2006年10月11日
前ページでは、ファクス機や複合機の誤送信防止について紹介したが、ファクスの利用頻度が高い企業では、ファクスサーバを利用したソリューションの導入も効果的だ。ファクスサーバの導入のメリットは、ペーパーレス化によるコストダウンや業務効率化が中心だったが、ここにきてセキュリティ面での利用価値が注目されるようになっている。
ファクスサーバ「RightFax」を手がけるハンモックでは、「ファクス誤送信防止ソリューション」として4つのソリューションを提供している。RightFaxの機能をベースに、ファクス送信のプロセスに承認ワークフローを組み入れるというものだ。ソリューションの概要を順を追って紹介しよう。
ファクス誤送信防止リューションの基本となるのは、もっともシンプルなファクスサーバの利用方法である、クライアントPCからファクスを送る方法だ。
実際の流れとしては、送信者はPCで送信原稿を作成したのち、上司に宛てて承認依頼を出す。上司は送信内容をチェックして承認を行ない、承認後のデータをファクスサーバ経由で送信する。送信前に上司に送信内容を確認させることで、ファクスによる情報漏えいをある程度抑えられる。
先の方法では、上司の承認によってある程度の誤送信を減らすことができるが、その都度上司がファクス番号のチェックまで行なうのは現実的には難しい。そこで、送信時にファクス番号と顧客マスタの情報を照合して送信することで安全性を高める方法も用意されている。
基幹システムが持つ既存の顧客マスタと同期する顧客データベースを設置し、ファクス送信時にファクス番号を顧客データベースと照合する。このとき、データベースに登録されている番号であれば上司へ承認依頼を出すが、登録されていない番号の場合は承認依頼を出すこともできない。顧客データベースのチェックと、上司の承認の2段階の手続きを経て初めて取引先へファクスが送信可能になる。
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| ファクス番号を顧客マスタと照合してから承認ワークフローへ流れる仕組み |
ここまで紹介した2つの方法は、いずれもPCからファクスを送信する場合に限定したものだが、既存のファクス/複合機にワークフローを適用するソリューションもある。
ファクスを送信する際には、送信先のファクス番号を記載した送付状(OCR用紙)と送信する文書を一緒にファクス/複合機からRightFaxサーバに送る。送付状に記載されたファクス番号をOCR処理し、ファクス番号を顧客マスタと照合。番号が顧客マスタに登録済みであれば上司の承認依頼へ進む流れだ。なお、送付状によるOCR処理のかわりに、音声ガイダンスにしたがってファクス/複合機からファクス番号を入力・送信することも可能だ。
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| 既存のファクス/複合機にファクス番号を書いた送付状を添付し、OCR機能・マスタチェックを経て送信される連携ソリューション |
さらに、既存の基幹システムと連携するソリューションも用意している。従来、基幹システムから紙に出力してファクスしていた文書を、データとしてRightFax側で受け取り、自動的にファクスで送信する方法だ。金融機関などの大規模な事務センターでの利用を想定したものだという。
紹介した4つのソリューションの特徴は、前述のとおりファクス送信に承認ワークフローを組み込めることだが、それ以外にもログの管理を徹底できるというメリットがある。送信済みの原稿をイメージデータとして保存したり、送信先、送信日時、送信者といった情報を記録しておくことで、後日、送信後の内容を検証することが可能だ。万一、誤送信による情報漏えいが発生した場合にも、原因を追究し、必要な処置を検討できるううえに、誤送信だけではなく、従業員による意図的な情報漏えいも防止できるだろう。
また、そのほかにも、同社ではさまざまなファクスソリューションを用意している。ファクスによる受注が中心の企業向けの「ファクス・コンプライアンスソリューション」がその一例だ。ファクスサーバ側で受信したファクスを各オペレータに自動的に振り分けたり、オペレータごとのアクセス権限を徹底したりと、ファクス業務におけるコンプライアンス対応を実現できるという。ファクスを業務の中心に据えている企業であれば、ファクス誤送信防止対策に合わせて、こうした総合的なコンプライアンス対応を検討してみるのもよいかもしれない。
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以上、ファクス専用機/複合機による誤送信防止機能とファクスサーバを使ったワークフローを導入する方法を紹介した。ただ、結局のところ、これらはあくまでも人的ミスを抑えるものであっても、完全に防止してくれるものではない。たとえば、承認ワークフローを設けても、上司がきちんとチェックを行なわなければ実効性は低い。
機密情報や個人情報の受け渡しにファクスを利用する際には、そもそも本当にファクスである必要があるのか十分検討するべきだろう。その上で、どうしてもファクスを使わなければならない場合には、今回紹介したような対策を必要に応じて検討してみてはどうだろうか。