当初、アスキー側からのカスタマイズ要求は数十項目に及ぶものだった。しかしサービススタートを最優先にして、開発期間のかかる独自カスタマイズは後回しにすることにした。
「まずは、最低限必要なカスタマイズだけに絞り込み、開発項目を3分の1程度まで減らしました。ecbeingならば、後からいくらでもプログラムを変更できますから、カスタマイズ作業をいくつかのフェーズに分けて機能を追加できます」
ヒアリングの段階では、アスキーと委託先業者が連携して在庫管理を行なうことをecbeing上で実現する機能なども予定されていたが、最終的には管理画面のインターフェイス改良などにとどめた。プログラム開発もソフトクリエイト社内のプログラマが2名であたり、約1週間で仕上げた。さらにecbeingの基本機能の応用により要求を満たし、カスタマイズ箇所を減らすという“秘策”も飛び出した。
「アスキー365では、トップページに『特派員レポート』『特集』といったコンテンツのヘッドライン記事が並ぶレイアウトになっています。本来ですとこういう場合、専用のプログラムを組むことになるのですが……実はこれ、『おすすめ商品』などを紹介するカテゴリ機能を応用したものです」。
アスキー側の担当者が思いついたアイデアだったが、システムの自由度が高いecbeingならではの裏ワザといってもいいかもしれない。
「多少心配もあったのですが、実際にプログラムを動かしてみると、カテゴリ機能を応用しているとは思えないほどの仕上がりでした。おかげで余分なコストをかけずにコンテンツの導入ができました」と語るのはアスキー365のシステム導入を担当した上野雅司さん(コマース事業部)。
本来なら、サイトが完成してからじっくり1カ月はかける運用テストにあまり時間を割くことがでなかったため、オープン直前までテストやプログラムの修正などに追われたが、斉藤さんと上野さんの強力タッグでなんとか乗り切ることができた。
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| 株式会社ソフトクリエイト プロダクト開発 第1グループ 課長代理 斉藤 淳さん |
ecbeingは、ECサイト構築の豊富な実績を集約しているだけに、「大幅なカスタマイズ作業さえなければ、2カ月程度でのオープンは充分に可能」なのだという。
「アスキーをはじめecbeingを選択されるクライアントの多くは、ショッピングモールなど既存のASPサービスに不満を持っている方々です。そのため、どうしても『こういう機能を実現できないか』というご相談が多いのです。もちろん、カスタマイズの要望には柔軟に対応させていただきますが、特別な機能が必要でなければ、そのままでも充分に使えるツールです(斉藤さん)」
カード決済や携帯サイトとの連携といった仕組みがあらかじめオプション化されており、新規にプログラムを開発することなく簡単に追加できるのも特徴だ。アスキー365の例はあくまでレアケースといえるが、限られた時間でECサイトを立ち上げる必要がある場合、これほど心強いツールはないだろう。
またecbeingの活用例は、B2Cの物販サイトだけにとどまらない。斉藤さんによると、B2Bサイトや商品カタログサイトにecbeingを利用するケースも多いと言う。
「社内販売(職域販売)など、特定のユーザーだけを販売対象にする機能も組み込まれています。また、カタログサイトの場合、アイテム数が多かったり、商品の入れ替えが多いと更新作業だけでも手間がかかってしまいます。ecbeingならば商品の登録やページデザインを一連の作業で簡単に行なえますから、とても効率的です」
つまり、ecbeingは、ECサイト構築だけはなく、サイトのコンテンツを管理するCMS(コンテンツマネジメントシステム)としても活用できるのだ。次回のレポートでは、商品カタログサイトなど、ほかの導入例も踏まえ、ecbeingのポテンシャルの高さを探っていくことにしよう。
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| 株式会社アスキー コマース事業部 次長 上野 雅司さん |
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