれに対して宛先を記述してネットワークに送り出すという方式だ。ネットワーク上に設置された中継装置は、パケットに記述された宛先を読み取って転送先を決定し、随時適切な経路を選択して転送する。回線交換方式との大きな違いは、回線を占有することなく通信を行なうという部分で、パケットの宛先の端末が別の端末と通信していたとしても、その通信が終わるのを持つといった無駄が発生しない。X.25は、このパケット交換方式のネットワークを実現するためのプロトコルというわけだ。
ただX.25が登場した当初、回線自体の品質が高いとは言えず、またそのために通信エラーの検出と訂正を行なう必要があったことなどから、高い通信速度を実現できないという大きな難点があった。ただ時代の流れとともに光ファイバなど品質の高い回線が登場し、通信エラーの確率も低下していくことになる。これを受け、X.25の後継として登場したのが現在でも広く使われている「フレームリレー」だ。特徴はエラー訂正を省いたことで(エラー検出は行なう)、これにより通信速度の向上を実現している。
ただ、現在は安価で信頼性が高く、なおかつ高速な拠点間接続を実現するサービスの主流は、フレームリレーから「IP-VPN」や「広域Ethernet」に移っている。次回は特にIP-VPNについて解説したい。
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