今回はやや抽象的な話題だが、実は経営者の重要な役割のひとつを説明する。
経営理念の追求だ。
多くの会社の朝礼で社是や社訓などを復唱しているだろう。会社のそこここに『我が社の十箇条』のようなものが張ってある会社もあるだろう。
社内に張り出していなくても、Webページの「社長ご挨拶」ページに理念が書いてあることも多い。
試しに『Google』で『経営理念』というキーワードで検索してみるといいだろう。名だたる大企業の経営理念が延々と表示されるはずだ。
だいたい、このような内容が記されていることが多いはずだ。もちろん、企業によって環境関連について書いたり、経営の効率化と書いていることもある。
何となく、小中学校の朝礼を思い出して、「古いなぁ」「ダサイ」と感じている人も多いだろう。だが、経営には必ず理念が必要なのだ。
すべての会社は、「金儲けをする」という究極的な目標を持っている。正確に言うならば、それ以外の目標はあり得ない。そもそも、会社という存在自体が利益追求のためにあるのだから。
だが、金儲けだけに邁進する会社は、決して成功しない。たとえば開発者がモノを作るときに、「これで、1億円儲けてやろう」と思うことは少ない。
「もっといいモノを作ろう」
「ライバルに負けない製品を、なんとか生み出したい」
こんなハートで作るはずだ。
営業についてもしかり。成績のため、利益のために売る人が多いのだが、本当の意味で成功しているセールスは、「お客様のお役に立ちたい」と、考えているものだ。
会社全体の想いも同じこと。
ひたすら利益を追求するのも間違ってはいない。だがそこには、必ず大儀が必要なのだ。金、金、金では、従業員や企業そのものが疲弊するばかりである。
そこで、会社の目指すところで、利益追求以外の考えを明確にしたのが経営理念である。現場で必死に働いていると、こんな大きな考えには及びもつかないかもしれない。目先の作業やノルマに追いまくられているはずだ。
だが、経営者は必死に理念をすり込もうとする。結果、朝礼で復唱させることになる。
理念は悪いことではない。同じ金儲けをするにあたって、どんな考えで、社会や顧客に貢献するかを決めている大方針だ。
正しい理念を持ち、それを全社員が理解している会社は、目的がはっきりしているから、高い意識を持って仕事ができる。
創業社長は、創業時や、会社が軌道に乗り始めた時点で、理念を作ろうとする。実は、経営戦略の根幹たる部分――つまり骨子でもあるのだ。もちろん、歴史のある会社なら、先代や先々代の社長が理念を作っているはずだ。
もう一度、自社の理念をチェックしてみよう。それこそが、経営者の考えていることを明確に表しているのだ。
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