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連載コラム

コラム

あなたの会社がみるみる変わる
ブランディングで変える企業の力

2005年12月27日  文●藤森元之

第4回
会社案内のポイント



 会社案内をどのように構成するか 

 企業メッセージを発信する際、重要なツールは会社案内だ。これがブランディングの基本型になる。では、会社案内の制作にあたって、どのような配慮をすればいいのだろうか。

 伝えようとする企業メッセージは「尊敬される会社」、「強い会社」、「いい会社」の具体的な姿だと前回述べた。この3つの目標の実現に向かって、企業活動の実態をどのように表現し、ステークホルダーに発信するか。それによって「会社案内」制作の方向性と構成が決まる。

 「尊敬される会社」の項でまず掲げたいのは、企業の設立目的や経営理念、行動倫理、顧客や社会との関係づくりなど、経営全般の意志表明をしたい。「強い会社」の項では、商品や販売手法など事業分野でどのような仕組みと特長を持っているかを、「いい会社」の項では、社員をどのように処遇しているか、いかに生き生きと仕事をしているか、どんな企業文化を育んでいるか、これらをきちんと書いていく。

 商品ではなく、売り方をアピールする 

 具体例を挙げると、私が制作指導したT社の会社案内はそれまで、グループ会社10数社の1社ごとの事業概要がA4判1枚にまとめられたものと、代表者のご挨拶の1枚を、用途に応じて組み合わせて使っていた。

 改訂した新しい会社案内の構成は、最初に経営のビジョン、次にそれを実現する姿勢とその方針、商品の開発と市場展開の強み、サービス展開の優位性、顧客との関係のあり方、運営の組織、管理体制、最後に企業概要とした。これらの項目で、企業活動のナマの姿を表現しようとしたのだ。

 事業概要から会社案内への脱皮 

 会社案内はどんなときに利用されるか、その場面からも考えてみよう。

 会社を立ち上げて事業活動が進むと金融機関との付き合いが始まる。その際には企業概要が求められる。主な商品と売上高、売上構成、事業報告書、主な取引先、株主構成などだ。それらの情報をまとめ、企業概要として提出する。収益や規模が拡大しても、それは変わらないことが多い。じつは、この企業概要が、ほとんどの会社の会社案内の基本型となっているのだ。

 こうして生まれた会社案内は「こんなに優れた商品を持っています」、「安定した取引先と良好な関係があります」、「資金を融資しても安全な会社です」といった特長をアピールするツールでしかない。このような会社案内は金融機関向けの提出種類という性格が強くなるため、内容も画一的になりやすい。

 自社の強みを再構築する 

 そういった会社でも、調べていくと、立派な理念や顧客との関係づくり、仕事の進め方、社会との関係の構築にユニークな施策を持っていることが明らかになるが、意外にもその活動の実態をアピールしている記述は少ないか、まったくないことが多い。

 ブランディングのターゲットはステークホルダーだった。金融機関はその1つにすぎないのに、金融機関向けに作った会社案内をすべてのステークホルダーに使っても、企業メッセージは伝わらない。1ページ目の社長ご挨拶で「変化の時代に○○社は△△にチャレンジします」といった意気込みだけで内容のない文言が並ぶものが多いが、それではステークホルダーに企業メッセージを伝えることはできないのだ。

図1 会社案内はステークホルダーすべてに向けて制作すべきツール
図1 会社案内はステークホルダーすべてに向けて制作すべきツール
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