このIT投資促進税制は、節税効果が高いこともあって、あまりに少額のIT投資は対象とならない。金額基準を、購入の場合とリースの場合に分けてみていく。
●購入の場合
(1)ソフトウェア以外
合計取得価額が140万円以上(資本金3億円超の法人は600万円以上)
(2)ソフトウェア
合計取得価額が70万円以上(資本金3億円超の法人は600万円以上)
●リースの場合
⇒資本金3億円超の場合は適用対象外
(1)ソフトウェア以外
リース費用の総額の合計額が200万円以上
(2)ソフトウェア
リース費用の総額の合計額が100万円以上
※ただし、リース期間が4年以上でかつ法定耐用年数を超えないこと
それではIT投資促進税制の対象となる法人で、IT投資を行なった場合に、どういった計算で節税を図れるのかを考えてみたい。
具体的には、次の2つの計算方法のうちどちらか有利なほうを選択することになる。
(1)特別償却
特別償却限度額:取得価額の50%相当額
これは減価償却費という経費を多額に計上することにより、当期において節税することができる。ただし翌期以降の減価償却費が減るので、注意が必要である。
(2)税額控除
税額控除限度額:当期の法人税額の20%相当額
※リースの場合は税額控除しか選べない。
冒頭のパソコン30万円を5台購入した場合の例で考えると、以下のとおりになる。
(1)特別償却
30万円×5台×50%=75万円
(このほかに普通償却も可能だが償却限度額は、取得価額×5%=7万5000円までである)
このように、75万円が特別に費用化できる。法人税の実効税率を40%とすると、75万円×40%=30万円の節税ということになる。
(2)税額控除
30万円×5台×10%=15万円
(これが節税額となるが、この他に普通償却も可能)
一見すると特別償却のほうが有利(30万円>15万円)と考えられるが、実は複数年で見ると税額控除のほうが有利となっている。それは特別償却というのが、いずれ費用となる減価償却費を前倒しで費用計上しているだけで、通算すると税金の支払総額はIT投資促進税制を使わなくても変わらないからだ。逆に税額控除は、支払う税金そのものを削減できる。どちらを選択するかは個々の会社の事情によって異なるであろうから、それぞれの会社で判断してほしい。
最後になったが、このIT投資促進税制は期限付きであることを覚えておきたい。この税制は、IT投資を促進するために時限立法により構成されている。そのため、平成15年1月1日から平成18年3月31日までに取得し、事業の用に供したもの(事業のために利用した)について適用されることになっている。法律が改正されない限り来年3月末には期限切れとなってしまうのだ。また導入するだけではなく、期限までに利用している必要があることにもついても注意しておきたい。