2006年7月19日
7月18日、ネットワールドはトランジティブと代理店契約を締結し、同社の「QuickTransit for Solaris/SPARC to Linux/Xeon」および「QuickTransit for Solaris/SPARC to Linux/Itanium」の発売を発表した。CPUソケット単位の年間ライセンス制度を採用し、1年間のサポート・保守付き使用ライセンスが20万円、同2年間のライセンスが38万円。
QuickTransitは、米トランジティブが開発した技術で、あるCPU用にコンパイルされたプログラムを他のCPUを搭載したシステムで動作させる仕組みだ。アプリケーションの実行時に動的にプログラムコードの変換を行ない、(1)変換結果をメモリ上にキャッシュとして保管し、再利用時には変換作業を省略する、(2)繰り返し利用するコードは動的に最適化する、などの工夫により、高速な実行を実現する。ユーザーはプログラムがネイティブコードなのか、それとも他のCPU用のコードなのかをまったく意識することなく利用可能だ。
QuickTransitの最も成功した導入例として、アップルコンピュータのインテル製CPU搭載機があげられる。MacBook Proなどインテル製CPUを搭載したMacintoshは、それ以前に搭載されていたPowerPC用のアプリケーションもネイティブコードのアプリケーションと同様に実行できる。アップルコンピュータが「Rosetta(ロゼッタ)」と呼ぶこの仕組みが、QuickTransitそのものである。 その他にも、MIPS製のRISC CPUベースのハードウェアにIRIXを搭載していたシリコングラフィックスが、インテルのItaniumを搭載したLinuxマシンに移行する際にもQuickTransitが利用されている。
今回発売された「QuickTransit for Solaris/SPARC to Linux/Xeon」と「QuickTransit for Solaris/SPARC to Linux/Itanium」は、CPUにSPARCを搭載したSolaris向けのアプリケーションを、XeonまたはItanium 2を搭載したLinuxベースのシステムで動作させることが可能な製品だ。
Solaris/SPARCのレガシーシステムからLinuxシステムへの移行に際し、大手ISVの製品やオープンソース系のアプリケーションは、Linux対応版が存在しているため、大きな問題とはならない。ネットワールドの森田マーケティング本部長は「自社開発ソフトウェア」や小規模なベンダーが開発したソフトウェアがQuickTransitのターゲットであると語り、国内でQuickTransitの対象となるサーバを7万台以上と概算。今後3年間で4000台以上、8億円以上の売上を計画している。 。
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| ネットワールド 森田晶一 マーケティング本部長 |
続いて登壇したトランジティブのボブ・ウィーダーホールドCEOにより、Solaris/SPARCのレガシーシステムからLinux/x86システムへの移行がうまくいかない実例が紹介された。Linux版が用意されている大手ISVのアプリケーションや、優先度の高い自社製アプリケーションの移植が迅速に進む一方で、「ソースコードが失われている」、「開発チームが解散している」、「ベンダーがすでにない」などの原因で、移行が進まないアプリケーションが残ってしまい、この例では予定よりも移行が大幅に遅れる結果となった。
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| トランジティブ ボブ・ウィーダーホールドCEO |
QuickTransitにより、以前は不可分だったハードウェア移行とソフトウェア移行のタイミングを切り離すことが可能となり、旧システム用のアプリケーションを使わざるを得ない場合でも、新しいシステムへの移行が実現可能となる。SPARCと比較すると、XeonやItanium 2は非常に性能が高いため、QuickTransitを用いたほうがネイティブ環境よりも速く動作するという。 またQuickTransitは、VMwareなどの仮想化ソフトウェアとも完全に互換性があり、VMware上のゲストOSとして動作しているLinux上で動作させることも可能である。今後普及が予想されるx86サーバベースの仮想化システム内に、レガシーアプリケーションも統合できる仕組みとして要注目と言える。
■株式会社ネットワールド
http://www.networld.co.jp/
■トランジティブ
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