次に「社会保険料負担の軽減」である。これは会社が人を雇用すると、社会保険料負担というのが発生して、従業員と会社で原則折半することになっている。社会保険料とは、将来の年金のための厚生年金保険料や、けがや病気をしたときの健康保険料などがある。しかし外注費という形態であれば、会社は一切負担する必要がない。これは会社にとって見れば、結構大きな負担軽減になるのではないだろうか。ただ、場合によっては社会保険料負担を考慮して外注費が取り決められる場合もあるため、必ずしも費用負担において得になるとは言えない。
給料を外注費化することのメリットの最後として、「消費税の節税」がある。実はこれがもっとも大きなメリットではないだろうか。
具体的に見てみよう。会社が支払う消費税は、原則として売り上げ時に「預かった消費税」から、費用支払い時に「支払った消費税」の差額を納めるという形態になっている。ということは、会社としては「支払った消費税」を増やせばその会社が納める消費税を減らすことができる。給料にはその支払い金額の中に消費税は含まれていないが、外注費の場合はその支払い金額の中に消費税が含まれていることになっている。ということは、外注費として処理すると、会社にとって「支払った消費税」が増えて、その分節税になるというわけだ。
たとえば、年間給料として支払っていた1000万円の人件費を、今年から外注費に変更したとする。そうすると、1000万円×5/105=約47万円が、消費税計算上「支払った消費税」に計上されるのである。つまり、給料を外注費に変更すると、この場合約47万円の消費税の節税が実現することになる。
逆に外注費ではなく、給料として支給することのメリットを考えてみると、実はそんなにない。一番現実的なメリットは、会社と従業員が雇用関係を結んでいることによる、会社への帰属意識ではないかと思う。どうしても外注となると、その与えられた仕事に対しては責任感をもってくれていても、逆にそれ以外のことやその仕事に付随することには関心が無いことが多い。特にお客さんと直に接する部分に関しては、会社への忠誠心や帰属意識の高いであろう社員を起用する会社が多いのも現実である。
あえてもう1つ給料として支給することのメリットをあげれば、コストが安くて済む場合があることではないだろうか。得てして外注費は、社内で業務を行なった場合よりも高くつくことが多い。
こうして見ると、特に消費税の観点からは、給料として支払うよりも外注費の方がいいということになる。しかし、外注費に対しては、税務署は非常に厳しい見方をすると考えておいたほうがいい。特に、オフィス内に労働環境を用意してそこで働いてもらう「社内外注費」などは、否認される場合が多い。
そこで、まず給料とは何なのかを考えてみたい。給料とは、給料、賃金、賞与などの名目に関わらず、『「雇用契約」またはこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令を服して提供した労務の提供の対価として使用者から支給されるものをいう』と解されている。つまり、雇用者からの指揮命令系統に属する「雇用契約」である場合は、外注費にはできないということである。
逆に外注費とは、雇用契約ではなく「業務委託契約書」や「外注契約書」などが結ばれており、発注者との間に「指揮命令系統がない」ことが大前提となる。しかしそれだけでは、外注費と認められるには不十分である。ほかにも、場所や時間が拘束されないといった仕事環境や、他社の仕事も請け負っている、材料を自分で手当てしているなども外注費として認められる大事な要素になる。
そして最終的には、形式上・実質上を総合的に勘案し、独立して仕事を請け負っていると判断されれば、外注費として認められることになる。この判断はなかなか難しいものとなるので、税理士の方などとよく相談されることをお勧めする。最後に、消費税の節税を狙った「給料の外注費化」は、裁判でその多くが敗訴していることを付け加えておく。
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