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ケーススタディ

Q&A情報活性化ツール/教育・出版・福祉
株式会社ベネッセコーポレーション

「OKWave ASK-OK」を用いて、進研ゼミの会員がOB/OGの大学生に質問できるコミュニティを会員サイト内に構築

keypoint ・回答が得られるまでの時間を大幅に短縮し、情報の共有も可能に
・コミュニケーションが活発化して顧客満足が向上
・蓄積したQ&A情報を進研ゼミ本体の教材開発に活用

 ベネッセコーポレーションは、教育・語学・生活・福祉の4つの事業領域で常に新しいサービスを提供している。同社は通信教育講座「進研ゼミ高校講座」の会員サイト内で、会員の高校生から寄せられた質問に対して現役大学生のサポーターが答えるQ&Aコミュニティを構築し、教材の効率的な活用と顧客満足の向上に務めている。

紙ベースの質問レターに代わるデジタルコンテンツを模索

 進研ゼミは、同社の前身である福武書店が1969年に始めた通信教育講座で、現在も小学校、中学校、高校の各コースでサービスを展開している。高校生講座では、会員向けのサポートとして、「ゼミレポーター質問サービス」を古くから実施してきた。会員が勉強方法や進路選択で悩んだ時、進学したい大学に在籍するOB/OG(ゼミレポーター)に直接質問ができるサービスで、所定の用紙に質問を書いて郵送やファクスで送ると、ゼミレポーターがアドバイスを返信してくれるのだ。

 ところが、ここ数年間は寄せられる質問レターの数が減り、利用率の低下傾向が顕著になってきた。同社高校教育カンパニー高校講座事業部の矢島一朗氏は、「メディアの発達で情報入手が簡単になったほか、メールが普及した結果、レターを書いて郵便やファクスで送る機会が減ったことが要因と考えられます」と分析する。また、会員から送られてきた質問レターを進研ゼミが取りまとめてゼミレポーターに渡しているため、質問をしてから回答を受け取るまでに時間がかかる。進研ゼミにとっても、手間と通信コストがかさむ問題を抱えており、利用率の向上とコスト削減を目指して質問レターのデジタル化に取り組むことになった。

写真1●ベネッセコーポレーション
高校教育カンパニー 高校講座事業部
デジタルコミュニケーションセクション
矢島一朗氏

 質問レターをメールで代用する案も検討されたが、「質問者と回答者が1対1でやり取りするメールではメリットが薄い」(矢島氏)と考え、会員全員で共有できるQ&Aコミュニティの活用に行き着いた。また、今までの質問レターは、行きたい大学・学部・学科を指定して相談内容を送る必要があるため、志望校が決まっていない人には利用しづらかった。「過去の質問レターを見ると、“××の勉強方法を教えて欲しい”“進路選択で迷っている”など、どの大学でも共通する悩みが多くありました。そこで、志望校に関係なくオープンに質問できるコミュニティを検討しました」と矢島氏は話す。また紙ベースの質問レターは、過去の質問が検索できず、教材開発やサービスの向上に役立てることが難しかった点もデジタル化の後押しとなった。

会話中心の会議室からQ&Aコミュニティを独立して構築

 進研ゼミ高校講座では、2001年に会員向けの支援サイト「Benesse マナビジョン」(※2001~2004年度までの名称は「高校生大学」)を立ち上げ、現在も進路選択や入試に役立つ情報を提供している。その中には会員用のコミュニティとして「会議室」があり、利用者からは一定の評価を得ていたが、課題もあった。「年度始めの4月は、新1年生や新入会員が多いこともあって活発に会話が交わされますが、月が経つにつれて発言数が減り、活用度が下がっていました」と矢島氏。また、勉強方法や受験に関する質問が書き込まれても、雑談の中に埋もれたり、質問が浮いてしてしまうこともあったという。

Benesse マナビジョン
画面1●「Benesse マナビジョン(進研ゼミ高校講座会員版)」(画像クリックで拡大)

 そこで「Benesse マナビジョン」とは独立したQ&Aコミュニティの導入を検討し、オウケイウェイヴの「OKWave ASK-OK(アスク・オーケイ)」(以下ASK-OK)を使った「先輩ダイレクト」の構築を2004年秋からスタートし、2005年4月にサービスインする。OKWaveは、登録利用者50万人を超す日本最大級のQ&Aサイトとして知られており、優れたユーザビリティが同社内で高く評価されていた点が選択の決め手となった。

 導入にあたり、「Benesse マナビジョン」のIDとパスワードでログインできるようにASK-OKのユーザー認証の仕組みを変更するよう依頼した。その他は、ほぼ基本仕様のままで、ASPの採用で初期コストも低価格に抑えることができた。

質問から回答までの時間短縮と発言数の大幅アップを実現

 会員は「先輩ダイレクト」にアクセスして、志望校や気になる大学に関すること、進路選択や受験勉強、学校生活における悩みなどを書き込むと、ゼミレポーターの大学生がコメントを書いて返信してくれる。

 「回答までの時間は、最短で書き込み後数分から10分程度。1日以内に9割近くの質問に答えが寄せられます」と矢島氏が話すように、従来の質問レターと比べて、回答までにかかる時間が大幅に短縮された。また、会員全員が質問と回答を自由に見られるようになり、Q&Aの活用範囲が拡大している。質問投稿数は、過去の会議室の傾向から、サービス開始時の4月で月450件程度を見積もっていたが、実際は予想の3倍近い月1300件の投稿があったという。また、4月以降も投稿数は減らず、特に7月、8月には4月を上回る月1500件、1600件に達した。現在も、会員サイトのコンテンツ別ページビューで常に上位にランキングされる人気を保っている。

先輩ダイレクト
画面2●Q&Aコミュニティ「先輩ダイレクト」(画像クリックで拡大)

 「先輩ダイレクト」を導入して2006年3月(取材時)で1年が経った。現在は2006年度バージョンに模様替えをし、新たなQ&Aコミュニケーションがスタートしている。2005年度のQ&A情報は過去ログに収録され、自由に検索したりFAQとして利用することも可能だ。「ASK-OKにより、今まで活用できなかった過去の質問と回答が蓄積できるようになりました。今後は、Q&Aから会員の意見や質問を吸い上げながら、進研ゼミ高校講座本体の運用から、教材作り、企画の立案まで広く活用していきたいと思います」と矢島氏が話すように、進研ゼミにとって計り知れないメリットが生まれている。
(取材日:2006年3月17日)

導入企業のプロファイル
名称株式会社ベネッセコーポレーション
設立昭和30年(1955年)1月28日
本社所在地岡山県岡山市南方3-7-17
資本金136億円
売上高連結2,914億円(2005年3月期実績)
従業員数2187名(2005年4月1日現在)
事業内容教育事業(通信教育「進研ゼミ」、模擬試験「進研模試」、モバイル学習等)
語学事業
出版事業
シニア事業
海外事業
その他
URLhttp://www.benesse.co.jp/
システム導入に関するお問い合わせ先
株式会社オウケイウェイヴ
URLhttp://www.okwave.co.jp/
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