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転職経験あり! 仕事人たちのストーリー

フリーターから「GyaO 光」へ
“人脈づくり”が引き寄せる転職パワーとは

乗田智之さん(29) 株式会社USEN コンテンツプラットフォーム事業部 GyaO 光 企画開発
乗田智之さん(29)
株式会社USEN
コンテンツプラットフォーム事業部
GyaO 光 企画開発

 株式会社USENの高速インターネットサービスを提供するプロバイダGyaO 光で、セキュリティサービスから動画コンテンツ、サイト全般の企画・開発、運営を行なうチームに所属する乗田智之さん(29)。大学へ入学したものの即座に辞めてしまい、4年間フリーターとなるも一念発起。ついに人気プロバイダへの転職を成功させた。そんな乗田さんに、IT業界を志したきっかけと成功の理由を聞いた。

乗田智之さんの転職成功のポイント
・希望する就職先に必要なスキルを専門学校や業務のなかで身につけ、基本能力を持つようにしていた
・仕事上の付き合いに終わらない日ごろのコミュニケーションが、結果的に転職に役立った

現在の会社へ転職する際の応募データ

応募した企業数面接した企業内定した企業
1社1社1社
企業を選んだポイント
これまでの経験を生かせるIT企業だったから

4年間のフリーター生活にピリオド

 1995年、現役で大学の経済学部へ入学した乗田さんは、数カ月もしないうちに大学を退学してしまう。そしてそのまま流されるようにフリーターとなり、何の目標もなくアルバイトをしながら生活することとなる。しかし、そんな生活が2年ほど続いたある日、自分の将来について強烈な危機を感じたという。

「20歳の頃、フリーター生活の長い先輩を見ていて、このままじゃいけないと漠然と思いました。そこで、まず何か勉強しなきゃいけないと思い、専門学校に入学することにしたんです。当時ちょうど家で初めてパソコンを購入したこともあって、コンピュータ系の学校に通うことに決め、2年間アルバイトで専門学校の入学金や授業料などの資金を作り、1999年、22歳のときに専門学校へ入学しました。その後はWeb作成のための基礎的なスキルをしっかり学ぶことができたので、将来はWebデザインを経てWebディレクターになろうと考えるようになっていきました。しかし、当時はWebデザインを指向する人がとても多くて、業界は狭き門。同校の生徒が集団で楽天株式会社を受験しましたが、僕自身は早々に落ち、その後も就職はなかなか決まらず、結局、デザイナー指向を捨ててシステム構築などを請け負うプログラミング会社に就職することにしたのです」

 しかしせっかく念願の就職を果たした乗田さんではあるが、仕事を始めて3カ月ほどでプログラミングという孤独な作業が向かず、再び転職を考えるようになってしまう。そしてそんな矢先、たった3ヶ月前に初めての就職活動で不採用となった楽天が、再び人材募集しているのを発見する。

「リベンジという感じで応募してみました。1度は落ちた会社なのでプレッシャーを感じることなく面接に挑めました。このときは3社の面接を受けたのですが、その中で一番早く採用通知をくれたのは楽天でした。人材不足だったので、Webのスキルや知識がある即戦力として採用されました。リベンジを果たせたという気持ちから一も二もなく返事をしました。こうして、2001年6月から契約社員として楽天市場の店舗アシスタントという仕事を与えられ、出店を希望する店舗が適正な商品を扱っているかを審査をしたり、出店した店主さんに対していろいろな商品を提案したりしました。もともと人と接することが好きだったこともあって、転職してよかったと思いました」

社内フットサルチームで見つけた大切な縁

 そんな乗田さんは、2002年12月に楽天のポータルサイトであるインフォシークを担当する部署へ移動することになり、ウェブサーファーや検索ワードを基にしたデータ分析などを行なうことになった。また、仕事だけではなく社内のフットサルチームに所属するなどのスポーツの趣味を持ち、思いがけず趣味のなかでその後の転職を左右する人間関係を築いていくことになったという。というのはこのフットサルのチームは主に、楽天とUSENが共同出資する『ShowTime』という会員制ポータルサイトの関係者で結成されていたため、楽天だけではなくUSENの社員とも知り合うことができた。この出会いが転職の縁となったのだ。

