アスキービジネス

ホーム > アスキービジネス > ケーススタディ

ケーススタディ

計測データ処理システム/製造
ニッパツ

計測データ処理システム「Mr.Manmos」によって品質管理を大幅に効率化し、生産性の向上を実現

keypoint ・各種データをロットに関連付けて一元管理
・データの比較検討が容易になり、問題点の特定が迅速に
・「d-Web2000」により取引先へのWebによるデータ公開を実現

バラバラに存在するデータを一元管理

 ニッパツ(日本発条)は「ばね技術」を核に、懸架ばねやシートをはじめとする自動車関連製品、HDD用部品などの情報関連製品、機械式立体駐車装置などの産業・生活向け製品というように幅広い分野の製品へキーパーツを「品質優先のものづくり」によって提供している。

 ニッパツ駒ヶ根工場は2002年、品質管理の効率化を目的にアサカ理研工業のデータ処理システム「Mr.Manmos」を導入。翌年には取引先へのデータ提供のために、計測データ情報公開支援システム「d-Web2000」を導入した。

 駒ヶ根工場はHDDの記録・読み取り用磁気ヘッドを支持するサスペンションを製造している。HDDは高速で回転するディスクの上を、アーム先端に付けられたヘッドが浮上して読み書きを行なう。アームが正しく動作するためには、先端部の荷重と姿勢が正確にコントロールされていなければならない。この荷重と姿勢を制御するのがサスペンションなのだが、最近ではHDDの大容量化に伴い記録密度が上がっているため、以前よりもさらに高い精度が求められるようになってきた。

 従来、サスペンション製造のための各工程データは生産機械や測定器などにバラバラに存在し、一元管理することができなかった。あるデータはシステム上にある一方で、別のデータは紙に記載されて保管されているという状態で、効率的に比較検討し関連性を見つけることが難しかった。

 「トラブル時に個々のデータを揃えて照合し、因果関係を把握し、問題点を特定するのは大変な作業でした。何人ものスタッフを動員しても数日かかることがありました」とニッパツDDS事業本部駒ヶ根工場製造課主査の夏目勝弘氏はこのように語る。

写真1●ニッパツDDS事業本部 駒ヶ根工場製造課主査 夏目勝弘氏

 システム化することで、ロットに関連付けられた状態で各種データ、工程履歴、材料ロットなどを一元管理できれば、こうした分析作業を効率化し、改善のための作業により多くの時間を割り当てられるようになる。

柔軟性、コストなどが導入の決め手に

 2001年4月より、計測データ処理システムの導入が検討され始めた。HDD用サスペンション製造の競合他社がこうしたシステムを導入していることも後押しとなり、9月にアサカ理研工業の「Mr.Manmos」の導入が承認された。「Mr.Manmos」は計測器や生産機械からデータをパソコンにダイレクトに入力。そのデータから検査報告書や各種統計・解析グラフを自動生成するシステムだ。

 導入の決め手となったのは、以前から出荷検査に使われており導入実績があったこと、操作に習熟したスタッフがいたこと、多様なカスタマイズに対応する柔軟性があること、コスト面で有利なことだった。

 システムの導入作業は2001年12月より開始された。システムに合わせてロットナンバーの付け方や検査の方法など生産のしくみを改善したり、100台を超えるクライアントPCの接続、生産機械からのデータ取り込みのためのインターフェイスの準備など、導入にはかなりの労力を要した。生産管理システム(MES)とどのように関連付けるかについてもアサカ理研工業との入念な話し合いの中で決められていった。

 「アサカ理研工業のSEの方に直接駒ヶ根工場に来社していただいたり、メールでやり取りすることで、細部を詰めていきました。カスタマイズにも柔軟に対応してもらい、粘り強くスピーディーに作業を進めていただきました」と夏目氏は言う。

 カスタマイズは多岐に渡ったが、最大のポイントはあらかじめ設定した数値を超えるデータが検出されたときに、アラームが出て対処を促すSPC(Statistical Process Control)機能を加えたことだった。

 2004年4月に工場の一部のラインでシステムが稼動を開始。12月にはすべてのラインで稼動が開始された。

4~5時間かかっていた分析作業が15分で完了

 「Mr.Manmos」導入によって、データの分析・解析作業は大幅に効率化された。たとえば問題が生じたとき、これまでなら原因を特定するのに4~5時間かかっていたのが、わずか15分程度でできるようになった。一元的にデータを管理でき、それぞれのデータの関連性を容易に比較検討できるようになったおかげだ。改善のための会議中にリアルタイムでデータを参照できるので、改善のスピードも格段にアップした。また品質が向上することで歩留まりが高まり、生産性が向上した。

「Mr.Manmos」の測定データ収集画面例
画面1●「Mr.Manmos」の測定データ収集画面例。ヒストグラムや管理図を作成できる(画像クリックで拡大)

 取引先の要望に応え、2003年5月に計測データ情報公開支援システム「d-Web2000」を導入。「Mr.Manmos」で作成されたデータから必要なデータを抽出し、取引先にWebで公開するシステムだ。取引先のHDD製造メーカーの多くは、生産が中国やタイ、設計・開発が日本や米国でというように、拠点が世界中に散らばっていることが多い。いつでもどこでもデータをWebで閲覧できることで安心感を与えることができ、開発、設計、生産を行なう上で大きなメリットがあると取引先の評判も上々だ。

「Mr.Manmos」「d-Web2000」のシステム構成図
図1●「Mr.Manmos」「d-Web2000」のシステム構成図(画像クリックで拡大)

 今後は品質のデータとともに出荷日・到着日・数量・インボイスなどの情報を取引先に提供できるよう、システムを改善していく考えだ。
(取材日:2006年1月25日)

導入企業のプロファイル
名称ニッパツ(正式社名:日本発条株式会社)
設立1939年9月
本社所在地横浜市金沢区福浦3-10
資本金170億957万円(2005年3月末現在)
従業員数3781名(2005年3月末現在)
事業内容懸架ばね、シート、精密ばね、HDD用サスペンション、産業機器(ろう付製品、セラミック製品、配管支持装置、ポリウレタン製品、プリント配線板、駐車装置)、セキュリティ機器の製造販売
URLhttp://www.nhkspg.co.jp/
システム導入に関するお問い合わせ先
アサカ理研工業株式会社 システム事業部
電話番号024-944-4770
E-Mailmrinfo@asaka.co.jp
URLhttp://www.asaka.co.jp/mr-hp/
戻る
アスキービジネスのおすすめ
登録は無料!今すぐ登録する方はこちらから 利用者登録がお済みの方はこちらからログインできます
最新ニュース

| ASCII.jp | デジもの | Mac/iPod | 自作PC | 科学技術 | ゲーム・ホビー | 話題 | 情報システム | ビジネス |

| 価格比較 | Microsoft | キャリア | SaaS・ASP | VPN | SHARP | Panaspot | 富士通 | 住まい情報局 |

| EPSON DIRECT | Wireless Gate | アキバ | ムービーフラッシュ | SpeedGun | デジタル用語辞典 | Blogmag | アスキー365 |

サイトポリシー | プライバシーポリシー | 運営会社 | お問い合わせ