ここまで紹介した制度を、実際に数値をあてはめて考察してみよう。ある中小企業A社が以下のように教育訓練費を支出したとする。
(教育訓練費の推移)
(1)原則
基準額
(200万円+400万円)÷2=300万円
控除額
(500万円―300万円)×25%=50万円
(2)中小企業等の特例
税額控除率
(200万円÷300万円)×1/2=33%→20%(20%が上限のため)
控除額
500万円×20%=100万円
上記計算から、このケースの場合は原則より特例の方が有利となるので、減税効果としては100万円となる。さらにA社は中小企業であるため、法人住民税の減税もある。100万円×17%=17万円(概算)が別途税額控除されることになる。ということは、このA社の場合、結局100万円+17万円=117万円の減税になる。
さらには、教育訓練費として支払った当期分500万円は費用となるので、実効税率を40%とすると、500万円×40%=200万円は実質的にキャッシュアウトしていないことになる。
まとめると、A社が当期500万円の教育訓練費を支払って、117万円の直接的な減税があり、さらにその教育訓練費が費用となることから200万円のキャッシュアウトしないお金が生まれる。ということは、実質的にA社が負担する教育訓練費は、500万円-117万円-200万円=183万円ということだ。企業が負担すべき教育訓練費が「500万円から183万円に変わる」ということなので、その節税効果は非常に高い。「人材」を「人財」に変えるために企業が投資を行なうことを、税制も後押ししていると言える。
ただし、この制度の適用を受けるためには、控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その計算に関する明細書を添付して申告する必要があるので覚えておいてほしい。参考までに計算に関する明細書(教育訓練費集計シート)のサンプルを以下に掲載するので活用してほしい。
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