「もともと趣味の合う仲間ですから、会社の枠を超えて友人として付き合うようになりました。そうした友人の1人から2004年11月に『USENで人材を募集しているから来ないか』と誘われたのです。インフォシークの仕事も楽しかったのですが、店舗アシスタントの頃よりお客様に直接アプローチする部分が少なく、誰に向かって仕事をしているのか分からない気がしていました。そんな矢先に誘ってもらったのですが、光ファイバを使ったブロードバンドプロバイダの部署と聞いて、今までとは違う何か新しいことにチャレンジできるのではないかというワクワク感や、データ分析業務よりお客様に対してアプローチする業務であるということから、すぐに転職を決意したのです。その気持ちを友人に伝えました」

 その後、友人により乗田さんのプロフィールや現在の状況はUSENに伝えられ、いよいよ面接を受けることになる。面接は2回。1次面接、2次面接ともに自己紹介などの人間性、コミュニケーションスキルを問う質問が中心となったそうだ。

「面接では、自分のスキルや職歴ははもちろんですが、これまでの職場でさまざまな部署の人とも積極的に人間関係を築き、人と交流して知識や情報を得ることが好きであることなどを伝えました。そして、これまでの仕事で培ったWebに関わる経験や知識を、幅広い人脈から得た情報と組み合わせたり、コミュニケーションを図るためのツールに反映させることで、新たなコンテンツ開発に生かせること。さらにはどんなことでも自由に企画できる部署ということなので、試してみたいアイデアや、コンテンツの人気状況などからユーザーのダイレクトな反応を見られるのが何よりも嬉しいといったことなども伝えました」

 USENの採用担当者によると、乗田さんを採用したポイントは、Web制作の知識やスキルに加えて、日頃からユーザーの反応を意識して仕事をする姿勢、人脈を広げてその情報を仕事に生かせる能力などをやはり大きく評価したという。

 こうして乗田さんは2005年1月からUSENで正社員として、メールやIP電話の管理、セキュリティサービスや動画コンテンツ、サイト全般の企画・開発、運営を行なうようになった。そして今も、エンドユーザの声を反映したサービスを提供していきたいと、新しい企画や商品の開発にチャレンジし続けている。

現在の会社へ転職する際の活動スケジュール
2004年11月転職活動開始(転職の誘いをうける)
下向き矢印
11月顔合わせ(友人に職能を披瀝)
下向き矢印
11月1次面接
下向き矢印
12月2次面接
下向き矢印
2005年1月入社(正社員)

すべての成功になくてはならない人づき合い能力

 フリーターを経てプログラマとなった乗田さん。その後、楽天市場で店舗アシスタント、インフォシークでサーファーやデータ分析などを経験して、Webの知識やスキルを着実に積み上げ、現在はプロバイダの商品開発に携わるようになっている。そうした職歴や過去の転職活動を振り返り、彼はこのように語る。

「仕事の知識やスキルに関しては後から身に付けられる部分もあると思うのです。僕の転職が成功したというのならば、それは何より社内や顧客、ユーザーを問わない人とのコミュニケーションに積極的であったからだと思います。あいさつをすることや、自分から話しかけることなどを心がけるだけで、自然と相手からも話しかけられることが多くなり、そこから人と人との繋がりができていくではないでしょうか。人のネットワークのなかでは、自分が思ってもいなかった方向に物事が発展する可能性があると思います。また、さまざまな人と会話できる環境は、仕事で行き詰まったときに思わぬ人から解決策を授かることがあるなど、転職成功のみならず、もしかするその後の仕事すべてに成功を広げられる可能性も秘められていると思います。もちろん職場に限らず、友人とお酒を飲んでいるときでも、繋がりは生まれるはずですよね。実際、僕にUSENを紹介してくれた友人は、初めは僕が楽天でどんな仕事をしているのかも知らず、単にフットサルを通じてできた友だちとして転職を打診してきたのです。一緒に仕事をできる人間か否かという点をまず見てくれた、ということでしょう。つまり、結果的に自分の能力を伝える場は、面接会場だけではなかったように思うのです。なので今でも職場や友人たちの間では、常に自分の仕事ぶりや人間性は見られているという意識を高く持っています。転職を考えているのであれば、まず過去現在の人間関係を大切にしながら、今後の可能性を探っていくことも大切ではないでしょうか」

 IT業界は他業種に比べ、特に専門かつ最新の知識が求められる場合が多く、それらの強化ばかりが転職には有効であるように思われがちである。そんな中にあって乗田さんが強調したのは人脈づくりの大切さだ。転職を考慮して、即戦力であるように己を磨いておくことは必須だが、面接は“一緒に働く人間を審査する場”であることを忘れてはならない。そして転職のチャンスは、人と人との繋がりの中にも隠れていることがわかる。それを発掘するために必要なものは何か──。どんな最先端の仕事の職場も、「人で構成された場」であることを忘れてはならない。

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