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連載コラム

コラム

あなたの会社がみるみる変わる
ブランディングで変える企業の力

2005年12月19日  文●藤森元之

第3回
企業メッセージの3つの「核」



 企業哲学に向けられる視線が厳しくなった 

 ブランド戦略を展開する上で考えるべき座標軸は3つある。

 1つは、企業が社会の構成員として果たすべき責務。コンプライアンス(法令の遵守)は言うまでもなく、持続可能な発展の基盤となる地球環境問題への配慮と対応、社会意識の変化と個人の価値観の変化に対応したCSR(企業の社会的責任)経営を導入していることなどが挙げられる。これらは「尊敬される会社」へのハードルで、環境経営年次報告書、CSR経営報告書を刊行している会社が増えてきたことからも、この評価軸の重要性が わかるだろう。

 2つ目は、長期的な発展を支える財務指標と経営コンセプトを明らかにして、株価の維持向上と安定株主の獲得をねらうIRを充実させること。一般的には事業報告書などだ。これは「強い会社」へのハードルといえる。

 3つ目は、やりたい仕事をさせてくれ、働きがいのある職場を提供する企業風土を育むことだ。企業文化のアピールや、従業員満足の変化などの年次報告を実施している会社はまだない。これは、「いい会社」へのハードルといっていいだろう。

 ストーリーがなければ企業メッセージは伝わらない 

 企業化のビジョンや経営のミッションなどの企業アイデンティティが確立したら、次のステップはメッセージ化だ。ブランディングは中長期的な作業になるから、ステークホルダーに対して発信するメッセージにもストーリーが必要となる。

 企業メッセージは、時代のニーズに密接に反応しながら変化してきた。

 たとえば事業の基本は長い間、いい商品の製造、顧客指向の売り方、きめこまかなサービスだった。しかし、この3つだけではメッセージにならないし、共感が得られるストーリーも作れない。

 80年まではいいモノを造れば売れ、市場をリードできた。川上発想だ。80年代初めは製品開発に際して「顧客ニーズ」「差別化」という川下発想が流行した。80年代後半からは顧客サービス面重視の考え方が広がって「お客様相談室」がブームになった。90年代を席巻した「ソリューションビジネス=お客様の問題解決」も販売面の企業メッセージと捉えることができる。2000年以降は、「社会との調和」と「経営品質の向上」「顧客とともに歩む」が大きなテーマとなってきた。

 つまり企業のモノづくりと市場活動の環境そのものが大きく変わり、顧客の生活意識と調和する企業メッセージが求められるようになったのだ。

 言い換えれば、企業メッセージとは、企業活動の報告や行動原理を具体的な事実に基づいて知らせることによって、企業の行動倫理や考え方に共感してもらうためのメッセージなのだ。だから,理解されやすいようにストーリーを明快にし、メッセンジャーを決めていく。

 このメッセージをメディアに乗せて行くのが次の作業となる。この場合のメディアとは、商品、サービス、広告、さらに社長を始めとする経営陣や社員も含まれる。メディアの特性に合わせたさまざまなツールが考案された。

図1 3つのアイデンティティとターゲット
図1 3つのアイデンティティとターゲット
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