共働き夫婦で子どもが2人いる場合、何も考えずに子供を両方とも夫の扶養控除にしている場合がある。しかし、子供を親のどちらの扶養に入れるかは、自由に決められる。さらには、去年と今年が違っても構わない。
たとえば、景気低迷の影響で夫の給料が下がり、今年に関しては妻の給料と夫の給料が均衡する場合は、一般的には、子供を1人ずつ扶養に入れるほうが家族全体では節税となる。これは所得税が超過累進税率になっているからで、ポイントはなるべく夫婦の所得が均等になるようにすることである。また同じような考えで、誰の扶養に入れるかは、一番所得が高い人にすると節税となる。
さらに子供の扶養控除の中でも、年齢16歳以上23歳未満(昭和58年1月2日から平成2年1月1日生まれ)であれば、通常の扶養控除38万円に25万円が上乗せされて63万円となる。この場合は扶養控除申告書の「特定扶養控除」というところに大きく〇を書き込んでおいてほしい。税率を20%と考えると、63万円×20%=12.6万円の節税となるのであるから、かなりのお得だ。
また70歳以上の老人を扶養親族にすると、控除枠が10万円プラスされる。つまり38万円+10万円=48万円となるのである。さらに同居している場合は、もう10万円がプラスされて、58万円の控除となる。この場合も扶養控除申告書の「同居老親等」や「その他」に大きく〇をつけるのを忘れないでほしい。
さらに母子家庭や父子家庭向けの控除もある。これはよく忘れられている控除の1つと言える。
母子家庭を例にすると、夫と離婚してから結婚をしていない又は死別した元妻で、扶養親族がいる場合には、27万円の寡婦控除が受けられる。また扶養親族がいない場合でも、夫と死別してから結婚していない元妻は、合計所得金額500万円以下の場合でも控除が受けられる。
さらには上記の条件でさらに扶養親族である子がいれば、27万円に8万円上乗せされて35万円の控除となり、特定の寡婦控除となる。これを税金の還付額に直すと、税率を20%と仮定すると35万円×20%=7万円となる。
扶養控除以外の控除としては、社会保険料控除がある。社会保険料控除とは、たとえば国民年金保険料などを支払った場合に、支払い額がそのまま控除額になるというものだ。この社会保険料控除は、本人分だけではなく生計一親族が払うべきものを本人が払った場合も、本人の側で控除が受けられる。
つまり、20歳の学生である息子の国民年金を親が支払っていれば、親の年末調整で控除が可能となる。また、子供が大学を卒業するときに過去未納だった国民年金を2年分払った場合、その2年分全額が支払った年において控除可能となるのである。
さらに注意点としては、今年からこの国民年金保険料の控除については、手続き面で改正が入っている。今までは、保険料控除申告書の一番下に支払った国民年金保険料の金額を記入するだけでよかったが、今年からは年末までに送られてくる「国民年金保険料の控除証明書」を添付しなければならない。これは年金未納に端を発した、不正税金還付などの問題があって改正されたものだ。特にほかの扶養親族分を払った場合は、この添付書類を忘れがちなので注意したい。
年末調整はサラリーマンが唯一(といっていい)税金を取り戻せるチャンスだ。年末調整時に配布される「扶養控除申告書」や「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」という書類を「税金を戻してもらうためにアピールする書類」と考えて、積極的に自身が該当する控除項目をくまなく書こうではないか。