サービスごとのコストがわかったら、コストの分析が可能になります。精度の高い基礎データを提供することで、顧客側も予算措置が組みやすくなるでしょう。また、顧客別のコストを比較することで、コストを増加させているユーザーを特定できます。想定していたようなバランスになっていない場合には、原価モデルの見直しを行なう必要もあるでしょう。
また、新規システムやサービスの導入後は、一時的に運用コストが増加することがあります。しかし、その後の推移を見ることで、システムやサービスの安定性や、品質を評価することができます。
なお、IT部門がコストセンター(費用発生のみの部門)となっている場合でも、課金ポリシーを検討した方がよい場合もあります。課金には単にコストを回収するというだけでなく、ユーザーにコストを認知させ、振る舞いを変えるという効果があります。たとえばインターネットへの接続料を全社で一括して負担し、部門ごとへの徴収を行なわない場合、各部門では「使い放題」になっています。この場合、コストを各部門に明示すれば、無用なインターネットアクセスを控えるようになることが期待できます。
ただしこの時気をつけなければいけないのは課金方法です。たとえば、全社でヘルプデスクを一本化し、問い合わせを1回いくらという変動課金にした場合、ユーザー側ではなるべくヘルプデスクを使わずに自分で解決しようとするかもしれません。この場合、確かに部門の負担は減ったように見えますが、実はそれは各ユーザーの「隠れたコスト(Hidden Cost)」に転嫁されただけであり、会社全体では、ヘルプデスクですべて受けた場合よりもコストは増大しているかもしれません。この場合には固定課金とすることで、ユーザーはヘルプデスクを使うようになり、その結果として全体のコスト削減につながります。
今回のITサービス財務管理についてまとめてみると、以下のようになります。
変動費の算出の際には、使用バイト数や、処理トランザクション数等の実績値が必要になりますので、それらを採取するためのシステム管理ツールや性能管理ツールとの連携も忘れずに検討して下さい。
協力:ネットワークマガジン
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