前回、DR-5010Cを使ってニュースリリースをデジタル化した話を書いたが、編集者の机を浸食する紙はそれ以外にもたくさん存在する。たとえばアスキービジネスにおいて編集長を務める大島伸一の机の上には、雑多な書類が散乱している。今回は、大島の机の上に広がっている、さまざまな紙のスキャンにチャレンジした。
ひとくちに「紙」といっても、よく見るとさまざまな違いがある。たとえば厚み。オフィスで広く流通している紙と言ってまず思い浮かべるコピー用紙は、簡単に折り曲げられるほど薄い。しかしコピー用紙と同じくビジネスの現場で大量に流通している名刺は、コピー用紙よりはるかに分厚い。その一方で、会社の経費として精算するためにもらう領収書は、コピー用紙よりも薄い。
普段、こうした紙質の違いを意識するケースはほとんどないが、ドキュメントスキャナを使ってデジタル化を考えると、実は大きな問題になる。というのも、ドキュメントスキャナによっては、ペラペラの薄い紙、あるいは簡単にはまがらない厚みのある紙が苦手なケースがあるからだ。
たとえばあまりにも薄い紙の場合、ドキュメントスキャナ内の原稿を搬送する経路で引っかかってしまい、紙詰まりが起こってしまうことがある。こうなると作業が中断されるばかりか、紙そのものにもダメージが発生することになる。特に薄い紙は簡単にちぎれてしまうため、重要な書類はスキャンできない。
厚みのある紙を苦手とするドキュメントスキャナも多い。その理由は搬送経路にある。製品によっても異なるが、給紙トレイから読み取った原稿をカーブさせて排紙トレイにはき出すことしかできない製品では、あまりにも固い原稿は曲がらないため搬送できず、やはり紙詰まりが発生してしまう。
そこでDR-5010Cは、通常の曲げて戻ってくる排紙に加え、前面から取り込んだ原稿を曲げることなく背面に排出するストレート排紙モードを搭載した。これにより曲がらない厚い紙やラミネート加工された原稿、あるいはプラスティックカードでも読み取りを可能にしたというわけだ。
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| 背面のストレート排紙用のトレイを空けたところ。紙を曲げずに搬送することにより、免許証などの固い原稿でも読み取れる |
今回、弊誌編集長である大島が持っていた極薄の領収書から厚みのある名刺など、多様な種類の原稿をDR-5010Cでスキャンしたが、何ら問題なくすべてデジタル化することができた。特に、くしゃくしゃになったレシートまで問題なく読み取れたことに大島は驚いていた。このあたりは、紙を知り尽くしたキヤノンならではという部分だろう。
薄い紙でも厚い紙でも快適にスキャンできることに加え、もう1つ大島が気に入ったのが快適な両面スキャンだ。近年紙コストの削減や環境への配慮から、両面印刷を推奨するオフィスが増えている。アスキーでも同様で、配布される書類が両面印刷のものである割合は年々高まっている。当然DR-5010Cは両面スキャンに対応しているが、特徴は片面読み取り時と同じスピードでスキャンできるという部分。つまり両面だからといって、デジタル化に時間がかかるわけではないのだ。
さらに嬉しいのが、DR-5010Cに付属するスキャンユーティリティである「CapturePerfect 3.0」に、「白紙スキップ」という機能があること。片面印刷と両面印刷の原稿を混在させてスキャンする際、当然ながらユーティリティ上では両面をスキャンするように設定しなければならない。片面しかスキャンしなければ、両面の一方のページが読み取られないからだ。ただ、そうすると片面しか印刷されていない原稿でも両面が読み取られることになり、真っ白なページまで保存されてしまう。これはデータ量が無駄に増えるだけでなく、閲覧する際の邪魔にもなる。
そこで利用できるのが白紙スキップの機能だ。これはスキャンした原稿を自動的にチェックし、もし白紙であると判断されればデータとして保存されない、という機能だ。これにより、片面と両面印刷の原稿を混在させてスキャンしても、無意味な白紙ページが保存されることはない。
| 両面読み取り時、白紙ページは保存されない「白紙スキップ」の機能 |
また、今回「重送検知」の機能も活用した。複数枚の紙が1度に搬送されてしまうトラブルのことを重送と呼ぶが、もしこれが発生すると本来スキャンされるべき原稿が読み取られずにスキャンが終了してしまう。特に重要な書類で重送が発生すると、大きなトラブルにつながりかねない。
しかもやっかいなのは、大量にスキャンすると重送が発生したのかどうかを確かめづらいという部分だ。重送の有無を確実にチェックするために、元原稿とデータを1つ1つ目視でチェックするようでは、せっかくの高速スキャンの威力も半減してしまう。
そこでDR-5010Cには、そもそも重送が起こりにくい工夫を凝らしているほか、仮に重送が発生してもそれを高精度で検知する機能が搭載されている。1つめは原稿の「長さ」で検知する方法。複数の紙が搬送されるタイミングがずれると、一見紙の長さが変わったように見える。この紙の長さの違いを検知して、重送であると判断するわけだ。さらに高精度の重送検知が求められる場面ならば、「超音波」を使った方法が利用できる。こちらは原稿の搬送時に超音波を発し、その変化を読み取ることで重送を検知する。重送が発生すると大きな問題に発生する、請求書などの重要な書類の読み取り時には心強い機能だろう。
DR-5010Cを導入したことにより、大島の仕事はどう変わったのか。その1つとして本人が挙げていたのが、「捨てる判断」をしなくて済むようになったということ。書類の束を放置しておけば、当然多くのスペースがそれらによって消費されてしまう。快適に仕事を進めるためには、こうしてたまった資料をどこかのタイミングで捨てることを決断しなければならないが、これがなかなか難しいのは多くの人が感じているところだろう。
しかしDR-5010CによってPC内のHDD上に書類を蓄積できるようになり、いちいち「必要か否か」を判断することなくすべてデジタル化して保存しておけるようになった。しかもPart3で紹介したように、OCR付きのPDF形式で保存することにより、大量にため込んだ資料の中から、必要なものをピンポイントで探し出すことも可能になる。これもデジタル化する大きな利点である。また、DR-5010Cを使い始めてから、大量の資料を手軽に外に持ち出せるようになったことも喜んでいる。大島はPDAを肌身離さず持ち歩いているのだが、それにはPDFビューアが搭載されている。これを使って、DR-5010CでPDFにした資料を閲覧するというわけだ。確かに数十ページもの資料を鞄の中に入れて持ち歩くのは大変だが、デジタル化してPDAに放り込めば、どれだけ大量の資料でも手軽に外出先で閲覧できる。紙の資料をデジタル化すれば、可能性を大きく広げられることの一例と言えるのではないだろうか。
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| DR-5010Cの導入により、(少し)片付いた弊誌編集長である大島の机。 |
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