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電話のIP化はコスト削減だけではなく、業務改善を意識して取り組むべし

従来大企業向けが中心だったVoIPソリューションが、中堅・中小企業向けにも提供され始めている。今回は、VoIPソリューションの最新動向を見ていくとともに、データと音声をIPで統合することの利点と留意点について、専門家への取材を通じて再点検してみたい。

文:
梅田正隆(ロビンソン)
取材協力:
ノーテルネットワークス株式会社
エンタープライズアンドチャネルズ営業本部
エンタープライズマーケティング
プロダクトマネージャー
坂内 聡氏

目の前に初期コストの壁がある

 VoIP(Voice over IP)が日本に上陸しておよそ7年が経過した。当初はデジタルPBXが成熟していたためにVoIPは音質的に使い物にならないと評価された。ただ、新たな技術の登場などにより、その評価は大きく変わっている。現在の問題は、音声の品質よりも導入コストに移っていると言ってよい。PBXをリプレースしてIP-PBXを導入し、ネットワークインフラを整えるまでには、規模にもよるが千万~億単位の投資が必要となる。そこに収容する台数分のIP電話機のコストが最終的に響いてくる。

従来は、PBXを中心とする電話システムと、様々なアプリケーションサーバを中心とするデータ通信システムは、それぞれ独立して構築されてきた。VoIPのテクノロジーを用い、これまでPBXで行なってきた呼処理を「呼制御サーバ(図では分かりやすいよう電話サーバとしている)」で行ない、音声もデータもLAN経由で通信する統合システムにする
従来は、PBXを中心とする電話システムと、様々なアプリケーションサーバを中心とするデータ通信システムは、それぞれ独立して構築されてきた。VoIPのテクノロジーを用い、これまでPBXで行なってきた呼処理を「呼制御サーバ(図では分かりやすいよう電話サーバとしている)」で行ない、音声もデータもLAN経由で通信する統合システムにする(画像クリックで拡大)

 ただ、一方でVoIPの導入によって大きなメリットが得られることも事実である。たとえば中堅企業にとっては、本社と支社間の内線通話コストを削減できたり、あるいは将来的なサテライトオフィスの導入・環境整備にも、ネットワークでさえつながっていれば内線通話が可能になるVoIPの魅力は大きい。また、少人数の会社では、社員が出かけてしまうと、電話の取り次ぎ、不在時の対応、伝言といった作業負荷が、オフィスに残った社員の負担になっている状況はしばしば見られる。VoIPを使えば内線と外線をシームレスに接続することが可能となり、取り次ぎなどの負荷を大幅に削減できる。

VoIPによりIP電話化された環境例
VoIPによりIP電話化された環境例。本社(左)と営業事務所との間の内線通話は、広域イーサネット経由で行なうため通話料金が発生しない。また、出張先などでもインターネット経由でアクセスできる環境があれば、本社や営業事務所への内線通話が無料となる。なお、本社や営業事務所が一般公衆網と接続されているのはIP電話が使えない場合の非常用である(画像クリックで拡大)

 VoIPが拠点間内線通話コストの削減に有効であることは分かっているし、世の中のIP化の流れも止まりそうにない。ただ、今後10年も経過するとIPの世界はもっと変わってくる可能性があり、無駄な投資をしないためにも将来的な投資や戦略を考えるべきである。どうやら、単に音声をIP化するというのではなく、5年先、10年先を考えた戦略が必要になりそうだ。

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