2006年11月7日
中国国内では20%のシェアを持つというキングソフトのオフィス統合ソフト「Kingsoft Office 2007」(以下、Kingsoft Office)のベータ版が11月1日、公開された。オフィス統合ソフトの代表格といえば「Microsoft Office」(以下、MS-Office)だが、Kingsoft Officeは、画面のデザインや操作性がMS-Officeに限りなく近いことで話題になっている。MS-Officeとの最大の違いはその価格で、ワープロ、表計算、プレゼンテーション作成の3つのソフトが含まれるパッケージで4980円という安さだ。
「Kingsoft Office 2007」製品版予定価格 (2007年1月発売予定 ※3ヶ月間無償利用可)
キングソフト社はMS-Officeとの高い互換性を謳っているが、どの程度実現できているのか。そして、どのような用途に使えるのか、MS-Officeを超える機能はあるのか。ベータ版をもとに検証してみた。
はっきり言ってしまうと、画面はMS-Officeとほぼ同じで、操作もほとんど同様にできる。MS-Officeを使っているユーザーならまったく違和感なくKingsoft Officeを使うことができるだろう。ツールバーのデザインやメニューの並びまでほとんど同じなので、MS-Officeと間違えそうになるくらいだ(画面1・2)。
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| 画面1・2●MS-Office(左)とKingsoft Office(右)。起動直後の画面の見た目はほぼ同じ(画像クリックで拡大) | ||
だが、もちろんまったく一緒ではない。操作性の面では、逆にこれまでMS-Officeでちょっと不便に感じていた点が、Kingsoft Officeでは解消されていたりする。 たとえば、ファイルを開くと、ファイル名がツールバーの下にタブで表示される(画面3)。複数のファイルを扱う場合、常にすべてのファイル名が表示されているので、ファイルの切り替えが分かりやすい。しかもクリックひとつの簡単操作で切り替えが行なえる。MS-Officeの[ウィンドウ]メニューからファイル名を選択する方法より、はるかに使いやすい。
ほかにも、図形を挿入する際に一覧を画面右側の「ワークウィンドウ」(MS-Officeでは「作業ウィンドウ」と呼ばれる場所)に表示しておくことができる(画面3)。図形をよく使う人なら、いつでもすぐに図形が選べてありがたい。
このような細かい点、MS-Officeの改善点といってもいい箇所が、操作性の良さを感じさせる。Kingsoft Officeを使い慣れると、MS-Officeが逆に使いにくく感じるかもしれない。
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| 画面3●ツールバー下のタブに注目。複数のファイルを開いたときに、切り替えが簡単にできる。また、右側のワークウィンドウに図形の一覧を表示しておくことが可能(画像クリックで拡大) |
次に、機能面の違いを検証してみよう。起動時の画面を見た限りではMS-Officeとの違いはあまり感じられないが、実際に使ってみると、特に表計算ソフトで削除されている機能が目につく。代表的なのは、マクロとデータ分析に関する機能。これらの機能は、Excelユーザー全体からみると使用頻度が低く、Excelの機能の中では比較的レベルの高い機能といえる。こうしたあまり一般的でない機能が、Kingsoft Officeでは大胆に削除されている。ワープロソフト、プレゼンテーション作成ソフトについても同様だが、こちらは削除されている機能が表計算ソフトほど多くない。Kingsoft Writer、Kingsoft PresentationをWord、PowerPointと同じように使いたいという場合にはほとんど問題ないが、Kingsoft SpreadsheetsをExcelと同じように使いたいというときには要注意だ。
表●Kingsoft Office 2007で使えない主な機能
| 共通 | Word | Excel | PowerPoint |
|---|---|---|---|
| ・Webページとして保存 ・マクロ ・Officeクリップボード |
・アウトライン ・図表の挿入 ・表内での並べ替え |
・ピボットテーブル ・変更履歴 ・ふりがな ・Webクエリ ・フィルタオプション ・ゴールシーク ・シナリオ ・ワークシート分析 |
・プレゼンテーションパック ・グレースケールで表示 |