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転職経験あり! 仕事人たちのストーリー

商社の経理担当から音楽配信サービスサイトの編集長へ
~異業種から転職成功の秘訣は何か~

野村貢さん(35) 株式会社USEN コンテンツプラットフォーム事業部 OnGen USEN MUSIC SERVER編集長
野村貢さん(35)
株式会社USEN
コンテンツプラットフォーム事業部
OnGen USEN MUSIC SERVER編集長

 USEN株式会社の音楽配信サービスサイト「OnGen USEN MUSIC SERVER」の編集長を務める野村貢さん(35)。将来の目標を見出せずに悩んだ末、ついにたどり着いた“自分がやりたい仕事”をするために、30代にして未経験のIT業界へ転職を果たした。そんな野村さんは、どのようにして年齢やスキルなどのハンディキャップを克服したのか。

野村貢さんの転職成功のポイント
・これまでの経験をどのように生かせるかを職務経歴書に細かく書いてアピールした
・紆余曲折のキャリアを経て培われた明確な自分の意見を武器にできた
・「どんな雇用形態でも構わないから仕事をする姿を見てほしい」と意欲をアピールした

現在の会社へ転職する際の応募データ

応募した企業数面接した企業内定した企業
1社1社1社
企業を選んだポイント
これまでの経験を生かせるIT企業だったから

まずは自分の天職探しからスタート!

 野村さんは大学で教職課程を履修していたことから、漠然とではあるが教師を目指していた。ところが、大学4年生のときの教育実習で「生徒を指導できるほど、自分は何かを経験しているわけではない」と悩み、教師の道を断念。とりあえず一般企業で働こうと考え、1994年4月に専門商社へ就職した。経理部に配属された野村さんは、朝9時から夕方17時まで淡々と業務をこなす毎日を送った。だが3年ほど経つうちに、一生懸命になるものもなく何となく日々を過ごしている自分に疑問を抱くようになった。

「確たる目的を持たずに仕事をしているうちに『自分がやりたい仕事は本当にこれなのか?』という疑問が抑えられなくなり、何をしたらいいのかと悩みましたね。そんなときに、高校・大学時代の友人に『目的を探すために日本を飛び出してもいいんじゃないか?』と助言され、目的探しのために1997年、25歳で会社を退職。その友人が暮らすニューヨークへ行き、彼らが発行する日本人向けフリーペーパーの編集作業を手伝うことにしました。ニューヨーク中を奔走して街の出来事を紹介するコラムを書いたり、クラシファイド広告(案内広告)を作成したりすることは、今までに経験したことのない楽しさでしたね。おかげで、僕が探していたのは編集の仕事だったんだと気づきました」

 渡米から1年後の1998年末、野村さんは持ち金が底をついたために日本へ帰国。日本でも今度は自分で街に根づいたフリーペーパーを作りたいと考えたが、まずは編集者としてきちんとした経験を積もうと決意し、28歳にして出版社への転職活動を開始。3カ月間に約20社の出版社・編集プロダクションへ書類を送付した。

「最初は転職活動について何の知識もなかったので、今までの職務経歴をただ書いた書類を送りまくったんです。約20社に書類を送った結果、面接試験に進めたのは3社でした。ただ、書類選考の通過が3社だけというのは自身としては不本意だったので、書類の問題点を考え直しました。それまでは市販の職務経歴書にただ経歴を書き込んでいましたが、転職活動の次のステップである面接にはWordで自作した職務経歴書を新たに持ち込んで臨みました。職務経歴書を作る際に工夫したのは、一目で『職歴を生かしてこんなことができます』ということが分かるようにしたこと。その結果、1社から内定をいただき、編集プロダクションの正社員として採用されることになりました。ここの社長さんも28歳から本格的に編集の仕事を始めたというので、とても親しみを感じました」

33歳でIT業界への転職を果たした秘訣は
過去の経験をどう生かすのか履歴書に具体的にアピールしたこと

 1999年8月、28歳で編集プロダクションに就職した野村さんは、携帯電話の着信メロディー(着メロ)を専門に扱う雑誌に創刊当初から関わることになった。「仕事は自分で覚えろ」という職人気質な社風の会社だったので仕事の仕方を教えてくれる人はいなかったが、野村さんは積極的に動いて技術を学び、知識を吸収していった。こうして雑誌の編集を続けること5年、野村さんは管理進行係、さらに編集プロダクション所属ながらも副編集長も経験するまでとなった。しかしこの頃、野村さんはあることを考えていた。

