会社勤めをしていると、12月ぐらいに「扶養控除申告書」と「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」という書類が経理や総務から配られるはずだ。これらは年末調整をするのに必要な書類である。しかし多くの人は、これらの申告書2枚を結構いい加減に処理してしまっているのではないだろうか。実はこれらの申告書は、税金を戻してもらうために、とても大事な書類なのだ。
年末調整や税金で注意してほしいのは、これらが基本的に自己申告制になっているということである。つまり、「扶養控除申告書」や「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」に「自分自身の税金控除関係」を書き忘れると、戻るべき税金が戻ってこないということも考えられる。
そのため大切なのは、自分自身が「自分の税金控除関係については、これとこれが該当する」ということを理解しておくことだ。たとえば16歳以上23歳未満の子供を扶養家族に抱えていれば「特定扶養控除」という63万円の控除が受けられるが、もしそのことを「扶養控除申告書」に書き忘れて(氏名等を書く欄と丸をする欄がある)も、税務署はもちろんのこと会社の経理担当者でさえ何も言ってくれない可能性がある。結局、本人も気づかず余分な税金を払いっぱなしで終わってしまうのである。
そこで、これらの申告書に書くべき「各々の税金控除関係」について、いくつかのポイントを解説する。まずは扶養控除関係からだ。
通常は、扶養控除というと奥さんや子供が該当するが、他にもリストラに遭った父、フリーターの息子、年金生活者である両親なども該当する場合がある。該当すれば、たとえば税率20%とすると、38万円×20%=7.6万円の節税(税金還付)となるのでかなりお得だ。
扶養控除に該当する要件は2つ。「生計一親族」であるかとどうかということと「年間の合計所得金額が38万円以下」であるかということ。生計一親族かどうかは、同じ財布をもとに生活をしているかで判断するが、必ずしも同居している必要はない。別居していても田舎の年金暮らしの親に仕送りをしている場合などは該当することもある。この場合のポイントは、その仕送りがないと生活できないという状況かどうかだ。もし生活できないのであれば、該当すると考えていい。逆に、お小遣いとして仕送りしている場合などは該当しない。
そして年間の合計所得金額が38万円以下とは、収入から各種控除を引いた額が38万円以下になるかということ。たとえばバイトやパート収入の場合、65万円の給与所得控除が適用できるため、年間給与収入が103万円以下なら「103万円-65万円」で38万円以下となり扶養控除を受けられる。同様に、年金生活者の場合は、公的年金だけの場合65歳未満なら70万円の控除があるので108万円以下、65歳以上では120万円の控除が受けられるため158万円以下となっている。フリーターの息子や失業中の父(失業手当は非課税)なども該当する場合がある。
扶養控除に該当するかどうかは、原則年末時点で判定する。つまり年内中に結婚したり子供が生まれれば、税金が戻るチャンスであるわけだ。逆に、離婚は税金の観点からは、年明けがお勧めということになる。