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2006年12月1日
アメリカを中心に約1億3500万人の会員を誇る世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)「マイスペース」の日本版「マイスペースジャパン」が11月7日にオープンして3週間が経過した。国内のSNSは現在、mixiが660万人(11月12日時点)の会員を獲得して独走しているが、追撃に向けたシナリオはどう描いているのだろうか。サイトを運営するソフトバンクとニューズ・コーポレーショングループによる合弁会社、マイスペース株式会社の香山誠社長に、今後の成長戦略についてインタビューした。
―― まず、ソフトバンクがマイスペースの導入を決めた経緯について教えてください。
香山 氏 孫正義社長とルパート・マードック代表の個人的なつながりがきっかけで、今年5月末から交渉を始めた。
SNSを始めるにあたりさまざまな可能性を検討したが、マイスペースと組むことを決めたのはアメリカで圧倒的なシェアを占有しているからだ。アメリカのインターネット人口は2億人弱だが、およそ4割の約8000万人がマイスペースの会員に登録している。アメリカで勝ち抜いた理由があるはずだと考え、50%ずつの共同出資による合弁会社の設立を決めた。
―― 後発のSNSとして登場したマイスペースがアメリカで勝ち抜くことができた要因は何でしょうか。
香山 氏 要因はいろいろある。マイスペースがスタートした約3年前、確かにフレンドスターなどが先行していた。だがマイスペースはいち早く「ミュージックチャネル(無料で使えるアーティスト向けプロモーションツール)」を導入したことで、プロモーションの場としてメジャーのアーティストだけでなく、インディーズないしアマチュアのミュージシャンが集まった。
たとえばこんな事例がある。キャシーというそれまではまったく知名度がなかったモデル出身の歌手がマイスペースでのプロモーションによって人気を博し、全米のビルボード3位に入った。また、ベテラン歌手のボブ・ディランはマイスペースのミュージックチャンネルから情報発信を行なうことで、新たに若い世代のファンを獲得して、今年発売したニューアルバムがヒットした。現在、マドンナなど約300万組のバンド/アーティストがミュージックチャンネルに会員登録している。
我々マイスペースはよくあるSNSのようにプロフィール画面が定型ではなく、カスタマイズが自由自在という点も大きい。顔写真や音楽、ビデオなどを自由にレイアウトできるので、エクスプレス(自己表現)ツールとして優れている。
また、招待制ではないので、バンドや企業など個人以外も簡単に擬人化して会員登録できる。こんなデータがある。アメリカの映画館で出口調査を行なうと、マイスペースを通じてその映画を知ったという人が10~20%にのぼっている。映画「X-MEN」では20%がマイスペース経由の観客だった。「X-MEN」の登場人物がプロフィールをそれぞれ登録して、プロモーションした効果が大きかったのだろう。
さらに、十分なシステム投資ができたため、SNS利用者が急増した時期にもパフォーマンスを落とさなかったことも挙げられる。
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| マイスペースのトップページ(http://www.myspace.com/) |
―― 先発のSNSが見落としていたユーザー視点によるサービスを充実させていったということですね。
香山 氏 これは企業理念ともいえるものだが、永遠のベータ版であるというのもマイスペースの強みだ。最初から利用方法を固定したものや時間をかけて作った完璧なものではなく、まずは「まあ使ってみてよ」といった感覚で提供を始める。それをユーザーの反応やニーズに合わせて改善を繰り返している。
たとえばマイスペースが用意したサービスで、「想定外」の使われ方をしたサービスがあった。アメリカでは自分のページで音楽を流すことができるのだが、その中に自分のギャグを音源に入れてプロモーションするコメディアンが登場した。そこで新たにコメディチャネルを作り、コメディアンの表情が見えるようにビデオも付けた。このようにマイスペースにはユーザーが望むサービスを徹底して提供するというフィロソフィーがある。ユーザーのニーズへの対応のノウハウを、我々も5カ月間のマイスペースとの交渉で知った。
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