2006年5月22日
マイクロソフトは、2005年7月に発表したJIS X 0213:2004対応フォントであるMSゴシック3書体と、MS明朝2書体、新日本語フォント「メイリオ」への移行に伴う支援策と液晶画面における可読性を向上させたメイリオ開発の成果を発表した。
JIS2004文字セットは、従来使われていた文字セットから、新人名漢字などの新たな900文字の追加と、アイヌ文字や英語の発音記号などに用いられる音声記号類の200文字の非漢字が追加された。マイクロソフトは、これにより日本語表記に必要な文字をほぼ網羅したとしているが、一方、122文字の漢字の字形が変化するとも説明している。122漢字に関しては、これまでのパソコン上で変換された字体ではなくなるという、ユーザにとっては多少の混乱も考えられる仕様となる。これに対し、マイクロソフトは、Windows Vistaのユーザに旧字体の表示を可能にする「旧JIS90互換MS書体」を提供する考えだ。
現在のWindows XPまでのOSは、「JIS90」規格の例示字体に準拠するMS Fontのバージョン「2.3」である(表)。一方、次期OS Vistaに標準搭載される「JIS2004」対応のフォントバージョンは「3.0」となる。旧JIS90互換MS書体は、マイクロソフトのWebサイト「ダウンロード・センター」にてフォントバージョン「2.5」としてダウンロードが可能(Windows Vistaのみ対応)。
なお、長期的にマイクロソフトはMS Font 3.0を「3.2」のフォントバージョンへと移行する計画だ。3.2では122文字のJIS90字形をjp90 Open Typeでサポートする(Open Typeとは、マイクロソフトとアドビシステムズが共同で開発したフォント。MAC OSとWindows OSの両方で使用でき、MacではOS X、Windowsでは2000以降で標準で対応している)。Open Typeに対応したアプリケーションやWinFX(Windows Presentation Foundation)対応アプリケーションでは、このOpen Typeの機能によりJIS90の字体とJIS2004の字体の両方の表示が可能になる。3.2への対応は、Windows XP、Windows Server 2003、Windows Vista、Windows Longhorn Server用のものが「Microsoft Update」で提供される予定だ。
| MS Font Version | 2.3 | 2.5 | 3.0 | 3.2 |
|---|---|---|---|---|
| 122文字のJIS規格 | JIS90 | JIS2004 | ||
| Windows 98,Me, NT4.0,2000 | デフォルト | |||
| Windows XP, Server2003 | デフォルト | |||
| Windows Vista, Longhorn Server | マイクロソフト ダウンロード・センターで入手 | デフォルト | ||
| 備考 | JIS2004対応文字の表示可能 | JIS90をOpen Typeによりサポート | ||
マイクロソフトのJIS2004移行支援策におけるフォントバージョンとその対応OSバージョン
JIS2004対応のMSゴシック3書体、MS明朝2書体のほか、まったく新しいWindows Vista搭載フォントとなるのが「Meiryo」(メイリオ)である。メイリオは、文字をなめらかに表示する技術「Clear Type」を駆使した最初の日本語フォントである(Clear Type技術はWindows XPより搭載されている)。液晶画面上での可読性を向上さたという特徴から、その名前を「明瞭」からもじり、カタカナ表記でメイリオ、英語表記でMeiryoとしている。また、メイリオの最大の特徴は和文と欧文を違和感なく調和させて組むことができる点にあるという。特に横組み文章を読みやすくするため、文字のプロポーションをやや平らにし、字間スペース、黒み、並び具合を調節しているデザインは、ロンドンの地下鉄や電話番号の書体をデザインしたことで知られる河野英一氏をはじめ、マシュー・カータ氏、株式会社C&Gが担当した。スクリーンの時代において可読性の向上は不可欠であり、高い文字品質はユーザの理解力を深めるとともに、生産性の向上につながるとし、長期的に開発を継続していくとしている。
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