カバンの中に気軽に入れて持ち運べる携帯性や、外出先でも長時間続けられるバッテリ寿命の長さ、あるいはキーボードの打ちやすさやポインティングデバイスの操作性など、オールインワンであるノートPCにはさまざまな“快適性”が求められる。さらにこうした要素の中には相反するものもあり、バランスさせるのは非常に難しい。この快適性を高めていくために、東芝はどのように取り組んでいるのだろうか。 コスト競争の中でも快適性の向上に真摯に取り組む東芝オフィスワーカーにとって、PCは毎日欠かさず使う仕事のための道具である。それがノートPCで、しかも毎日カバンの中に入れて持ち歩くのであれば、使用する上での“快適性”は性能の一部として評価されるべきものではないだろうか。 社内の業務システムがコンピュータ化され、外部から入る情報も、人同士のコミュニケーションも電子化された昨今、PCと向き合う時間は確実に増加している。毎日、どれほどキーボードを叩くのか、どれだけの情報をPCのディスプレイから得ているのかを考えれば、PCを使う上での快適性は決して無視できる要素ではない。 しかしPCの価格下落は、そうした付加的要素に対して割くべきコストを圧迫している。これはすべてのPCに共通する問題だろう。しかし、数値上の評価には現れにくい快適性というファクターに対し真摯に取り組んでいるメーカーがある。 そうしたメーカーの1つである東芝で、dynabookシリーズのハードウェア設計全体を指揮している東芝・PC開発センターPC設計第一部第一担当第三担当グループ長の島本肇氏に話を伺った。 | ||
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“快適性”を引き出すために妥協できる要素はないノートPCの快適性にはいくつかの切り口がある。ハードウェア全体のデザインもさることながら、バッテリ駆動時間やキーボードを操作しているときに手元で感じる熱なども"快適性"で括られる要素だ。 その中で今年、ノートPC20周年記念モデルとして東芝から投入されたのが「dynabook SS SX/S20」シリーズだった。同モデルの原型とも言えるデザインは、dynabook SS Sシリーズとして製品化されていたが、SS SX/S20シリーズは“モバイルPCに求められる快適性とは?”を自問しながら生み出した会心作である。 島本氏は「SS SX/S20シリーズは、軽さ、バッテリ持続時間、薄さのバランスを取る事に腐心しました。軽くバッテリも長持ちするが、分厚いノートPCを作るのは難しくありませんし、軽く薄いけれども、バッテリがスグになくなってしまうノートPCも開発できます。SS SX/S20シリーズは5時間以上のバッテリ持続時間を確保した上で、雑誌のように薄い本体と1.2キロ程度の軽さを実現しました。セカンドバッテリ装着で長時間駆動も可能です」と話す。 同製品を見ると真っ先に感じるのがその薄さへの驚きだ。カバンへの出し入れが楽で、他の荷物と同時に持ち歩くときでも邪魔になりにくい。また実際に使ってみると、バッテリやキーボード、液晶パネルなどにもコダワリが感じられ、さらにBluetooth内蔵など機能面での妥協もない。 “快適性”を考えるとき、ある切り口での性能だけに特化すれば楽なものだが、東芝は快適性を引き出すためにあらゆる要素で妥協せず、それらを高次元でバランスさせている。日本の製造業は何らかのユニークさを引き出せなければ生き残れなくなっていている。PC業界は特にそうだ。そうした環境の中、未だに国内での開発と生産を続けられているのは、東芝自身が現状に妥協せずに前へと進むモチベーションを保ち続けているからだろう。 | ||
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