普段会社のIT担当者が、税金のことを知る機会は少ないのではないだろうか。しかし新しいシステムやソフトウェアを導入したいと思ったときに、その投資には税制上の恩典があると上司に伝えることができれば、よりスムーズに稟議書にはんこを押してもらえるかもしれない。そんな税金の得する話の中で、今回は設備投資に関わる「減価償却」について説明する。
税制では、収入を得るために掛かった費用は経費となり、課税の対象から省かれる。つまり税金を安くすることができるわけだ。費用としては、外注費や仕入代金、水道光熱費、交際費などさまざまなものがあり、その費用が発生した年度において原則的に全額経費にすることが可能だ。
ただし、機械や自動車、備品、ソフトウェアなど、購入年度だけでなく長期に渡って使用するものに関しては、そのモノが使える期間(使用可能年数)に応じて購入代金を費用として計上する。これが減価償却である。つまり、購入代金がすべてその支払った年の経費にならないわけだ。
この減価償却の方法は、「定額法」と「定率法」の2種類がある。両者で違っているのは、その年度において費用として計上できる額を算出するための計算式だ。
まず定額法は、毎年同じ額を減価償却費として計上する。つまり、1年目も2年目もそれ以降も、費用になる額は変わらないわけだ。
お勧めしたいのは、もう1つの定率法である。こちらは初年度に多くの額を費用化することができ、年を経るごとに費用化する額が小さくなるという計算式になっている。なぜかというと、実際の資産を購入したときの効果をその根拠としている。たとえば機械を導入したときに、購入当初は快調に問題なく作動していても、年数が経つにつれて故障などが起こり、その効果は薄れていくだろう。定率法では、そういった実状に合わせていると言える。
法人組織の場合は原則「定率法」なので問題ないが、個人事業の場合は、減価償却については原則「定額法」となっている。節税となる定率法を採用しようと思ったなら、税務署に届出を提出しないといけないので覚えておいてほしい。ちなみに、従来定額法で計算していて定率法へ変更する場合には、その年の3月15日が届出の提出期限になる。従って、今すぐに変更の届出を税務署に提出しても、その適用は来年からということになる。