「僕が編集プロダクションで働いている5年の間に、1音ずつボタンを打って入力していた着メロがダウンロードできるようになり、服や雑貨を誰でもネット通販で購入できるようになった。そうした時代にあって、雑誌の使命とは何だろうと考えるようになりましたね。また、IT業界に転職する知人も増えていったので、IT関連の仕事に興味も沸きました。そこで、ときどき『僕の編集経験を生かせる仕事がIT業界にもあるかな?』と求人サイトを見るようになりました」

 そんな野村さんはほどなくして求人サイトで、自身の経験を生かせるかもしれないと思えた仕事を発見。USENが運営する音楽配信サイト「OnGen USEN MUSIC SERVER」が、編集スタッフを募集していたのだ。そして同サイトがインターネットを通じて楽曲を配信するサービスを拡大・充実していくこと知った野村さんは転職を決意し、前回の転職活動経験を踏まえ、念入りに履歴書作成の準備することにした。

「33歳で未経験のIT業界へ転職を図ったので、履歴書には雑誌の副編集長として作業の進行やクオリティを管理してきたキャリアを単に羅列するのではなく、『編集経験→外部との交渉、ページ制作』『進行管理→スケジュール管理』などと、入社後に担当するであろう仕事にどう生かせるのかを1つ1つ書き、即戦力であることをアピールしました。IT業界のことを何も知らないのに即戦力もないけれど(笑)。また、年齢の割には仕事を覚えたり知識を吸収するのが早いとも訴えましたね。OnGen USEN MUSIC SERVERの面接では『雇用形態は契約社員でも構わないから、仕事をする姿を見てほしい』と、アピールしました。

 その結果、野村さんは2004年10月にOnGen USEN MUSIC SERVERの編集スタッフとして採用された。そして、試用期間である最初の3カ月間、履歴書や面接でアピールしたことを実践するため、他人の2倍の仕事をすることを心がけた。その甲斐あって、翌年2月に正社員として正式採用が決定。その後も気を緩めることなく新コンテンツを次々と企画し、同サイトの充実・拡大に努めた。そして2005年10月には編集長に就任。ユーザーがいかにストレスなく音楽配信サービスを楽しめるかを念頭に、同サイトのコンテンツの企画から管理運営までを行なっている。

現在の会社へ転職する際の活動スケジュール
2004年4月転職活動開始(転職サイトのチェック)
下向き矢印
6月応募(転職サイトを通じてエントリー)
下向き矢印
7月1次面接
下向き矢印
8月2次面接
下向き矢印
10月入社
下向き矢印
2005年2月正社員

転職活動で最も求められるものは
ハンデを克服するバイタリティ

 自身の望む職業を探求するため、さまざまな経験を積むことを努力してきた野村さんであるが、本来は人に会うことが苦手な性分で、最初の就職活動時の面接はイヤでたまらなかったという。明確な意見を持っていなかったので聞かれたことに確固とした返答ができず、後悔することが多かったからだ。だが一見紆余曲折のようなさまざまな体験の中で自分がしたいことが明確に見えてくると、しっかりした意見を持つようになり、どんな面接も苦ではなくなったそうだ。転職における年齢制限や業界未経験など、ハンデと思うことでも、転職という大事の前の小事に過ぎないと考えれば、必ず克服できると野村さんは語る

「転職活動で実感したのは、自分の可能性を伝えることが大切だということ。僕は雑誌作りで企画や編集を経験していたので、それに未経験のIT分野の知識や技術が加われば、サイト運営でいろいろな可能性が開けるとアピールしました。たとえ未経験の分野の仕事でも臆するのではなく、これまでに培った経験を武器にしようというバイタリティが大切ですね。それから、自分のアンテナを広げて、常にさまざまな情報を収集することも重要です。そのアンテナがキャッチした情報で少しでも気になったものは、たとえ好きなものではなくても調べたり試したりする。その積み重ねが、やがて仕事や転職に役立つものですよ。現在、OnGenチームでも運営スタッフを募集していますが、こうしたバイタリティのある人を求めています。いろいろなことに興味を持ち、まずは挑戦してみましょう。その中から、得意なこと、好きなことが見つかるはずです」

 30代の転職にとって年齢制限や業界未経験は、確かに大きなハンデといえる。けれど野村さんのように、たとえ希望職種と違うキャリアを持っていたとしても、転職先に照らし合わせ、自身のスキルを戦力に変えられる明晰さは必ず武器となりうる。また、一見紆余曲折に見えるキャリアも、“さまざまな経験が裏付ける明確な意見”をアピールできれば面接時には有効であるうえ、“雇用形態を問わない”という実践で勝負する姿勢をみせられたことも転職成功の秘訣といる。

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