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ワタシとカイシャの深ーい溝 労働環境の危険な落とし穴

第7回 絶対に遭遇したくないリストラ
本当に「会社の取り決めには逆らえない」のか?

ワタシとカイシャの深ーい溝 労働環境の危険な落とし穴

昨今、ホワイトカラーエグゼンプションの問題などにより、被雇用者の就業形態に関心が高まっている。「残業代がでない」「定年年齢が延びる」など、うかうかしていると就業先の制度は次々変貌し、自分の身に襲いかかってくるかもしれないのだ。病気、けが、失業や老後に関わる労働保険や社会保険、自分の会社の制度をきちんと把握しておかなければ、自分の幸せを勝ち取ることはできない。“お仕事”にしか関心がないSEは危ないかも!?


珍しくなくなった日本のリストラ……

 今回はリストラについてのお話をします。リストラとはそもそも英語のrestructuringの略で「再構築」といった意味ですが、日本では解雇や人員整理、人員削減の意味で用いられています。そして周知のとおり、日本では多くの企業がバブル経済崩壊後業績の悪化を理由に、積極的にリストラを推し進めてきました。数年前など、企業がリストラをすると株価が上がるなんて現象も起きていました。ようやく最近では、少し景気がよくなっているようですが、中小企業ではまだまだそのような実感がないのが実情でしょう。

本来リストラは合法なのか

 よく「リストラされた」といいますが、日本の判例では一度雇用した労働者は会社の都合で簡単に解雇できないという、つまり裁判所の判断(リストラで訴訟となった場合)が基本としてあります。企業もそのあたりはよくわかっていて、リストラをする場合にはあからさまな解雇という手段をとりません。希望退職者を募集するなどしてあくまで労働者の都合による自主退職に持っていくのが主流なのです。

 会社側の自主退職への誘導方法としては、たとえば社員が自主退職に応じるなら退職金(退職金制度がない会社は手切れ金など)を上積みするというアメの部分と、このまま勤務し続けてもお前の机はなくなるぞ! といった上司の脅しや泣き落としといったムチを使い分け、何とか労働者の都合で辞めさせてしまうなどがあります。表面上はリストラではないよう取り計らうというわけです。

リストラに遭いそうになったら

 では、いざ自らがリストラに遭いそうになったらどのようにすべきなのでしょうか。まずは、一人で解決しようとせずに、労働問題専門の弁護士や社会保険労務士といった専門家に相談するのがベターです。

 会社には、法に長けた百戦錬磨のクビ切りの専門家がいる場合もあります。そんな兵(会社組織)に一人で向かっていくのはそもそも無謀というもの。前述のとおり労働者は労働基準法に堅く守られていますから、そう簡単にはリストラできないのですが、相手は“その道のプロ”と考えなければなりません。

社員側の作戦! 会社の弱点とは?

 会社に対して立ち向かう方法として、専門家に依頼する方法を述べましたが、しかしこれにはまとまったお金が必要となります。また、組織相手に少数で戦うのはやはり大変かもしれません。

 実は、会社側には社員に一番“して欲しくない”こと、つまり弱点があります。それは、あなたが労働組合に加入することです。一時期、管理職が管理職ユニオンをつくってリストラを拒否することが流行りましたが、会社は労働組合がある場合、その組合と団体交渉しなければなりません。これは憲法28条でも「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」と定められています。  

 また、労働組合はその法律で正当な争議行動に対しては刑罰を科されないこと、その行為によって発生した損害について賠償を請求することができないという強いメリットを保有しています。たとえ自分の会社に労働組合がなくても、一人で加入できる労働組合が地域別などでも複数ありますので、それをぜひ活用して下さい。加入しなくともとりあえず相談だけでもしてみるとよいでしょう。

 ただし、これらの方法は、会社を辞めてしまった後では効果が非常に薄いですから、簡単に退職届け書いたりせず、必ず在職中の、あまり深刻な段階になる前に有効な策であると考えてください。

中谷充宏氏

著者 中谷充宏
社会保険労務士・キャリアカウンセラー
1967年大阪生まれ
人事採用コンサルティングを主業務とするM&Nコンサルティング代表。同志社大学卒業後NTT情報システム本部(現NTTコムウェア)にてSE経験を積み、2004年に社会保険労務士開業。IT業界の人事労務問題解決に強みを持つ。現在、就職支援アドバイザーとして埼玉県の非常勤職員も務める


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