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コラム

会社を動かす社長の仕事は?
知っておきたい経営者の視点

2005年7月1日  文●戸田 覚

第1回
経営者は雲の上の存在ではない



■経営者と従業員の違いのホントのところ

 社長は偉い――そう思っている人は多いだろう。まあ、確かに偉いとはいえる。だが、特別な人だと考える必要はない。社長も普通の人間であり、会社のトップというだけの話だ。

 一番勘違いしがちなのは、「社長から給料をもらっている」と思うこと。実はこれは間違いで、給料はあくまでも会社からもらっているのだ。経営者が決めているとすれば、それは、社員の給料の額を承認しているだけで、給料は会社全体の売上の中から、支払われることになる。

 そもそも、経営者とはどんな人だろう? この連載で徐々に詳しく説明するが、決まりの上では「取締役」という役職に就いた人が経営者になる。取締役以外の社員は、会社に雇用されている。だが、取締役は「委任」関係になる。取締役になったときから、会社との関係がかなり変わる。一般的には、従業員としての地位がなくなるので、その時点で退職金が支払われるのだ。その後の働きに対しては、慰労退職金という形で、別の退職金が支払われる。会社から見れば、従業員は、簡単にクビにはできないが、取締役は自由に解任できる。報償は大きいが責任も重く、失敗すれば、あっという間にやめることになりかねない。

■経営者って何を考えてるの?

 会社のトップは、代表取締役と考える人が多いだろう。もちろん、間違ってはいない。代表取締役は代表権のある取締役で、業務全般を指導、管理しなければならない。中小企業では、代表取締役が借り入れの担保として自宅を差し入れる、などというケースも多い。最大の責任者なのだ。

 では、経営者は何を考えているだろう? 一番考えている時間が長いのが事業全体の計画だ。つまり、会社の現状をふまえて、この先どうしていくべきか、戦略を練っているのだ。社長は、従業員を「事業を展開するためのスタッフ」と考えている。増員やリストラ、異動などスタッフを適材適所に配置して事業を成功に導こうとする。つまり、経営者になると、一般の従業員より「人使い」について考える時間が長くなるのだ。

 もちろん、人の配置以外にも、取引先と提携したり、新製品の開発や投資の決済をするなど、事業に関する重要な意志決定は経営者の役目だ。大きな決定事項は、取締役会で決めることになる。

 経営者になるメリットは、会社を動かす醍醐味と高収入だ。雇用されている時よりも責任が明確で、代わりに、事業がうまくいけば収入も増える。

 では、経営者は絶対的な権限があるかといえば、実は違う。取締役は株主総会で決められるのだ。だから、企業が買収されると、取締役を送り込まれることになる。株式を公開していない企業では、最大の株主が社長というケースがほとんどだ。これが、いわゆるオーナー社長であり、基本的には会社のすべてを自分で判断できる。オーナー社長から見れば、「自分の会社」ということになる。

 次回は経営者と従業員の違いをさらに細かく見ていこう。

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