次にポリシーに基づき、実際に財務管理を行なっていきます。財務管理を構成する主要なプロセスには、(1)予算管理、(2)会計、(3)課金の3つがあり、これらを一連のサイクルとして財務管理を行ないます。
まず、IT部門で発生するコストの費目(原価費目)を洗い出しましょう。代表的な原価費目には、ハードウェア費、ソフトウェア費、人件費、業務委託費、施設費などがあります。財務管理の一連のサイクルではすべてこの費目単位で行ないます。
ただし、この費目からは、何に対してコストが発生したかは把握できますが、それがどのサービスで使われたかはわかりません。そこで必要になるのが、原価モデルです。原価モデルとは、原価費ごとに、コストを分類したものです。
この分類にはいくつかの観点があり、直接か間接か、資産か運用か、あるいは固定か変動かなどの観点です(表1)。さらに間接費は、配賦間接費(顧客ごとに割り当てられるもの)と未配賦間接費(顧客に割り当てられないもの)に分かれます。また、間接費の顧客ごとの配分や、変動費の算出には、コストの発生する単位(原価単位)も定義する必要があります。
表1●原価の項目と例
| 項目 | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 直接費 | 特定の顧客に起因するもの | 部門サーバのリース料 |
| 間接費 | 複数の顧客に共通するもの | サーバルームの電気代 |
| 資産 | 1度だけ発生する設備コスト | 機器、ソフトウェア |
| 運用 | 日々発生するコスト | 人件費、光熱費、保守費 |
| 固定費 | 利用量等によらず一定のもの | サーバルームの家賃 |
| 変動費 | 利用状況により変動するもの | 運用スタッフの残業費 |
たとえばファイルサーバ用に大容量ディスクをリースして複数のユーザーで共用する場合、リース費用は特定のユーザーには割り当てられませんが、使用ユーザー間で配分可能なので間接費(配賦間接費)になります。原価単位としては、ファイル数や、使用バイト数が考えられます。
こうした原価モデルを使うことで、最終的には顧客単位にコストを配分することが可能になります(図1)。
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| 図1●原価モデルの例(画像クリックで拡大) |
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