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電話のIP化はコスト削減だけではなく、業務改善を意識して取り組むべし

そろそろ食べ頃「VoIP」

VoIPの導入コストをどう考えるべきか

 VoIPを導入するメリットは、拠点間通話コストの削減、複数電話システムの統合管理による管理コストの削減、音声とデータの統合による業務改善等が挙げられる。ただし、先に述べてきたように、VoIP導入には大きな投資が必要になる。

 「単に配線コストの削減や管理コストの削減、拠点間通話コストの削減という観点だけでは、経営者はVoIP導入に踏み切れない」

 そう指摘するのは、ノーテルネットワークスのVoIP製品のプロダクトマネージャーである坂内聡氏だ。

 ノーテルネットワークス(以下、ノーテル)は、1975年に初のデジタルPBXを発表して以降、顧客の投資を無駄にしない設計思想を貫いてきた。同社の顧客はマイグレーションとアップグレードによって新しいテクノロジーに対応でき、従来のデジタルPBXのキャビネットはそのままでIP-PBXへマイグレーションできるという。このようにノーテルの製品は、IP化の投資を抑えられることも1つの特徴としている。

 「既存システムを拡張する場合、資産の約80%はそのまま利用できる。デジタルPBXを使いながら試験的にIP電話機を入れ、徐々にIP-PBX化していくことも可能。配線コストを削減したり、複数の拠点がある会社は拠点の管理コストを削減していきながら、数年かけてマルチメディア環境へ移行するという選択肢もある」(坂内氏)

ノーテルのIPシステムのポートフォリオ
ノーテルのIPシステムのポートフォリオ。IP導入が容易なデジタルPBXである「Meridian 1」、Meridianの豊富な機能と最新IP技術を搭載した次世代IP-PBXである「Communication Server 1000」、マルチメディアによる新しいワークスタイルを提供する「Multimedia Communication Server 5100」の3シリーズがある(画像クリックで拡大)

 そんなことなら最初からノーテルのPBXを入れておけば良かった、という読者の声が聞こえてきそうだ。読者へのアドバイスとして、坂内氏は「VoIP失敗の原因の多くが、実はLANやWANにある」と注意を促す。音質が悪い、切れる、つながらない、といった問題が生じるのは、ネットワークの途中経路にあるスイッチについての検討が、まったくなされていない場合がほとんどだという。

 「特に拠点間を結ぶシステムのバックアップの方法や、セグメント分け、経路の設定など、VoIPの導入前に考えておかないと悲惨な結果に終わる。しかも導入後に変更をかけるのは極めて厄介な作業になる」(坂内氏)

 VoIPの導入時にLANやWANの整備にまで手を広げる余裕はないかもしれない。とはいえ、失敗しないようLANやWANに投資すると、さらにコストは増大する……多くの企業がこうしたジレンマの渦中にある。それだけの初期投資を行なうのであれば、やはりコスト削減効果だけではなく、収益につながるメリットが求められる。

 ノーテルでは自社のVoIPソリューションを導入し、社員1人当たり年間9000ドルのコストを削減するとともに、業務改善により社員の生産性が15~20%向上できたという。また、米国の個人投資家向け投資銀行(社員数は約80人)は、ノーテルのVoIPソリューションにより社員1日当たり10分~20分程度の余裕が生まれたと報告している。この会社では社員一人当たり1日10分間の生産性が向上すると、全体で金額にして17万3000ドルの効率化となるという。仮に年間240営業日とすると年間4152万ドルの効率化だ。

 坂内氏は「業務改善で向上した生産性を積み上げていくと、VoIPへの投資を数年で回収できることが分かる。投資を回収するためには単なるIP化ではなく、業務改善につながるVoIPソリューションが必要だろう」と指摘する。

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