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ここだけおさえればOK ツボ中のツボ
特集
時計、合ってますか? 時刻同期の必要性と
設定方法を学ぶ
文:のりぞう(ライター)
イラスト:とみたまきこ
コンピュータの時刻が同期していない場合に発生する問題
これだけは覚えておこう
・PCに内蔵されている時計機能は精度が低いので、時刻設定がズレやすい
・LANでファイルを共有する際には各コンピュータのシステムクロックを同期させないとファイルの上書き事故が発生しやすい
・システム管理で重要なログファイルを活用するためにもシステムクロックを正確に合わせることが重要
あなたが管理しているコンピュータの時刻は正しく設定されているだろうか? 時刻設定を定期的に行なっていないと、環境によってはコンピュータの時刻が大幅に狂っている可能性がある。
WindowsやLinuxなどPCで動作するOSは計時機能を持っており、稼働中はこれによって時刻情報を生成している。この時刻情報をシステムクロックと呼ぶ。また、PCのマザーボード上には時計機能を持つRTC(Real Time Clock)という部品が実装されており、PCの電源が入っていないときにも内蔵電池とRTCで時刻情報を保持している。この時刻情報をハードウェアクロックという。
OSは起動するときにRTCからハードウェアクロックを読み出してシステムクロックを設定するので、PCの電源を切っても時刻情報は保持される。しかしRTCの精度はそれほど高くなく、周囲の温度変化の影響を受けやすいため、ハードウェアクロックは正確性に欠ける。1週間に分単位でズレてしまう場合さえある。
では、コンピュータの時刻が正しくないとどのような問題が起きるのだろうか。通常、ファイルにはそれを作成・更新した日時を示す「タイムスタンプ」という情報を持つ。この情報はシステムクロックを参照してOSが自動的に更新するもので、主にファイルを操作するソフトウェアが利用している。たとえば、WindowsのExplorerでファイルのコピーを行なうときにコピー元とコピー先に同じ名前のファイルがあると、画面1のようなダイアログボックスが表示され、ユーザーに上書きの可否を確認する。
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| 画面1●コピーの際、同じ名前のファイルがあると、上書きの確認メッセージが表示される |
ユーザーはタイムスタンプの「更新日時」を見て判断することになろう。また、複数のファイルをコピーするXCOPYコマンドには、タイムスタンプを比較してファイルの上書きをするかどうかを判断させるオプションが用意されている。ファイルのバックアップソフトウェアもタイムスタンプ情報を参照して更新されたファイルを検出している。これらのソフトウェアやユーザーが正しい判断を下すためには、タイムスタンプ情報とシステムクロックが信頼できるものでなければならない。
タイムスタンプ情報はファイルを作成・更新したコンピュータのシステムクロックを用いて設定される。そのため、ネットワークでファイル共有をする場合には各コンピュータのシステムクロックが同期していないと、タイムスタンプ情報によるファイルの新旧判断が正しく行なえない(図1)。
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図1●システムクロックが同期していないとファイルの新旧判断ができなくなる (画像クリックで拡大) |
■その他に発生する可能性がある問題
ファイルのタイムスタンプ以外にも時刻情報が重要な役割を担っているものがある。中でも大切なのが、システムやサーバソフトウェアなどの動作を時刻とともに記録するログファイルだ。システム/ネットワーク管理者は、障害の原因究明などの際に複数のコンピュータが残したログを突き合わせることが少なくない。このようなときに対象となるコンピュータ間でシステムクロックが同期していないと作業が困難になる。
この他にも、タスクスケジューラのようにソフトウェアを定期実行する仕組みもシステムクロックが正しくないと、動作に問題が生じることがある。
ネットワークの利用を前提としたコンピュータ環境では、システムクロックの同期が重要であることがお分かりいただけただろうか。では、どのようにすれば複数のコンピュータの時刻を同期させ、しかもそれが「正しい時刻」を保持するようにできるのか。次のページではネットワークを用いた時刻同期の仕組みについて説明しよう。
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