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2006年9月21日
キングソフトは、9月21日、東京都内で報道関係者を集め、来年1月に「Kingsoft Office 2007」を発売し、国内オフィスソフト市場へ参入すると発表した。また、併せて昨年秋に発表した個人向けセキュリティソフトの最新版「Kingsoft Internet Security 2007」の提供を開始した。
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キングソフト代表取締役社長の広沢一郎氏 |
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「キングソフトがまさに社運をかけて送り出す製品。Microsoft Officeとの互換性確保は、起死回生をかけた苦渋の決断として出した結論だ」
中国キングソフトの国内子会社・キングソフト株式会社の代表取締役社長である広沢一郎氏は、同社が来年1月に発売する「Kingsoft Office 2007」への意気込みをこう語る。
中国キングソフトは、オフィスソフト、セキュリティソフト、オンラインゲームの3つの事業を柱に中国国内外で展開しているソフトウェアベンダー。昨年9月には個人向けセキュリティソフト「Kingsoft Internet Security 2006」を発表し、日本のセキュリティソフト市場へ参入。同製品はすでに200万件以上のダウンロード実績を誇るという。
「日本のユーザーに、高品質、低価格でサービスを提供していく。メジャーソフトウェアベンダーの1つとして、上位を目指したい」(中国キングソフトCEOの雷軍氏)という同社の日本市場における次の戦略は、オフィスソフト市場への参入だ。
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| 中国キングソフトCEOの雷軍氏 | 中国キングソフト取締役の葛珂氏 |
キングソフトは、もともと1988年から中国国内でDOS版のオフィスソフト「WPS Office」の開発・販売を行ない、当時2000万人以上のユーザーを獲得していた。同社取締役の葛珂氏によれば、「パソコンといえばWPSだった」というほど、中国国内では定着していたという。
だが、1995年、マイクロソフトが中国のオフィスソフト市場に参入した後にシェアを急落。「マイクロソフトの独占的なマーケティング戦略のなかで、独自路線を貫くしかなかった」(葛珂氏)という同社は、一時、特定分野向けソフトとしての生き残りを模索する。
だが、「マイクロソフトの手法は技術の進歩を阻害するもの。また、ユーザーニーズは多種多様で1社でカバーできるものではない。もっと競争のチャンスがあってもいいはずだ」(葛氏)と判断し、2002年にはMicrosoft Officeとの互換性を重視した新バージョンの開発に着手。その後3年の期間と8100人月ものリソースを投じて、2005年には「WPS Office 2005」を中国国内でリリースした。WPS Officeは、政府機関などで積極的に導入が進んだ結果、現在、中国国内で約20%までシェアを回復させているという。
今回、日本向けに発売するのは、このWPS Office 2005をベースにローカライズした製品。ワープロソフト「Kingsoft Writer」、表計算ソフト「Kingsoft Spreadsheet」、プレゼンテーションソフト「Kingsoft Presentation」の3製品からなるオフィススイートだ。
同製品の最大の特徴は、マイクロソフト製品との高い互換性。「互換性を謳いながら、実際に開いてみたら行間や文字間が違っていてズレることがあった」(広沢氏)という他社製品と異なり、ほぼ完璧に近い形での再現が可能だという。また、作成した文書の互換性だけでなく、ユーザビリティの互換性も重視。ウィンドウのデザインもほぼマイクロソフト製品に近いものにした。これによって、マイクロソフト製品に慣れ親しんだユーザーでも違和感なく操作が可能だとしている。
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| 操作感もマイクロソフト製品に近づけた「Kingsoft Writer」(右)とMicrosoft Wordの比較 |
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| 同文書ファイルをKingsoft Writer(右)で開いたところ。高い再現性を実現している |
同製品の特徴としては、PDFファイルの出力に標準で対応するほか、複数ファイルをタブ形式で表示し、簡単に切り替えられる機能を搭載。インターネットを介した自動アップデート機能により、今後、Windows VistaやOffice 2007形式のファイルにも対応していく予定だ。
Kingsoft Officeの価格は、3製品をパッケージ化した「Kingsoft Office Standard」が4980円。ワープロと表計算ソフトをパッケージ化した同「Personal」は3480円、単体製品は各1980円。販売経路は、同社Webサイトまたはダウンロード販売サイトからのインターネット販売のみ。11月1日の午後3時からベータ版のダウンロードを開始し、2007年1月に製品版の提供を開始する予定。製品版は試用期間として3ヶ月間、無償で利用可能となっている。
同社では、来年中に日本国内で10万ユーザーを目指すとしている。
会見では、併せて個人向けセキュリティソフト「Kingsoft Intenet Security 2007」の発表も行なわれた。
Internet Security 2007は、アンチウイルス、アンチスパイウェア、ソフトファイアウォール、アンチスパム、ぜい弱性検査ツールを統合した製品。今回の新バージョンでは、各機能の機能強化が図られたほか、ライセンス体系を変更。従来の980円/年の年間契約に加えて、3900円で無期限の利用を可能とする「無期限版」の提供を開始する。無期限版では、パターンファイルの更新とインターネット経由でのプログラムのバージョンアップを無償で提供。ただし、OSはWindows Vistaまでのサポートとなる。
広沢氏は、インターネットが一般家庭に広く普及していながらも、いまだにセキュリティ対策を行なっていないユーザーが多く存在する点を指摘。「セキュリティソフトベンダーがユーザーの立場に立ってこなかった」と、価格がネックになっているとの見方を示し、無期限版提供の意義をアピールした。
Internet Security 2007は、すでに同社Webサイトからダウンロード提供を開始。12月末までは1980円で無期限版を購入できるキャンペーンを実施している。
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