入力欄つきのPDF文書が作成できる
PDF文書の作成と管理ができるアドビ システムズの「Adobe Acrobat」の最新バージョンが発表された。Professional以上のラインナップでは、閲覧者が文章を入力できるフォームを作成する機能を搭載している。
アドビシステムズのPDF作成ソフト「Adobe Acrobat 8」シリーズは4種類のラインアップを揃えている。上位から順に、3DイメージをPDF化できる「3D Version 8」と、PDF文書を使った共同作業に向いた「8 Professional」、PDFの作成や管理を中心に機能をまとめた「8 Standard」、付加機能を省いた廉価バージョンの「8 Elements」となる。また、無償提供する「Adobe Reader 8」も従来からインターフェイスを一新した。
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| Adobe Acrobat 8 Professional(画面クリックで拡大) |
| 主な機能 | Reader | Elements | Standard | Professional | 3D |
|---|---|---|---|---|---|
| PDF文書の閲覧・印刷・検索 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| PDF文書の作成 | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
| RDF文書の結合・パッケージ | - | - | ○ | ○ | ○ |
| セキュリティポリシーの付与 | - | - | ○ | ○ | ○ |
| 共有レビュー機能 | - | - | - | ○ | ○ |
| Adobe LiveCycle Designer 8の同梱 | - | - | - | ○ | ○ |
| Adobe Readerで注釈コメントが付けられるPDF文書の作成 | - | - | - | ○ | ○ |
| Adobe Readerで電子署名が付けられるPDF文書の作成 | - | - | - | ○ | ○ |
| Adobe Readerで保存できるPDFフォームの作成 | - | - | - | ○ | ○ |
| 3Dデータを含むPDF文書の作成 | - | - | - | - | ○ |
従来のバージョンから閲覧者がコメントを付与する機能は備えていたものの、文書内に書き込みや編集が可能な要素を追加できる「PDFフォーム」は初の機能となる。なお、新規作成だけでなく、既存のPDF文書や紙資料にフォームを追加することも可能だ。たとえば、これまでは紙で回収していたアンケート用紙をPDF文書で配布し、デジタルデータのまま収集することもできるようになる。
フォームは、「フォーム」メニューで編集コマンドを選ぶとポップアップされるアドインツール「Adobe LiveCycle Designer」上で編集する。
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| 「フォーム」メニューのアイコンからAdobe LiveCycle Designerを起動(画面クリックで拡大) |
フォームの追加は、左下のペインにある「ライブラリ」から行なう。テキスト用フォームやチェックボックスなどを選択し、ドラッグ&ドロップでPDF文書に追加する仕様だ。フォームのサイズはあとからドラッグで微調整できる。各要素の追加や編集に専門知識は必要なく、直感的に作業できるのは便利。
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|---|---|---|
| アンケート用紙を作成。項目名やテキストをAcrobatで作成後、LiveCycle Designerでフリースペースを追加した(画面クリックで拡大) | ||
なお、Adobe LiveCycle Designer起動中は、Acrobat上での編集はできない。フォームの追加はLiveCycle Designer、閲覧のみの文書はAcrobatを使うといったアプリケーションの切り替えが必要なので、新規作成する場合は閲覧部分の文書を完成させてからPDFフォームの編集に取りかかるのが効率的だ。
新たに追加された「墨消し」機能は、個人情報などを伏せて資料を広く配布する際に効果を発揮する。テキストやグラフなどの一部を文書から完全に消去し、復元不可能にして配布できる。たとえば、営業結果をまとめた資料を社内で共有する際に、グループ内にはすべて閲覧できる資料を渡し、別の部署には一部のデータのみを閲覧可能にした文書を配布するといった手段が選べるようになる。
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|---|---|---|
| 「アドバンス」メニューの「墨消し」を選択し、文書内の要素を選択する。最後に「墨消しの適用」をクリックすれば、透明テキストとともにデータが消失する。ウィンドウを閉じたあとは復元できなくなるので、元データの上書きには要注意だ(画面クリックで拡大) | ||
前バージョンから普及している「共有レビュー」機能は、グループで資料の校正を行なう際に便利だ。Adobe Reader上で文書の任意の場所に吹き出しをつけてコメントを添付する機能で、Standard以上の製品で注釈の付加を許可したPDFファイルでのみ利用できる。対応するバージョンはAdobe Reader 7以降となる。
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| Professionalの「注釈」コマンドで「Adobe Readerで注釈を有効にする」にチェックを入れてPDF文書を保存する(画面クリックで拡大) |
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| Adobe Readerで文書にコメントを付ける。ツールバーの「レビューと注釈」から、引き出し線や赤線、テキストボックスなどが選べるようになった(画面クリックで拡大) |
また、複数のPDF文書を結合して単一のファイルにする機能も追加されている。たとえば、月例報告書に最新の資料を追加してまとめるなど、デジタルデータ化した資料をあとからまとめなおす際に重宝する。ただし、PDFフォームを適用した文書の結合はできない。たとえば回収したアンケートを1つのファイルにまとめるのは、それぞれフォームを解除する手間が発生するため、あまり現実的ではない。配布の可能性が低い資料や過去の資料を整理するのに利用するのが効果的だ。
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| 「ファイル」メニューの「ファイルの結合」をクリックするとウィザードが起動し、結合する文書を選択できる(画面クリックで拡大) |
オフィスソフトとのインポート・エクスポート機能は以前から搭載していたが、最新版ではMicrosoft Wordへの書き出しではレイアウトの再現性が向上した。細い罫線内の文字が隠れるなどの不都合が起きにくくなっている。Word文書をPDF化して、再びWordに戻した場合もレイアウトの再現率は高かった。Word形式の社内資料をWeb向けにPDFで公開して、資料を回収するような作業でも、一元管理しやすい。
Standard以上のエディションでは、Acrobatの機能を目的別にまとめた「Adobe Acrobat操作ガイド」を追加し、Adobe ReaderでPDF文書を確認したユーザーがコメントを残せる「共有レビュー」機能を搭載した。さらに、今回試用するProfessionalと3D Versionでは、Adobe Reader 8で編集や書き込みができるフォームを文書内に設ける機能を備えており、PDF文書を使った双方向のやりとりが簡単に実現できる。詳細な違いは、バージョンごとの機能比較一覧表を参考にしていただきたい。
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| 極力専門用語を使わず、目的に応じた機能を紹介する「Adobe Acrobat操作ガイド」。初めて導入したときの一助になるはずだ。起動にポップアップしない設定も選べる(画面クリックで拡大) |
PDFは、現在、配布と閲覧という一方通行の利用が多いが、Acrobat 8の発売と提供が始まる11月以降は、デジタルデータのままの文書に書き込んでして送信する手段も普及していくはずだ。閲覧者からの回答を引き出す効果的なツールとして、PDF文書を活用するなら大いに役立つだろう。
| メーカー名 | アドビ システムズ |
|---|---|
| 価格 | 13万5870円(3D Version 8)、5万7540円(Professional)、3万6540円(Standard) |
| URL | http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/ |
Elementsの価格は未定。