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連載コラム

コラム

知らないでは許されない
ITILでシステムの効率化を目指そう

2005年9月5日  協力●東芝ソリューション

第9回
「運用管理のコストを把握する」~ITサービス財務管理~(1/3)



 大手運輸業A社のITインフラ運用を請け負うB社の運用マネージャMさんは、今年も契約更改の時期がやってきて憂鬱な日々が続いている。毎年増える機器、頻繁に出るOSのパッチ、と作業はますます大変になる一方で、A社からのコストダウン要求が厳しくなっているのだ。
 B社としては何とか費用アップをお願いしたいのだが、A社と交渉すると必ず「では運用の品質が上がるのですね」、「B社では実際どれくらい運用の作業が発生しているのですか」と聞かれて答えに窮してしまう。実際のところ誰がどんな作業をしたかまで細かく把握していないのだ。「今の費用で十分足りているでしょう」といわれても、実際のところはどうなっているかよくわからない。費用や財務の話は運用管理と無関係と思っていたのだが……。どうすればよいのだろう。

 財務管理というとIT部門は関係ないものと思われがちです。ITサービス管理としての財務管理といっても、ピンと来ない方も多いかと思います。しかし、IT部門も企業の一組織である以上、必ず財務管理は行なっています。安定したITサービスを提供するためには機器やソフトウェアを管理するのと同様に、お金も管理する必要があるのです。

 今回はITサービスを提供するための予算や実績を管理する、ITサービス財務管理について見ていきましょう。

ステップ1 財務のプランニングを行なう

 IT財務管理を行なう上では、最初に財務管理のポリシーを決めておくことが重要です。財務ポリシーには、以下のような項目があります。

  1. コストを把握し、顧客に正確な課金を行なうための「財務目標」
  2. IT部門の財務状況を分析し、IT投資の意思決定の基礎データを提供する「原価モデル(後述)」
  3. サービスが有償か無償かといった「課金ポリシー」

 企業によりIT部門の運営形態は異なりますので、部門の実態に沿って、これらのポリシーを策定する必要があります。

 事例では、B社はA社のITインフラ運用を主な業務にしており、費用も大半はA社が負担しているようです。そのため「利益を追求し、業界No.1の低価格を目指す」というような財務目標を設定する必要はありません。むしろ「コストを明確にし、顧客のIT投資に対し指針を与える」ことが目標になります。その上で、月次や年次でのコスト分析・報告を行なっていく仕組みを作っていくことが、A社の顧客満足度向上につながるでしょう。

「ステップ2 実績を把握する」へ続く

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