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大増税時代でも諦めない!!

大増税時代到来! 最近ちまたの週刊誌などでよくみかける見出しである。国や地方の過大な借金の存在やこれからの少子高齢・人口減少社会を考えると、増税は仕方ないのかもしれない。しかし、そんな税負担が増える時代だからこそ、知恵を絞って税金を少しでも取り戻したい。ここで、その術をお教えしよう。

文●今村仁(http://www.money-c.com/

知っておきたい確定申告の仕組み

 通常サラリーマンの方は、会社で年末調整が行なわれて、それで自身の税金については完結している。しかし、サラリーマンであっても、場合によっては「確定申告」を行なうことにより、税金を戻してもらうことが可能なのをご存じだろうか。よくいわれるのは、「医療費控除」や住宅を買った場合の「住宅ローン控除」だが、実際はそれだけではない。いろいろと税金が戻ってくるケースがあるのだ。

 まずは簡単に、確定申告の計算の仕組みから説明しよう。通常のサラリーマンは、給与収入の全額に対して税金が発生するわけではない。まず、その給料収入から「給与所得控除」が差し引かれる。これは、個人事業主で言うところの、事業経費みたいなものだ。そして給与所得控除を差し引いた後の給料収入から、「扶養控除などの所得控除」を差し引く。そしてその差し引き後の残額に対して税率をかけて、いったん税額が求められる。さらにその税額から、「税額控除」といわれる住宅ローン減税や「定率減税」、すでに前年中に支払っている「源泉所得税」などを差し引き、残った税額が通常納めるべき税額となる。ここでマイナスとなれば、税金が戻るという手はずだ。

 ということは税金を戻してもらおうと思ったら、「扶養控除などの所得控除」か、「住宅ローン減税などの税額控除」を増やすということになる。

過去5年分遡れるって知ってました?

 たとえば年末の大掃除のときなどに「年末調整のときには見つからず結局控除を受けられなかった過去の『生命保険料控除証明書』が見つかった」、「確定申告をして税金を返してもらおうとコツコツ集めておいた『医療費の領収書』が引き出しの奥から出てきた」なんことはないだろうか。ただし、領収書などの日付をみたら、3年前……なんていう場合である。

 あるある! とうなずいた方は、ダッシュでもう一度引き出しの奥から書類を引っ張り出してきてほしい。その書類は、お金に化けるお宝なのだ。

 通常サラリーマンであれば、5年前まで遡って確定申告をすることが可能で、これにより税金を取り戻せる。よく確定申告は3月15日までですよ、とアナウンスされているが、それは税金が発生する場合のこと。税金を戻してもらう場合で、過去に確定申告をしていない人は、5年前まで遡って申告できるのだ。

 保険料控除なんてたかがしれているのでは? とお思いではないだろうか。たとえば、過去5年間生命保険料控除(満額の10万円控除が受けられると仮定)や損害保険料控除(満額の1万5000円の控除が受けられると仮定)をまったく受けていなくて、保険料控除に必要な証明書が引き出しの奥から出てきた、としよう。所得税・住民税合わせて税率が20%とすると、1年分確定申告するだけで、(10万円+1万5000円)×20%=約2万3000円の税金が戻ってくるのだ。これを単純に5年分とすると、2万3000円×5年=11万5000円になる。デジタル一眼レフカメラやDVDレコーダーが十分に買えてしまう、かなりの額になるのだ。

扶養控除の徹底活用法

 景気は多少よくなったと新聞報道などで言われているが、読者の中にはなかなか実感できない人も多いのではないだろうか。そんな中、リストラに遭ってしまったお父さんやフリーターの息子、さらにはわずかな年金だけで細々と暮らすご両親などがいる場合は、税金が戻ってくるチャンスである。

 年間給与収入が103万円以下であれば、その人は誰かの被扶養者になることができる。扶養控除に該当すれば、最低でも38万円の控除がある。税率を20%と仮定すると、7万6000円だからこれを逃す手はない。ちなみにフリーターのバイト収入や主婦のパート収入も通常は給与収入だから、103万円基準で扶養に入れられるかどうかを考えればよい。

 もしお父さんが会社の事情でリストラに遭い、その後失業手当をもらっているとする。そのお父さんの年間給与収入は年初でのリストラもあって103万円以下であった。その場合、いくら多くの失業手当をもらっていたとしても、失業手当自体は非課税なので、その失業中のお父さんを、サラリーマンである息子の扶養控除に入れることができるのだ。

 税法上、扶養控除に入れることができるかどうかの判断は、扶養控除対象者が、「生計一親族であり」「年間の合計所得金額が38万円以下であること」という2つの条件をクリアした場合だ。

 生計一親族とは、簡単に言えば同じ財布を元に生活しているかどうかで、同じ屋根の下に暮らしていても、財布が別であれば扶養家族の条件を満たさない。逆に言えば、財布が1つであれば何も一緒に暮らしている必要はないのだ。たとえば田舎の年金暮らしの親に生活費を送金してあげているケースもあるだろう。その場合は、別居している親であっても扶養控除の対象となる。

 さらにその扶養親族の年齢が満16歳以上満23歳未満であると、特定扶養控除と言って38万円の控除枠がさらに25万円広がって63万円となる。これも税率を20%とすると12万6000円の節税となる。高校生や大学生を抱えた家族は出費が重なる時期でもあり、それに配慮した税制になっているわけだ。手作業で年末調整をやっている会社などでは、この特定扶養控除が忘れられている場合もある。該当する年齢の子供がいるのなら、ぜひ源泉徴収票で確認するようにしたい。

 2つめの「年間の合計所得金額が38万円以下」の条件は、一般的な給与収入で年間103万円以下であれば合計所得金額が38万円以下になり、扶養控除に入れられることになる。

 では、年金生活者の両親がいる場合はどうだろうか。年齢によって基準は異なるが、収入が公的年金だけで、65歳未満で108万円まで、65歳以上で158万円までなら、息子や娘の扶養控除の対象にできる。これも要チェック項目だ。

共働き夫婦の場合は……

 最後に、共働き夫婦の場合の扶養控除を使ったテクニックを紹介しよう。扶養控除についてよくある勘違いは、「扶養控除は夫でしかできない」というもの。実際には、夫婦のどちらでも扶養控除にすることができる。また、去年は夫でも今年は妻、というように年によって違っていても問題ない。

 では、夫と妻のどちらで扶養控除するのかは、どういう基準で選べばいいのだろう。ここでポイントになるのが、所得税は所得が上がれば税負担が重くなる、超過累進税率になっているということ。つまり、扶養控除は所得が多い(=税金が多い)人に振り分ける方がお得である。税負担が大きい分、控除のメリットが効いてくるからだ。これまで全員を夫の扶養家族にしていたが、夫よりも妻の方が収入が多いというのであれば、扶養控除をもう1度見直してみよう。また、もし夫婦の年収がほぼ同じくらいで、扶養控除に該当する家族が複数いるのであれば、均等に割り当てた方がよいことも覚えておきたい。

 ちなみに同じような考えで、医療費控除や国民年金支払いなどの社会保険料控除などは、所得税の超過累進税率ということを考えると、なるべく家族の中で所得が高い人で確定申告するのが、ポイントなる。

        

 基本的に税金は、たとえ払いすぎたとしてもそれが戻ってくることはない。サラリーマンだからと確定申告は無関係だと考えず、もし払いすぎているのであれば、用意された制度を最大限に活用して税金を少しでも取り戻そう。

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