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ケーススタディ

生産スケジューラー/製造業
東洋合成工業株式会社

作業工程の進捗をリアルタイムで把握し、過去最高の好業績を達成

keypoint ・ICタグを利用して、作業員に負荷をかけずにシステム導入に成功
・パッケージのカスタマイズで、生産管理システムとスケジューラーを連動

 東洋合成工業は、感光材を生産する感光材事業、香料材料を生産する化成品事業、受入・貯蔵・輸送を請け負うロジスティック事業の3つを大きな柱とする企業だ。千葉にある感光材事業本部では、主にフォトレジスト用感光材を製造している。フォトレジスト用感光材は、半導体の製造工程や液晶ディスプレイの量産に使われており、デジタル家電の需要が増えるにしたがって生産量が増加している。

 千葉工場では、作業指示書などを紙ベースで管理しており、生産計画の作成に多くの時間を費やしていた。感光材事業本部工場管理グループ長の佐藤義昭氏は次のように語る。「生産計画以外に大きな負担となっていたのが管理です。作業場所が、工場内の各階に分散しているため、進捗の把握に場内放送で担当者を呼び出したり、直接現場まで確認に行ったりしていました。不具合が起きても、対応が遅れてしまうことがしばしばでした」

写真1●東洋合成工業 感光材事業本部 工場管理グループ長 佐藤義昭氏

 製品需要の増加と共に、管理負担はいっそう増加していく。デジタル家電の普及で製造量が1.5倍に増え、管理の限界を超えていたという。「現場に足を運ばなくても進捗状況が把握できるしくみ作りが急務でした。作業実績を収集して、進捗をリアルタイムで見られないかと考えました。そうなれば、現場に行って確認しなくてもトラブルが早期に発見できるようになり、設備稼働率も上がるはずです。効率的な計画立案をするためにも、生産スケジューラーを含む生産管理システムを構築することに決まりました」(佐藤氏)

作業員の負担を増やさないため、ICタグを利用することに

 2004年の春にプロジェクトはスタートしたが、課題となったのは実績収集の方法だった。「管理者の負荷軽減のために、現場作業員に負担がかかってしまっては本末転倒です。当初はパソコンやPDAから数値を入力するしくみを考えましたが、工場内では使えないことが分かりました。火気や静電気が厳禁の防爆エリアなので、パソコンなどに入力するには一度防爆エリアから出なくてはならず、再入場にはクリーンルームを通らなければなりません。それは現実的ではなかったのです」(佐藤氏)

 そこで新たに考案されたのが、ICタグを利用した実績収集だ。作業指示書と一組にして生産現場に回せば、自動的に実績収集ができる。システムインテグレータである伊藤忠テクノサイエンスと共に、三菱マテリアルのRFID製造実行システム「M2S dataTube」とフレクシェの生産計画スケジューラー「FLEXSCHE」をベースに採用して、ICタグを利用できる独自のシステム「Tgames(Toyo Gosei Advanced Manufacturing Execution System)」を開発・構築した。

 その際のスケジューラーの選定においては、「M2S dataTube」とシームレスに連携できることが重要だった。ゼロからの開発では莫大な費用がかかってしまうため、インターネットや展示会で情報を収集し、適切なパッケージソフトを探した。「一般のパッケージソフトは追加開発がしづらく、他のシステムに組み込むのは困難でしたが、『FLEXSCHE』は追加開発がとても容易です。候補はいくつかありましたが、最後まで残ったのが『FLEXSCHE』だったのです」(佐藤氏)

作業員に負荷がかからず、リアルタイムに実績を確認

 現場担当者の迅速なマスターデータの整備、三菱マテリアルのスムーズなICタグへの対応によって、導入から稼働まではわずか3カ月しかかからなかった。「生産計画を不定期に作成してシステムに反映したり、時間の経過と共に変わる計画と実績をリアルタイムで表示したりする機能などをカスタマイズしました。実績を収集する『M2S dataTube』と計画を入力する『FLEXSCHE』の連携が容易に開発できたのは、『FLEXSCHE』の扱いやすさがあったからです」(佐藤氏)

 製造実行システムの効果は、確実に現われている。「スケジューラーと実績収集がうまく連携しているので、進捗状況がリアルタイムで確認できます。以前のように管理者が現場へ行ったり、放送で担当者を呼んだりすることがなくなりました。計画の遅れもすぐに分かるので、作業員に指示して迅速に対応できます。管理負荷が軽くなり、生産数を上げても混乱がなくなったため、当初の目的だった設備稼働率が大幅にアップしました」(佐藤氏)

「FLEXSCHE GP」の画面
図1●生産スケジューリングパッケージ「FLEXSCHE GP」(フレクシェ)の画面(画像クリックで1856×1392の画像を表示)

 現場の作業員にまったく負荷がかかっていないことも大きな成果だ。ICタグの電子カンバンを所定の場所に移動するだけで実績を収集できる。

 利益は大きく上がり、2004年度、感光材事業は17%増、会社全体でも15%増となり、経常利益は前年比94%増という過去最高の好業績となった。「現在は、主要工場の“可視化”と、原料と製品までのサプライチェーン管理(SCM)を推進しています。SCM実現のために『FLEXSCHE』の活躍の場は広がっていくでしょう」と、佐藤氏はさらに効率化するための施策を考えている。

東洋合成工業株式会社千葉工場<br>
写真2●東洋合成工業株式会社千葉工場
半導体の製造工程や液晶ディスプレイの量産に使われるフォトレジスト用感光材を製造している。ICタグとFLEXSCHEを活用した生産管理&スケジューリングシステムの導入で生産性を大幅にアップした。

“FLEXSCHE”および“フレクシェ”は株式会社フレクシェの登録商標です

導入企業のプロファイル
名称東洋合成工業株式会社
設立1954年9月27日
本社所在地千葉県市川市上妙典1603番地
資本金16億1888万8703円
売上高117億8703万円(2005年3月期)
従業員数312名
事業内容1. 有機工業薬品・有機溶剤等の製造ならびに販売
2. 画像形成用の感光性材料の製造ならびに販売
3. 電子表示機器の材料等の開発、製造ならびに販売
4. 電池材料ならびに電気二重層材料等の研究開発、製造ならびに販売
5. 化学機械・装置(反応用機器、蒸留塔、抽出器、濾過機、乾燥機等)の設計、製作ならびに設置工事
6. 倉庫業
7. 貨物運送取扱業
URLhttp://www.toyogosei.com/
システム導入に関するお問い合わせ先
株式会社フレクシェ
電話番号03-3298-1534
URLhttp://www.flexsche.com/
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