ブランディングに対する関心が急速に高まっている。21世紀型の新しい企業戦略を考える時、欠かせない要素だとだれもが考えているからだ。
ブランドとは、トヨタ自動車、キヤノンなどの企業名や、ディズニーランド、ユニクロなどのサービス名、コカ・コーラ、宅急便などの商品名のことで、この「ブランド力をいかに高めるか=ブランディング」に関心が集まっている。
ブランド力とはブランドの価値のことで、簡単にいえば、ブランドへの評価、信頼感を指す。ブランド力が高まれば市場競争力が増し、より優位な事業活動が展開できるからだ。そこで、どの企業もブランド力を強化しようと懸命になっている。
それでは、ブランドの評価はどのように形成されるのだろうか。また、最近使われることの多くなった「企業価値」の尺度とどう違うのだろうか。
企業価値とは、もっとも重視されてきた財務指標に加えて、技術開発力やニーズの把握力をベースとした商品開発力、サービス提供力などの要素から成り立っている。従来は利益や規模などの経済的な指標を中心に、主に量的な側面から企業価値が評価されてきた。ところが「顧客満足度」が重視されるようになった。
企業の価値は従来の量的な指標に加え、経営品質の指標で測られるようになってきたのだ。顧客対応の姿勢、コンプライアンス、企業の社会的責任の達成度、環境問題への対応度、リスク対応力、従業員満足度などが評価対象の項目に加わってきた。
ここ数年の間に、いくつかの大企業、有名企業、老舗企業のブランドイメージが一気に低下し、中には存続さえ危ぶまれる企業が続出しているのは、これらの経営の品質向上への流れを読めずに企業変革を怠った結果といってもよい。
ビジネス社会で厳密に算出される金融面での企業価値の評価に対して、ブランド価値とは、もっと漠然とした直感的な社会的評価に基づく価値だ。その意味で、ブランド価値の指標は、企業の人格、品性ともいうべき要素が加わっってきた最近の企業価値評価と近づいている。
では、変革を迫られているのは大企業、有名企業だけだろうか。中小企業にも無名の企業にも、自社に有利なビジネス環境を創造し、市場競争力を高めていく上で、ブランドの構築は欠かせない。しかし、企業のブランドに対する意識を向上させるだけでは、ブランドは強くならない。ブランドイメージを向上させるためには、次の3つが必要となる。
ブランドの構築は、まず「創業の目的」に向かって「技術、ノウハウ、売り方などの経営資源」を活用し、「どのような」ビジネスを展開し、ビジネスを通じてどのように「社会と関わり」を持っていくのかとう具体的なイメージを構築する。これが(1)だ。
次に、その目標を実現させる道筋をシナリオ化する(2)。
シナリオどおりに業務を遂行するための投資計画が(3)だ。
ブランディングはここから始まる。
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| 図1 企業価値の評価項目の変化 |